石油ストーブの退化
しかし、書斎は板張りですし、近年は、家でも畳に座ることがめっきり減って椅子の生活になりましたので、ストーブや暖房付きのエアコン、床暖房を多用していました。しかし最近は、エアコンはあまり使わず、専ら石油ストーブです。
我が家には、石油ストーブがしばらくありませんでした。ストーブといえば電気ストーブでした。私の育った両親の家には石油ストーブが複数ありましたが、私は石油ストーブを購入したことがありません。
母親が介護施設に入ってから、主の居なくなった親の家から石油ストーブを持って来て、使うようになりました。
反射式石油ストーブを使ってみると、非常に便利でした。電気ストーブよりも暖かいし、ストーブの上にはヤカンやナベをかけて温められます。

やかんとなべを同時に乗せて温められる、
大きめの昔ながらの反射式石油ストーブ。
親の家にかなり昔(20世紀)からあった記憶です。
使っていなかった時期はありましたが、
何十年と壊れずに機能しています。
冬になると石油ストーブの上で、味噌汁や雑煮を作っていた子供の頃の我が家を思い出しました。当時、反射式石油ストーブはとても便利で冬の生活の中心でもありました。
それに比べ、石油ファンヒーターは頂けません。反射式石油ストーブよりも後からできたのだと思いますが、明らかな「退化」だと思います。
燃料が石油なのに、コンセントに繋がなければファンが回らず使えません。停電したら使えないのです。
更に、ストーブの上にヤカンや鍋を乗せて温める事も出来ません。
企業がわざわざそんな不便なファンヒーターを作ったのは、温風を出して、より早く効果的に温める事ができるからなのでしょう。しかし、赤外線放射を反射する反射式石油ストーブの方が、体感温度は暖かいと思います。つまり、反射式石油ストーブの方が、暖房効果も勝っていると言う事です。 反射式石油ストーブは、何十年と長持ちしますが、ファンヒーターの寿命は遥かに短く、母が最初に使っていた石油ファンヒーターは10年と持ちませんでした。私は反射式の方が断然いいからファンヒーターはやめた方がいいと言いましたし、母も反射式の方がいいと言ってたのに、母はその後、もう一つ石油ファンヒーターを購入しました。上手いこと電気屋に買わされたのかも知れません。そのファンヒーターを購入したのは、5年ほど前のようですが、もうすでにガタがきています。

まだ購入後5年ほどなのに、故障し始めている石油ファンヒーター
= お馬鹿な改良=不便に改悪した、退化した石油ストーブ
親の家にあったので、捨てるのには忍びないので使っています。
コンセントに挿さないと使えない石油ファンヒーターこそ、非常に馬鹿馬鹿しい暖房機器だと思います。
先日(12月19日)の全国的な大雪で、新潟県などでは停電が起こり、暖房器具が1つも使えず、家の中が氷点下になったり、寒過ぎて布団にくるまって過ごした人などの事がニュースで報道されていました。
電気が来なければ一切暖房を使えない家って、リスクマネジメントができていないと思いますが、石油ストーブでさえコンセントに繋いで、電気を使わなければ動かないものが多いからでしょう。床暖房然りです。オール電化住宅なんてその典型でしょう。
今年はだいぶ早く・・夏頃から、この冬は、電力不足に陥ると言われていたのに、暖房機器さえ電気がなければ1つも使えない家が多いと言う点では、社会は退化したのだと思います。
この例のように、文明の利器によって社会が退化した例は、枚挙に暇がないのではないでしょうか?

書斎で使っている反射式石油ストーブ
小さいながら火力が強く、やかんの水も30分もせずに沸騰します。
これまた20世紀から親が使っていたのでしょう。
年季が入って錆びてます。数年間は物置で埃を被っていました。
単純な作りの反射式石油ストーブは壊れずに長持ちしていいです。


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