雑草の言葉

そこまでロシアの仕業にするか?

2022/10/15
戦争 4
 ロシア産天然ガスをヨーロッパに輸送するパイプライン、ノルド・ストリームが9月末に破壊されました。この報道を受け、ヨーロッパのガス価格は更に上昇しています。
 ノルド・ストリーム破壊は、普通に考えれば、流石にロシアの仕業では無いでしょう。狂ったプーチンがヤケでやったとか、ロシア内部の反動勢力の一部がやった可能性がないとは言い切れ無いかも知れませんが、ロシアが国家としてやったと考えるにはかなり無理があります。
ノルドストリーム破壊.

 欧米では、「ロシアが関与した」と言い、その理由を「冬場が近づく中でガス供給を断つと、電気代が上がり、欧州諸国が背負う負担が大きくなるため、ロシアにとって相応の価値がある」と指摘していとの事です。
 こんなおかしな理屈が本当にまかり通るのでしょうか?私には理解できません。何故にロシアが権益を持つノルド・ストリームのパイプラインを破壊する必要があるのでしょうか?ノルド・ストリームを破壊しなくても、天然ガスを送るか送らないかの主導権はロシアが持っているのです。ガスの値段だって、吹っかけることもできるでしょう。
「ガスを武器として利用している」と欧米諸国から批判されるロシアですが、破壊してしまったら、その武器を失ってしまうのです。ヨーロッパのウクライナ支援、ロシア批判を抑制するタガも外れるだけでしょう。ロシアにとっては痛手なだけです。
ノルドストリーム地図

この件で「欧米諸国」と言うように、ヨーロッパ諸国とアメリカを一緒くたにするのも妙な話です。ノルド・ストリームが破壊されてもアメリカは痛くも痒くも無いばかりか、ヨーロッパに天然ガスを売ることが出来て大儲けできます。
 一方、ヨーロッパ諸国は、天然ガスが入って来なくなれば困ります。ヨーロッパ諸国も、実はアメリカがやったのではないかと思いつつも、破壊されてしまった今となっては表向き、「ロシアがやった」・・・と非難するしかないのかも知れません。
 
 普通に考えれば、一番得をするのはアメリカです。アメリカ産の天然ガスを高く売り付けることができるばかりか、絆を深めていたロシアとヨーロッパ諸国の絆を断ち切り、ヨーロッパにアメリカの方を向かせることが出来るのです。

 元々この戦争は、ノルドストリームによってロシアとヨーロッパの絆が強まり、アメリカが蚊帳の外に追いやられた事に危惧したアメリカが煽った戦争だという裏の一面もあると言われてきました。

 ロシアのウクライナ侵攻以前から、アメリカは、ノルド・ストリームの通常運用に反対していました。実際、バイデン大統領は、「ロシアがウクライナ侵攻したら、ノルド・ストリームを終わらる」と発言していたのです。

 このノルド・ストーム破壊でさえも、「ロシアがやった」というアメリカの説明に、特に疑問を呈することなく垂れ流す日本のマスコミの多くもお粗末過ぎます。アメリカに偏り過ぎにもほどがあります。
 バイデンはかなりの曲者でしょう。オバマ政権下での副大統領の時代から、ウクライナにNATO加盟を強く働きかけ、ゼレンスキーをそそのかし、ロシアを挑発し続けてきました。それまで、ロシアにもアメリカ(NATO)にも偏ることなく中立を望み、両者と友好的にしていたウクライナを西側に引き入れようと画策したのもバイデンです。ロシアの侵攻を煽ったのもバイデンです。
 バイデンは、アメリカ軍産複合体の回し者と言えるでしょう。【やはり軍事産業か?


 兎も角、ノルド・ストリームの破壊が、どこかの国家の関与した破壊工作であるのならば、それはアメリカと考えるのが妥当です。アメリカの次に可能性が高いのはウクライナではないでしょうか?

