雑草の言葉

シャロウ・エコロジーでは解決しない

2023/01/05
Sustainability 4
 エコロジー運動には、浅いもの[Shallow Ecology]と深いもの[Deep Ecology]があります。明確な区別、境界はありませんが、浅いシャロウ・エコロジーは、環境汚染と資源枯渇に対する取り組みであり、主な目的は先進国に住む人々の健康と繁栄におかれていると、(ディープ・エコロジー派からは)考えられています。
 その根底には、経済成長と環境保全は両立可能という考えがあります。さらには、環境保全のためには経済成長が必要だとする主張まであります。経済成長によって科学技術が進歩し、公害防止装置やエネルギー効率の良い自動車などの機器を作り、バイオテクノロジー、リサイクル技術の進歩・・・などによって環境問題を解決する、解決できる、というスタンスです。
中国に輸入されたゴミ中国科学技術ニュース  
 中国に輸入されたゴミ・・大量にゴミを出しても、
   リサイクルで解決するとでも思っているのでしょうか?


 現在主流をなす環境問題への対処法は、明らかに「シャロウ・エコロジー」です。SDGsの環境問題に関する部分のターゲットも〜全てではありませんが〜シャロウ・エコロジー的なものに溢れています。(一部、素晴らしいターゲットもあります。)

 例えば、人々は、リサイクル、リユースへの協力は求められても、消費の絶対量を大幅に減らすことは求められません。燃費の良い、ハイブリッドカーやEV、PHEVカーへの乗り換えは奨励されても、自家用車を放棄することは求められません。
 そんな程度で、どれだけ環境負荷が減るのでしょう?環境負荷が増大する逆効果さえ起こっています。ここまで深刻になって逼迫してしまった環境問題が解決する筈もないでしょう。
 マスコミに出てくる、環境問題の権威、持続可能な社会へのシフトを研究しているという(御用)学者の方々の多くは、どれだけの技術が出来れば、環境負荷はどれだけ減る・・・などとは言及しますが、いつまでに、どれだけ汚染源を減らさなければ間に合わない・・・とは滅多に言いません。言った場合も、そのためのシビアな取り組みはほとんど提案せず、「出来ることから少しずつ」のような甘い、もしくは、経済効果のある取り組みしか提唱しません。(CO2削減が典型例でしょう。)
 森林消失の深刻な予測は発表され続けていても、森林減少は続いています。
 マイクロプラスチックの増加によって、海洋汚染と生態系への影響が非常に危惧されているにも関わらず、マイクロプラスチックの元となるプラスチック製品は、未だに大量生産・大量消費されています。
 そして、人口増加による世界の食糧不足が危惧されているにも関わらず、人口は増加を続けています。日本では、食料自給率が40%にも満たなく、食糧の自給も無理なのにも拘らず、「少子化対策」と称して、人口を減らさない対策をしています。
日本の人口の長期推移グラフ 日本の人口の長期推移のグラフ

 世界中の人々は、こんな浅い取り組みで、逼迫した、あとのない環境問題を克服できるとでも思っているのでしょうか?
 シャロウ・エコロジーを推し進めれば、環境問題は解決し、世界は救われると考えて、SGDsだとか、技術革新だとかばかりを推進し、経済成長を優先している間に、持続可能な世界にシフト出来ずに、世界の環境は破局を迎えてしまうのでは無いでしょうか?それを危惧しています。

 では、シャロウ・エコロジーではなく、ディープ・エコロジーか?と問われれば、そう言うわけではありません。Deep Ecology運動は、多分に哲学的な部分が多いからです。その事については機会があれば書きます。
バベルの塔2


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Comments 4

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たっきー

おはようございます

難しい概念があるんですね、初めて知りました

昔ヨーロッパのある国に旅行に行った際に体験した事の中に、昔帰り的な事がたくさんありました。

量り売り、リターナブル瓶の活用、日曜日はお店はお休みなど
ペットボトルは洗って3回は流通していると聞きました

環境の事を真剣に考える人ほど、変わり者と見られちゃうような日本の社会構造はヘンテコだと感じます

2023/01/05 (Thu) 06:52
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: おはようございます

>昔ヨーロッパのある国に旅行に行った際に体験した事の中に、昔帰り的な事がたくさんありました。
>量り売り、リターナブル瓶の活用、日曜日はお店はお休みなど ペットボトルは洗って3回は流通していると聞きました

昔帰り的な環境対策は素晴らしいと思います。江戸時代は理想ですが、
江戸時代じゃ無くても、第二次世界大戦前の日本くらいなら十分に良かったと思います。

>環境の事を真剣に考える人ほど、変わり者と見られちゃう

私がその変わり者と見られています。
昔から、地域やPTAなどの除草作業の時、取った草を燃えるゴミの袋に入れて出そうとしたので、
「雑草をごみとして出すとは何事だ!・・穴を掘って埋めて土に返さんでどうするんだ・・」などと言っていたら、
「雑草」と呼ばれるようになりました。それがHN の由来です(笑)

2023/01/06 (Fri) 07:59

guyver1092

知りませんでした

 シャロウ・エコロジーという言葉があったのですね。本文を読む限り、似非エコロジーという方がふさわしいように思いますが・・・・
 自動車を例に挙げておられますが、工業製品の環境負荷を評価するのに使用中の燃費だけ考えても意味がありません。生産、使用、廃棄、そして製品の寿命も考えに入れて考えれば、使用中の燃費が良くても、寿命が半分しかなければ、生涯の環境負荷は倍だったということも起こりえます。
 おっしゃる様に自動車が不要な社会システムを構築しない限り、実は拡大再生産であったという結果になることもあります。これぞまさしく似非エコロジーです。

2023/01/06 (Fri) 20:56
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 知りませんでした

私は、ディープエコロジーという言葉はだいぶ前に知っていて、私もディープエコロジー派だと思っていたのですが、
ディープエコロジーは、単に「深い」エコロジーという意味ではなく、かなり哲学的な思想が入っていて、私の想像していた「ディープエコロジー」とはかなり違っていました。そのディープエコロジーの名付け親、アルネ・ネスは哲学者です。そして彼らが、環境汚染と資源枯渇だけの浅い取り組みをする事をシャロウエコロジーと名付けました。
シャロウエコロジーでは、現在の環境問題は解決しませんからguyver1092さんの仰るように、似非エコロジーとも言えそうです。SGDsのエコロジーも殆どシャロウエコロジーですね。
人類がシャロウエコロジーに取り組んでいる間に、破局がおとずれて「後の祭り」になりそうです。

2023/01/07 (Sat) 00:44
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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