雑草の言葉

欲しがりましょう、産めよ殖せよ

2023/01/23
Economic Fascism 10
バベルの塔1

 先日、NHKの日曜討論を、終わりの方だけ少し観てみました。2023年度の経済などがどうなるかというような内容でした。
 出演者は、証券会社のチーフアナリスト、証券会社GM総括本部副会長、経済学の大学教授、連合総研主幹研究員、関西経団連会長という面々で、面白くなさそうだと思った以上にしょうもない内容でした。

 彼らは旧態依然とした経済成長戦略を論じていました。GX(グリーントラストインフォメーション)で、脱炭素社会への移行は必要だ。その為原発などを活用して、日本がまた技術と経済で世界のトップに上がれるチャンスだとか、聞くに値しないではなく、聞くに堪えない内容でした。
 そして極め付けは、出演者の一人が
「戦前のように、欲しがりません勝つまではではなくて、将来のためにみんなで欲しがりましょう。」
みたいなことを言ったのです。おそらく彼女の得意フレーズなのでしょう。

欲しがりません勝つまでは  贅沢は敵だ
「ぜいたくは敵だ!」って標語は、戦争と結び付けなければ悪く無いと思います。

 要するに、不要なものでもどんどん欲しがって、経済を活性化し、経済成長させようと言うことでしょう。
 SGDsだとかGXだとかを論じていた方々ですから、ダブルスタンダードです。環境のことも考えて、
欲しがりません。不必要なものは」と言うべきでしょう。はじめから、GXは経済成長の道具としか考えていないようです。
それに対して証券会社のエコノミストと言う方は、
「その為には人口が増えないのが問題だ」
と言い切りました。さらに脱力です。
戦前の「埋めよ殖せよ」みたいなものです。
「欲しがりません。勝つまでは」よりもよっぽど酷いアナクロニズムでしょう。

埋めよ増やせよ国の為

人口を増やして国力を増して、GDP を増やせと言いたいのでしょう。私はこれ以上の経済成長は、破局への道だと考えていますが、これからも国民が物質的に富むことを是としたとしても、国全体のGDPではなく、一人当たりのGDPが問題でしょう。
要するに総人口が増えれば売り上げも増えるという単純発想なのでしょうけれど、人口が増えれば企業も増えて、消費者だけでなく、生産者も増えるのです。一人当たりは変わらない・・・と言うよりも、人口が多い分、一人当たりの物資は減るのは当然で、資源の枯渇と環境汚染が進むだけです。

 最近、やっと資本主義の限界を唱える経済学者が増えてきました。21世紀も経済成長を続ける事は不可能で、定常社会に移行すべきだという学者も見受けられるようになってきました。
それなのに、いまだに
「需要拡大、産めよ殖せよ」
みたいな事を言っている方を、経済のオピニオンリーダー(?)としてTV に出演させているNHK が、御用学者を集めて政府や経済界に忖度しているのでしょうか?日本中そう考えている方が大多数派なんでしょうけれど、日本に限らず、こんな近視眼的なお馬鹿なことを言ってると、成長の限界による破局が訪れて、22世紀に向かって悲惨な世界になっていく事でしょう。22世紀まで持たないんじゃないかと思っています。
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Comments 10

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sitateyanezumi

”産めよ殖やせよ”

 私も最近の岸田首相のTVニュースで取り上げる「少子化対策」の画像カット部分を見るたびに、”産めよ殖やせよ”の言葉が頭に浮かんでいました。防衛費増額の政策と結びついて、国民を物質・消費材・数さえ揃えば良い大量製産品・後年の税金の財源と思っているんだな~と、何度となく実感しているところでした。
古い記事も読ませていただいています。

2023/01/24 (Tue) 00:36
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: ”産めよ殖やせよ”

sitateyanezumi さん、初のコメント有難うございます。過去の古い記事も読んでいただいているとの事、恐縮です。

 岸田首相のTVニュースで取り上げる「少子化対策」の画像カットは見た事がありませんが、どんな画像か見てみたいです。
兎も角、人口過剰のこの時代に、”産めよ殖やせよ”は無いですね。共感できるコメント、嬉しく思います。
これ以上人口を増やす事は破局への道だと確信しておりますが、百歩譲って人口を増やすことを是と出来るとしても、それは食糧の自給率が100%を超えてることが必要条件でしょう。(十分条件ではありませんが。。)食料自給率が40%も行かない日本が「産めよ殖やせよ」なんてやったら、悲惨なことになるでしょう。飢餓は絶対に避けたいです。
少子化対策で、人口増加策だとか、防衛費増額だとか、原発の見直しだとか岸田内閣は、その前の安倍、管の路線というか、それ以上に、日本を破局へ導くようなとんでもないことを閣議決定してますね。ウクライナの次はこっちか?と思えるほど、危うい状況へ突入しそうです。

