雑草の言葉

甘柿が店頭から消えた?

2022/12/01
作物、畑 10
  先日、仙台市に住む友人から意外な話を聞きました。曰く
「現在、八百屋やスーパーなどの店では、甘柿は売っていない。みんな渋柿の渋を抜いた『さわし柿』ばかりだ。」
 私が
「そんな事ねえだろう?」
と言ったら、
「いや、俺のいく店、スーパーや八百屋では甘柿は見掛けたことが無い。甘柿は、個人の家の庭の木になっているのを個人で取って食べるけど、売り物はみんな渋柿をさわした柿だけだよ・・。」

 そう言えば、「甘柿を切ると中は黒いことを、最近の学生は知らない。」
・・と言う話を数年前から聞いていました。
 甘柿は中に胡麻のような点々が沢山入っていて、それを通称「胡麻柿」と言います。胡麻が入っていない部分は渋いのです。その胡麻が入って黒っぽい感じを「黒い」と表現していたのでした。その、甘柿である「胡麻柿」を知らずに、柿の中は、柿の皮よりも白っぽいと思っている「さわし柿」しか知らない学生ばかりだと言うのです。その話を聞いたときは、柿をよく知らない一部の学生の話だろう・・くらいにしか思いませんでした。
 私は柿をお店で買う事が殆どなかったので、知りませんでしたが、試しに近くの八百屋やスーパーに行ってみたら、確かに「会津身不知柿[あいづみしらずがき]」のようなさわし柿しか売っていませんでした。

 私は果物はどれも大好きですが、特に好きな果物の一つが柿です。しかし、渋柿をさわした「さわし柿」は甘柿ほど好きではありません。私の住む会津地方では、甘柿はあまり出来ず渋柿が圧倒的に多いし、家の柿も渋柿ですので(甘柿も後から植えましたが、あまり実りませんし、少し渋くなってしまいます。)渋柿で干し柿とさわし柿を作ります。

庭の渋柿2022低くて採りやすい
  我が家の渋柿

 「甘柿」と「渋を抜いたさわし柿」の味は、あんまり違いはありませんが、さわし柿の甘さの方が多少「甘ったるい」感じです。食感も、さわし柿は滑らかというかねっとりした感じです。
 一方、甘柿の味は「野生の甘さ」の感じで、かじった時に固く「パリっ」とした歯応えがあり、いい食感です。私は圧倒的に甘柿の方が好きですし、私の知人は甘柿を好きな人の方が多いと思います。

渋柿と甘柿表面
     左:渋柿をさわしたさわし柿  右:甘柿
渋柿と甘柿断面
<断面> 左:さわし柿は白っぽくてきれい  右:甘柿は黒っぽい「胡麻柿」


 さわし柿のメリットといえば、タネがない(もしくは小さい)と言う事でしょうが、柿の種など気にする人がいるのでしょうか?
 非常に種の多いアケビの種はかなりなネックです。あの種がなかったら、アケビは非常に人気が出て、沢山流通することでしょう。
 スイカの種も細かくて多くてちょっとだけ不便です。(最近、種無しスイカも売ってますが、ちょっと引いてしまいます。私は種のあるスイカで十分です。)
 しかし柿は、スイカやアケビに比べて、大きめの種が高々8個、規則的に円形に並んで入っているだけです。スイカのように種を取るのが面倒だなんて感じたことはありません。

 では、何故、本来の甘柿に変わり、さわし柿ばかり売ってるのでしょう?早く木からもいで、さわしている最中に出荷すると長持ちするからでしょうか?確かに甘柿は、ある程度熟してからでなければ、もいでも甘くありません。(「食いどき」になってからは、甘柿の方が長持ちすると思いますが・・。)


 子供の頃岩手県で育った私は、友達の家に甘柿をもぎに行って、その場で食べ、また沢山もらって来ました。本当に美味しい甘柿でした。
 何年か前に、奈良県の吉野に行った時、飲食店などで甘柿をサービスしていただき(テーブルに置いてあった柿を自分でナイフで切って食べた)、更に八百屋で大きくて美味しい柿を1個100円くらいで購入して食べ、西日本の甘柿は大きくて美味しいと思いました。

 いつから甘柿は売られなくなったのでしょう?
本来の甘柿がお店に出回らず、代わりに渋柿をさわした柿ばかり出回っているのは、福島県や宮城県など東北地方だけの事でしょうか?それとも関東や西日本でも同じようなことが起こっているのでしょうか?