 ウクライナのゼレンスキー大統領も、国民のことを考えれば、戦争回避を一番に考えるべきであり、中立的立場を維持すればよかったのです。ロシアの侵攻前から、バイデンにそそのかされて、NATO加入を強く掲げたから、ウクライナ侵攻されました。・・と、言うよりもゼレンスキーは、はじめからアメリカの傀儡として大統領になったようにも見えます。
 侵攻の翌月に、トルコが仲介して停戦交渉を始めたときに、アメリカがウクライナへの武器援助を決めて、交渉は合意に至りませんでした。
 21世紀に入って、バイデンが副大統領時代からのアメリカの行動は、ロシアの弱体化とヨーロッパとロシアの結びつきを断つこと、さらにはアメリカの軍需産業を潤わす事というふうに見えます。結果的に、今回のウクライナ戦争で、そのどれもが達成されつつあります。アメリカは、停戦どころか、戦争の長期化さえ画策しているように見えます。

 プーチンはサイコパスのような残忍な人物と言うことに異論はありませんが、バイデンも決して正義の味方ではなく、プーチンに負けず劣らず、戦争をやらせたいサイコパスに思えます。

 「狐と狸の化かし合い」などというような生やさしいものではなく、「鬼と悪魔の騙し合い」で、ウクライナやロシアの庶民をはじめ、世界の多くの人々が翻弄されているように思えます。


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Comments 4

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guyver1092

知りませんでした

 ノルドストリームが、ロシアのものとは知りませんでした。おっしゃる様に、ロシアが破壊する意味はないと思います。
 以前、戦争のほとんどは経済的側面があるという記事を読んだことがありますが、ノルドストリームの破壊は、経済的にどこが得をするかを考えれば真犯人が見えてきそうですね。

 アメリカの真の目的は、ロシアの経済を完全に破壊して、ロシアの経済的地位を最貧国に落とすことかもしれませんね。さらに言えば、アメリカに敵対的な国を各個撃破する過程の一つで、世界一の超大国の地位を維持することかもしれませんね。

2022/10/15 (Sat) 21:54

爽風上々

プロパガンダ合戦

私のところでも何度か書きましたが、この戦争については多くの破壊工作でどちらがやったのかよく分からないという変な事態になっています。
やはり変則的な状態なのでしょう。
まあ太平洋戦争のようにありもしない戦果をやったやったと宣伝するのも問題でしょうが、やったことを知らんぷりというのもおかしなものです。
とにかく、情報戦争についてはロシア側も相当な力を持っているでしょうから鵜呑みにはできません。
アメリカ側も多くの実績を持つ謀略機関がありますので、こちらも眉唾だらけです。
そんなわけで、まだ当分正面からの論評は避けた方が良さそうです。

2022/10/16 (Sun) 07:39
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 知りませんでした

 経済的側面から考えても、得をするのはアメリカで、ロシアは大損すると思うのですが、本文に記したように、
>「冬場が近づく中でガス供給を断つと、電気代が上がり、欧州諸国が背負う負担が大きくなるため、ロシアにとって相応の価値がある」
と言う解せない理由でロシアのせいにしています。ロシアがヨーロッパとの絆を絶って、有利になる事は無いと思われます。

>アメリカの真の目的は、ロシアの経済を完全に破壊して、ロシアの経済的地位を最貧国に落とすこと

その可能性は大きいでしょうね。更にアメリカの軍需産業を潤わせる事でしょう。

>アメリカに敵対的な国を各個撃破する過程の一つで、世界一の超大国の地位を維持すること

それもありうるかと思いますが、そんなことをしようとすれば、流石に世界が持たないでしょうね。文明崩壊です。

2022/10/17 (Mon) 06:13
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: プロパガンダ合戦

確かに、アメリカもロシアも眉唾だらけかと思いますが、日本(西側諸国)のマスコミの多くは、その一方のアメリカの言う事ばかりをかなり鵜呑みにして、ロシアだけ嘘をついているような報道が多いですね。
 そんな中で、このノルド・ストリーム破壊は流石にロシアは国家としてやらないだろうと考えられると思ったのですが、
日本の報道は相変わらず、ロシアがやったというアメリカのおかしな理由付けを発表し、アメリカ支持、若しくは「どっちもどっちの情報戦」のスタンスです。あれだけアメリカがロシアの仕業にするのは、理に適う「何か」があるのでしょうか?不思議です。もしそれがお分かりでしたら、是非教えて下さい。

2022/10/17 (Mon) 06:24
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト、「経済成長信仰」と「科学技術信仰」とによって、飛行船地球号は破裂して墜落を始めるのも時間の問題。
あくせく働いて破局に向かって突き進むくらいなら猫のようにその日暮らしをする方がよっぽどいいではないですか。脱成長によってゆったり暮らすことができる社会の実現を!
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