2023/01/24 (Tue) 07:29

たっきー

こんばんは

たまには贅沢も悪くはないと思います・・・
ビンボー旅行ではありましたが、とんでもないところに行ってきてしまいました。

ワタクシにとっては清水の舞台どころか、中央アルプスの天辺の断崖絶壁から飛び降りるような勢いでした(汗)

電気自動車が、原発が、経済が、と、さも正しいかのような発言をする人たちは、一番根幹の部分に蓋をしていて、まるでオメラスの地下牢に囚われている少年のお話しが脳裏をよぎります

サスティナブルだとか持続可能を謳うならば、社会構造を変える必要があるのではないかと、ずっと思っています、よその国をみて、日本の都会の様子をみると、その異様なほどの姿は本当に驚きます

それから我が家の長女ですが、彼女はフルートを演奏しております、木製のアイリッシュフルートと呼ばれる楽器のようです



2023/01/24 (Tue) 18:53

爽風上々

異次元の少子化対策

「異次元の少子化対策」などというバカなことを行った時には、私のブログでも書きましたが、もちろんそんな大したことはできないことを見越してのものでした。
https://sohujojo.hatenablog.com/entry/2023/01/19/130000
しかし、考えてみれば「大したことができない」からまだ良いようなもので、「効果的」なことをやり出したらそれも大変な事態です。

例えば、結婚しない若者を強制的に組み合わせて結婚させるとか。
どうやら統一教会並みになりそうですが。

国会での演説でも総理は少子化対策が一番だと言っていたそうです。
おそらくはこれはあまり反対する者もいないだろうという、浅知恵丸出しの考えからでしょうが、人口が徐々に減少していく社会の問題点の整備などということには一つも対策が思い浮かばないのでしょう。

なお、同じ演説は防衛力増強は未来の人々のために整備するとも言ったそうです。
それを国債で賄えば「未来の人々にツケを回す」というのが正しい言い方です。

2023/01/24 (Tue) 20:24
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: こんばんは

おっしゃるように、たまには贅沢も悪くないと思います。
しかしプライベートジェットに乗ったり、自家用車を一人で何十台も所有したり、常に平均的一般人の何十倍、何百倍も贅沢する人は、「社会の敵」との見方はアナクロニズムではなく、こtれからの社会には必要な概念だと思っています。
一人の人間が「お金を持っている」と言う理由だけで、平均的人間の何十倍、何百倍の資源を浪費し、環境を汚染する権利はないと考えています。

>電気自動車が、原発が、経済が、と、さも正しいかのような発言をする人たちは、一番根幹の部分に蓋をしていて、

全くその通りだと思います。それを正しい事だと肯定している人たちが、記事に書いた経済界のオピニオンリーダー?と勘違いしている人たちです。

>オメラスの地下牢に囚われている少年のお話

は知りませんでしたが、現代社会は、一人の「オメラスの地下牢に囚われている少年」の犠牲の下に成り立っているのでは無く、多くの庶民が貧困層に貶められて、一部の富裕層を支えさせられているローマの奴隷たちのようにさせられている社会だと思います。

2023/01/25 (Wed) 06:20
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 異次元の少子化対策

言われてみれば確かに「異次元の少子化対策」って、お馬鹿な表現です。何をもって異次元とするのでしょう?
全く大した対策ではありません。

>考えてみれば「大したことができない」からまだ良いようなもので、「効果的」なことをやり出したらそれも大変な事態です。

その通りだと思います。少子化対策は世紀の愚策だと考えていますが、一向に効果が上がらないのが幸いだと考えています。
1家族、一人二人の子供がいても、十分にやっていける福祉社会にする事は大切だと思います。
しかし、5人も10人も子供をつくった夫婦が誉められて、自分達も「少子化対策に貢献している」と誇っている様な連中には辟易です。まさに「産めよ殖せよ」を是としているしょうもない人々です。かつての中国の一人っ子政策を見習うべきです。
人口が適切な数まで減少していくのに、ストレスが少ないような政策を考えて実行していくべきでしょう。

