「自然のタイムカプセル」だって?_Orz...
地下300mの世界
知ることから始めませんか、
高レベル放射性廃棄物のこと
NUMO[原子力発電環境整備機構]
上記のようなネット広告を最近よく見掛けます。皆さんも見掛けませんか?
これは読むに堪えないとんでもない広告だと思います。「タイムカプセル」って、近い将来に掘り出して開けることが前提ですが、高レベル放射性廃棄物でそんな事をしたら大変です。名称の付け方から狂っています。
日本に原発が造られ始めた頃から、原発はトイレのないマンションだと言われて来ました。原発で生ずる高レベル放射性廃棄物のまともな処分方法がないのにも関わらず、原発を作って稼働させてしまったからです。そして、今日に至るまで、まともな処分法は見つからなかったのです。
「放射性物質は、時間の関数として指数関数的に崩壊していく」
というのは、自然の摂理なのかも知れません。
それを最近(・・・と言ってももうだいぶ以前から・・)になって、地下処分は優れた方法だ・・・と、NUMOが広告を出しているわけです。

この広告の酷い部分を指摘します。
まず、【長期保存のためのPOINT】として 「地下深部には数万年以上も環境が安定している場所が多く存在する」
とあります。しかしそれは、「結果として」、安定していたのであって、「これからここは数万年以上安定している」と言い切れる場所は特定できません。
百歩譲って、フィンランドのオンカロは、分厚い大陸の岩盤で、十万年は安定している可能性は高い事は認めたとしても、火山国・地震大国日本にそんな場所があるはずもありません。
最後に
【将来に先送りしないために】として
「廃棄物を発生させた現世代として負担を将来世代に先送りしないよう、みなさんも一緒に考えていきませんか。」
とありますが、何をか言わんや・・です。
一部の人々の利権の為にやってきた原発です。強く反対して来た人々が責任を負う必要はないでしょう。・・それに対し
「電気を使って来たではないか?」 と反論する原子力ムラの人々がいるでしょうが、それは彼らに「原発で作られる電気」を使わされて来たのです。原子力がなくても火力発電等で十分に電気は足りていたのです。原発のエネルギー源、ウランは、石油と比べても地球に存在するエネルギーの総量として、桁違いに少ないのです。エネルギー総量としては少ないのに、多大な深刻な問題があるのです。
万が一現在、地下処分場が決まったとしら、それこそ大変です。そこがあるからと、原発再稼働、原発増設の理由になるからです。原発推進の一つの大きな根拠となり、更なる放射性廃棄物の増加を意味するのです。
つまり、脱原発を決める前に最終処分場が決まれば、遥かに多くの負担を、将来世代に先送りすることになるでしょう。
その場所には、日本中に溜まりに溜まって、もうパンク寸前の高レベル放射性廃棄物が次から次へと運び込まれるのです。その地は、人類の歴史に比して「半永久的」に人の住めない地域になるのです。 だから、先ず最初にすべき事は、原発を撤廃する事です。
この広告を作ったNUMOの内部の人々は何を考えているのでしょう?絶対に安全だというのなら、NUMOの人々全員・・とまでは言いませんが、トップの方、責任者の方は、この最終処分場の上に家を建てて、代々住むと宣言したらいかがでしょう?
非常にシビアな話になりますが、放射性廃棄物は原発の立地にそのまま埋設するしかないでしょう。高レベル放射性廃棄物は移動させるのは非常に危険です。多くの人が被曝しますし、運ぶ途中、放射能を撒き散らかす事にもなるのです。
原発立地の住民全員の責任ではありませんが、その土地には、欲に目がくらんで、原発を誘致した人々がいたのも事実です。
<雑草の言葉>では、原発の酷さを、3.11原発震災以前よりずっと警告して来ました。左のカテゴリー「原子力」に載っています。特に今回の記事、放射性廃棄物の地層処分に関連して読んで欲しい記事を三つ選びました。関心のある方は一つでも是非読んでみて下さい。
事故が起こらなくとも、棲めなくなる空間が増えていく
最終処分場は原発撤廃まで作ってはいけない。
廃炉守り

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