家の柿をさわす作業
    我が家の渋柿でさわし柿を作るところ


 確かに甘ったるくて、舌触りがなめらかな「さわし柿」の方が好きだと言う人も沢山いるようです。しかし、歯応えが良くて、頗る美味しい甘柿がお店で売られていない事は不思議でなりません。何故なのでしょう?

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Comments 10

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柿いろいろ

柿はうれしいことに毎年いただきものです。
お店では購入しないので、今度「柿」をこの辺のスーパーで見てきます。
①お初ものは、もぎたてのカリッとしたお隣さんの庭の柿。
なんたって野生の甘さ、猿の気持ちがわかります。
②静岡出身の方からもいただきました。
甘柿の次郎柿です。果汁が少なく歯ごたえもあって大きくておいしい。
西の方が発祥地だとか。雑草さんが食べたのと同じでしょうか?
東北までは流通していないのかもしれませんね。
③身知らず柿も送られてきました。
以前は箱の中に柿がまとまって新聞紙に包んであって「○○日開封」とありました。今年のはダンボールに「すぐ食べられます」の印刷済みの文字、形も均一でピカピカ、高級感があります。「献上柿」だそうです。恐れ多い、、。
好みはそれぞれですね。私は①ですが、家族は②で、③のベチョーとなったのをスプーンですくって食べたい友人がいます。冷凍してシャーベットにもするそうです。

2022/12/02 (Fri) 16:53
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 柿いろいろ

 ③身知らず柿
   は会津ではスタンダードで(会津若松市内の門田町御山地区の献上柿などは非常に大きくて)多くの方々から愛されてますが、
  私はやはり、甘柿には敵わないと思います。
 >ベチョーとなったの
  はあまり食いたくはありませんが、家では一斉にもいでさわすので、
  だんだんベチョーとなった柿が増えてきて、仕方ないのでヨーグルトとかに入れて食べてます。

①お初ものは、もぎたてのカリッとしたお隣さんの庭の柿。
  いいですね!食べてみたいです。会津地方では、甘柿のお初ものは渋さが残ってます。
  甘柿の木になっていても、なかなか全部は甘くなりません。身知らずの渋柿が多過ぎて、交配してしまうのかも知れません。

②静岡出身の方からもいただきました。甘柿の次郎柿です。果汁が少なく歯ごたえもあって大きくておいしい。
  も非常に食べたいです。岩手県でも結構大きめの甘柿があったのですが、会津は甘柿が本当に少ない地域です。

>お店では購入しないので、今度「柿」をこの辺のスーパーで見てきます。
私と一緒でお店では買わないのですね!?是非、甘柿が売ってるかどうか確認してここに報告して下さいませ。

2022/12/02 (Fri) 19:45

guyver1092

渋柿

 以前何かで読んだ話ですが、元々日本で流通している柿の8割ほど(うろ覚えの比率です。すみません)が渋を抜いた柿だそうです。絶対量が少なければ、すぐに売り切れて店頭からは姿を消すということが考えられますね。
 甘柿の栽培数が少ないという理由はその記事には載っていませんでした。ひょっとしたら栽培が難しいのかもしれません。
 知人の畑に甘柿があったのですが、猿に食われてしまうので、腹が立って切ってしまったそうです。里山の消滅により、野生動物が人間のの領域に侵入しやすくなっていますが、甘柿の生産に影響を与えているのかもしれませんね。

2022/12/02 (Fri) 20:26
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 渋柿

>元々日本で流通している柿の8割ほど(うろ覚えの比率です。すみません)が渋を抜いた柿だそうです。

それは意外な事実でした。情報ありがとうございます。調べてみます。
guyver1092さんはこのような本も読んで知識を持っていることに脱帽です。

>知人の畑に甘柿があったのですが、猿に食われてしまうので、腹が立って切ってしまったそうです。

そうか、なるほど!思い当たります。甘柿はかなり、カラスなどの鳥にも食べられてしまいます。
その点、渋柿は木になっているときは鳥や猿などに敬遠され、かなりきれいなままで収穫でき、
アルコールにさわして出荷して、お店や個人宅に着いてから、渋が抜けて食べ頃にできますので、逆に便利と言えるのでしょう。
渋柿の方が圧倒的に鳥獣の被害が少ないというのが、渋柿の流通が圧倒的に多い理由なのでしょう。
疑問が解決した感じです。有難う御座いました。
一応当方でも、もう少し調べて確認してみます。

