巨大カエルの卵・・と、思いきや?
彼は集落の農家の中で若手であり、その集落の堤池三つの管理を任されていました。そのうち一つを見に連れて行って頂きました。

その堤池に着くと、彼は時々向こう岸に熊や猪の親子が出没すると教えてくれました。
彼が堤池の取水口を開けて、水路に水を流そうと、長靴で堤に入って、浮いている何かを指差して私に問いました。
「これは何だかわかりますか?」
そこには大きな丸いゼリー状の物体が浮いていました。バレーボールを半分に割ったくらいの大きさと形でしょうか?


「カエルの卵にしては大きすぎるけど、巨大な外来種のカエルの卵ですか?」
「違います。」
彼は頭を横に振りました。
「オオサンショウウオがここに住んでいるとは思えないから、んじゃあ、外来種のイモリの卵?」 「違います。」 「でもこれは、両生類の卵に見えるんだけど・・」
「卵じゃありません。ある種の小さな生物がたくさん集まった群体です。名前は忘れましたが、2、3年前から、会津のこの辺りでも観られるようになり、ネットで調べました。・・・」

子供の頃から、池とか堤の周りにはよく行き、どんなものが棲んでいるか観察していましたが、今までこんな生物の存在は全く知りませんでした。
彼は、堤から上がると、スマホで検索して見せてくれました。
それは「オオマリコケムシ[大毬苔虫]」という非常に小さい(体長1.5mmほど)動物の群体でした。寒天質を分泌して巨大な群体を作るとのことです。
琵琶湖や霞ヶ浦などの水質が悪化した水域で多くみられる傾向があるとのことです。
北アメリカ原産の生物で、日本では1972年に山梨県の河口湖で発見され、分布を広げてきたとの事なんだけど、こんな山の中の堤池にどうやって来たのでしょう?

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