そこまでロシアの仕業にするか?
ノルド・ストリーム破壊は、普通に考えれば、流石にロシアの仕業では無いでしょう。狂ったプーチンがヤケでやったとか、ロシア内部の反動勢力の一部がやった可能性がないとは言い切れ無いかも知れませんが、ロシアが国家としてやったと考えるにはかなり無理があります。

欧米では、「ロシアが関与した」と言い、その理由を「冬場が近づく中でガス供給を断つと、電気代が上がり、欧州諸国が背負う負担が大きくなるため、ロシアにとって相応の価値がある」と指摘していとの事です。
こんなおかしな理屈が本当にまかり通るのでしょうか?私には理解できません。何故にロシアが権益を持つノルド・ストリームのパイプラインを破壊する必要があるのでしょうか?ノルド・ストリームを破壊しなくても、天然ガスを送るか送らないかの主導権はロシアが持っているのです。ガスの値段だって、吹っかけることもできるでしょう。
「ガスを武器として利用している」と欧米諸国から批判されるロシアですが、破壊してしまったら、その武器を失ってしまうのです。ヨーロッパのウクライナ支援、ロシア批判を抑制するタガも外れるだけでしょう。ロシアにとっては痛手なだけです。

この件で「欧米諸国」と言うように、ヨーロッパ諸国とアメリカを一緒くたにするのも妙な話です。ノルド・ストリームが破壊されてもアメリカは痛くも痒くも無いばかりか、ヨーロッパに天然ガスを売ることが出来て大儲けできます。
一方、ヨーロッパ諸国は、天然ガスが入って来なくなれば困ります。ヨーロッパ諸国も、実はアメリカがやったのではないかと思いつつも、破壊されてしまった今となっては表向き、「ロシアがやった」・・・と非難するしかないのかも知れません。
普通に考えれば、一番得をするのはアメリカです。アメリカ産の天然ガスを高く売り付けることができるばかりか、絆を深めていたロシアとヨーロッパ諸国の絆を断ち切り、ヨーロッパにアメリカの方を向かせることが出来るのです。
元々この戦争は、ノルドストリームによってロシアとヨーロッパの絆が強まり、アメリカが蚊帳の外に追いやられた事に危惧したアメリカが煽った戦争だという裏の一面もあると言われてきました。
ロシアのウクライナ侵攻以前から、アメリカは、ノルド・ストリームの通常運用に反対していました。実際、バイデン大統領は、「ロシアがウクライナ侵攻したら、ノルド・ストリームを終わらる」と発言していたのです。
このノルド・ストーム破壊でさえも、「ロシアがやった」というアメリカの説明に、特に疑問を呈することなく垂れ流す日本のマスコミの多くもお粗末過ぎます。アメリカに偏り過ぎにもほどがあります。
バイデンはかなりの曲者でしょう。オバマ政権下での副大統領の時代から、ウクライナにNATO加盟を強く働きかけ、ゼレンスキーをそそのかし、ロシアを挑発し続けてきました。それまで、ロシアにもアメリカ(NATO)にも偏ることなく中立を望み、両者と友好的にしていたウクライナを西側に引き入れようと画策したのもバイデンです。ロシアの侵攻を煽ったのもバイデンです。
バイデンは、アメリカ軍産複合体の回し者と言えるでしょう。【やはり軍事産業か?】
兎も角、ノルド・ストリームの破壊が、どこかの国家の関与した破壊工作であるのならば、それはアメリカと考えるのが妥当です。アメリカの次に可能性が高いのはウクライナではないでしょうか?
ウクライナのゼレンスキー大統領も、国民のことを考えれば、戦争回避を一番に考えるべきであり、中立的立場を維持すればよかったのです。ロシアの侵攻前から、バイデンにそそのかされて、NATO加入を強く掲げたから、ウクライナ侵攻されました。・・と、言うよりもゼレンスキーは、はじめからアメリカの傀儡として大統領になったようにも見えます。
侵攻の翌月に、トルコが仲介して停戦交渉を始めたときに、アメリカがウクライナへの武器援助を決めて、交渉は合意に至りませんでした。
21世紀に入って、バイデンが副大統領時代からのアメリカの行動は、ロシアの弱体化とヨーロッパとロシアの結びつきを断つこと、さらにはアメリカの軍需産業を潤わす事というふうに見えます。結果的に、今回のウクライナ戦争で、そのどれもが達成されつつあります。アメリカは、停戦どころか、戦争の長期化さえ画策しているように見えます。
プーチンはサイコパスのような残忍な人物と言うことに異論はありませんが、バイデンも決して正義の味方ではなく、プーチンに負けず劣らず、戦争をやらせたいサイコパスに思えます。
「狐と狸の化かし合い」などというような生やさしいものではなく、「鬼と悪魔の騙し合い」で、ウクライナやロシアの庶民をはじめ、世界の多くの人々が翻弄されているように思えます。
にほんブログ村

- 関連記事
-
-
反転攻勢よりも和平 2023/06/19
-
長期戦を辞さない・・? 2023/05/03
-
ネトウヨレベルの右翼同士の対立 2023/04/13
-
ウクライナの二の舞 2023/03/29
-
第三次世界大戦の危機 2023/03/17
-
朝鮮戦争の実態 2023/02/19
-
致命的な急所を晒して、防衛力強化って? 2022/12/17
-
そこまでロシアの仕業にするか? 2022/10/15
-
何でそんなことをするか? 2022/10/13
-