2022/12/03 (Sat) 07:05

爽風上々

甘柿の歴史

柿はもともとすべて渋柿だったそうですが、鎌倉時代に突然変異で甘柿が出現し全国に広がったそうです。
そのため、甘柿は日本にしかないとか。
なお九州地方では甘柿が多く栽培され、福岡は非常に生産量が多いということです。
熊本にも太秋柿という有名な甘柿があり、高値で流通しているということで、話は聞きますが食べたことはありません。
栽培が難しいかどうかはあまり聞いたことがありませんが、やはり生産者は大変なのでしょう。

2022/12/06 (Tue) 10:47

市販柿

市販柿watchingのみ、購入せず、ですが、
スーパーには産地表示なしの「富有柿」のみ。
デパ地下の青果店では岐阜の富有柿が唯一甘柿。愛媛の大きい立派な渋抜き「富士柿」は一つずつ包装され贈答用、新潟の渋抜き「おけさ柿」もあり。

山形市内在住の友人によると、渋抜きした「庄内柿」は「身知らず」より甘い。甘柿は売っていないとのこと。
ただ甘柿の最盛期としては遅いのではないでしょうか?

2022/12/06 (Tue) 15:29
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 甘柿の歴史

>柿はもともとすべて渋柿だったそうですが、

以前もそのようなコメントを頂いたことを思い出しました。

>甘柿は日本にしかないとか。

柿自体、非常に和風な果物の感じがします。日本原産かと思っておりました。

>九州地方では甘柿が多く栽培され、福岡は非常に生産量が多いということです。

そうですか!?・・安心いたしました。
大きくて頗る美味しい西日本の甘柿が、九州の農家で多く栽培されているとは嬉しい事実です。情報有難う御座います。
私は柿の栽培は、放置の「自然農法」でも十分と考えておりましたが、そうでもない様ですね。

2022/12/07 (Wed) 02:30
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 市販柿

さん、情報有難う御座います。

今も富有柿が市販されている事は嬉しいですね。

しかし、山形でも甘柿は売ってなかったのですね!?東北は甘柿はあまり売らず、渋抜き柿ばかりのイメージですね!?

>ただ甘柿の最盛期としては遅いのではないでしょうか?

確かにそれは言えそうですね。来年以降も確認の余地がありそうです。

2022/12/07 (Wed) 02:41

木ざわし

甘柿はないという山形の友人が「よその家の木に残っている柿を失敬して食べたら甘くてうまかった」と言います。それを「木ざわし柿」(木で琳す)というそうです。完全渋柿はそのままにしておいても渋は抜けないそうですが、それは不完全渋柿なのでしょうか?「天然渋抜きはビタミン増えるか?」と素人は思いました。

2022/12/11 (Sun) 07:59
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 木ざわし

なるほど、「木ざわし柿」と言うのですね!?
岩手県に住んでいた小学3、4年生の頃の冬、友達が雪の中、木になっている小さな黒っぽい実を採って、
「食べてみろ」と言うので食ったら、甘くて美味しく、干し柿の味でした。
小さくて軽くて落ちないまま干し柿になったようなので
それから気に入って「木になる干し柿」と呼んでいました。
後日その柿は「豆柿」ということを大人から教えていただきました。
更に後日、どこかの地方(福島県?)では「馬糞柿(まんくそがき)」と言うことも聞きました。
そう言えば、私が今の会津の家に住むようになった20年ほど前には、お隣さんにも豆柿の木があって、枝が我が家に伸びていて、
「採って食べていい」と言われていましたが、最近ずっと忘れていました。
豆柿の木を切ってしまったのでしょうか?・・今日にでも、我が家の作物の「お裾分け」に行って聞いてみようかと思います。

2022/12/11 (Sun) 09:58
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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