破滅するまでアクセルを踏み続ける積もりでしょうか?
しかし、現在でも世界の多くの人々は、つい最近、20世紀に確立された、「経済成長」という巨大カルトに翻弄されています。何事でも、いつまでもスピードアップ出来る筈がありません・・経済だって成長を続けられる筈が御座いません。
もし仮に(高度)経済成長時代と言うものが必要だったとしても、どこかで止まらなければならない事は自明の理でしょう。・・・そのどこか・・・は勿論、世界のエコロジカル・フットプリントが、地球の再生能力の範囲内、つまり、持続可能な範囲内である事は明らかでしょう。・・・そして、その限界はとっくに超えています。超えたのは1980年代のはじめ頃と言われています。
・・それなのに世界の指導者達の大部分は、いまだに経済成長を目標に据えています。現段階で既にかなりのスピードオーバーである経済状態ですから、これからゼロ成長を続けても、破局を迎えるわけです。つまり、世界が持続可能な状態になる為には、これからブレーキを踏んで経済をマイナス成長させて、あるレベル以下・・地球の自己再生可能なレベル以下まで・・経済活動を押さえなければならないのです。
ところがどうでしょう?
自ら先進国と呼んでいる先進諸国は、高度経済成長時代は既に終わって、もう大幅なスピードアップは無理なのに、アクセルを目一杯踏み込んで1%でもGDPを上げようと躍起になっています。
BRICs諸国をはじめとする、かつて発展途上国と呼ばれた国々も、色々な事を犠牲にしながら高度経済成長を謳歌している積もりでいます。世界の多くの人々はいまだに経済成長神話を信じています。無限の成長があると思ってる輩・・・そこまで愚かでなくとも、限界を超えてしまった現在でも経済成長を優先する財界人、政治家をはじめとする大多数の人々は、浅はかな暴走族と言うべきでしょう。経済成長の先にあるものは破滅でしかないのに・・。
これから十分に減速して安全速度(持続可能な範囲)以下に下げなければ、人間社会は破局を迎え、破滅に向かうだけです。・・それなのに経済成長に取り憑かれた人々は、いまだに少しでもスピードを上げようとアクセルを踏み続けています。
スピードを出し過ぎて道を外れて谷底に落ちるのか、岩壁に衝突するのか、はたまたエンジンが火を噴いて自滅するのか・・・人類は破局までスピードアップ(=経済成長)続けるつもりなのでしょうか? 人々は、経済成長の先にあるものは破局であると言うごく当然の帰着に気付くべきです。気付いて今すぐに減速すべきでしょう。破局の前に・・・
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