2023/01/25 (Wed) 06:43

爽風上々

中国の一人っ子政策

一人っ子政策というのも中国以外ではほとんど成功するはずもないものでした。(中国でも色々あったようですが)
今ではそのために中国も人口減少に至り、今後は国力が減ってしまうなどと訳知り顔で解説する輩もいますが、もしもそれを実施していなかったら中国が破滅するだけでなく世界も危なかったかもしれません。
危ういところで延命したのが中国と世界だったということでしょう。

その中国を追い越して破滅への一直線を歩んでいるのがインドでしょう。
これも、インドを成長の中心かのように顕彰するアホもいますが、危険極まりないのがインドだということが分かっていないのでしょうか。

経済成長の一番の早道が人口増加なのでしょうが、それは破滅への近道でもあります。

2023/01/25 (Wed) 08:43

guyver1092

経験に学ぶ

 現在の日本の指導者は高度経済成長時の経験のみ、学んでいるようですね。人口が順調に増えると経済が成長していました。歴史的事実です。しかし、古代中国の人口の歴史を見てみると、建国期、繁栄期、衰退期、交代期というサイクルを繰り返しますが、交代期に入るまでは人口は増えています。
 この中国の人口の歴史から考えてみると、日本の高度経済成長時代は繁栄期ですね。そしてバブル崩壊後は衰退期でしょう。人口だけ増え続けても、人類社会が拡大する余地がなければ食料供給が飢餓ラインに近づき、社会が不安定になるだけです。単に人口だけに着目するのではなく、人類社会の拡大する余地があるかまで考えなければ、自滅する可能性もあります。
 愚か者たちは、日本に経済成長の余地があるかどうかも確かめず、ただがむしゃらに人口増加を目指すつもりのようですが、「異次元の金融緩和」とダブって見えますね。
 歴史には、人口増加のその先もあるわけですから、それを確かめずに政策を決定するのは、まさしく愚者と言えるでしょう。

2023/01/25 (Wed) 21:23
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 中国の一人っ子政策

全く同感です。
>中国も人口減少に至り、今後は国力が減ってしまうなどと訳知り顔で解説する輩

こういうエコノミストは結構多いですね。破局の近付いている世界で、中国の人口が減少に転じた事は、中国にとっても世界にとっても頗るいいことに違いありません。少なくとも破局を先延ばし出来ます。

>インドを成長の中心かのように顕彰するアホ

これまた沢山いますが、本当にアホですね。インドの人口は中国を追い越す勢いですが、面責は中国の三分の一ほどですから、人口密度は中国の3倍近くです。日本の人口密度よりも高いのですから、非常に脅威です。
世界の破局がインドから始まる可能性も高いんじゃないかと考えています。
環境汚染も深刻ですが、やはり食糧不足が大きな懸念です。インドだろうが中国だろうが、その人口の1割分ほどを輸入する事になったら、日本に入る食糧は無くなってしまいそうです。食糧増産と人口減少策を同時に行い、早急に食料自給率を100%に近付けるべきでしょう。
食料自給率が80%に落ちたからと、危機意識を持った中国の政治家の方がかなりまともな神経の持ち主たちです。

2023/01/25 (Wed) 21:31
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 経験に学ぶ

 現在の日本の政治家の多くは、短期の経験にしか学んでいませんね。
現政権も選挙と目先の陳情、アメリカからの圧力の事だけで目先のことしか見ていません。非常に危険です。

>現在の日本の指導者は高度経済成長時の経験のみ、学んでいる

もう成長の限界に達しようとしているのに、こんな過去の打ち上げ花火のような経済成長を再び・・・と言う発想が破局への道でしょう。

>人口が順調に増えると経済が成長していました。

人口が増えて経済が成長すれば、支配層の搾取は増えて、より富みますが、庶民の一人あたりのGDP は減るでしょう。即ち、国全体のGDP を増やしたいのは、強欲な搾取階級ということになるでしょう。

>人類社会が拡大する余地がなければ食料供給が飢餓ラインに近づき、社会が不安定になる

まさに今、その危機が懸念されます。21世紀中に自滅する可能性も低くないでしょう。

>「異次元の金融緩和」とダブって見えますね。

仰る通りです。両方共詐欺ですね。これで国民を騙せると思うとは、安倍菅岸田に日本国民は舐められたものです。
でも彼らは、騙している感覚よりも目先の経済成長で解決すると本気で思っているのでしょう。

2023/01/26 (Thu) 00:38
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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