世界同時不況の根本原因
コロナ禍に続き、ウクライナ戦争が長期化し、エネルギー価格が高騰し、世界同時の経済減速になっています。恐慌にまで発展するかも知れないという危惧と戦争拡大への不安も広がっています。
しかし、2007年のリーマンショックの時には「100年に一度の経済危機」と言われました。それから100年どころか、15年ほどしか経っていません。「100年に一度の経済危機」と言ったエコノミストたちは、「予期せぬコロナ禍、ウクライナ戦争によって、こんなに早くまた世界同時不況が始まってしまった」・・・とでも言うのでしょう。しかしコロナ禍やウクライナ戦争によって、経済危機に入る時期が数年ほど早まったとは言えるかも知れませんが、100年後などという遠い未来では無かった事でしょう。
そもそも今回の経済危機は、「景気の波」による周期現象では無いでしょう。市場経済、拡大再生産によって、永続的な経済成長を続けようとする現代資本主義の構造的な欠陥によるものでしょう。 バベルの塔を高く高く積み上げていけば、いつかは崩れ落ちるのです。「恐慌」で崩れ落ちる度に、途中で支えて補強して、もっと高く積み上げようとすれば、次の崩壊はもっと短いスパンで起こるのは、当然でしょう。

新たなフロンティアも無く、既に成長の限界に達してしまった世界は、これ以上経済成長を目指せば、崩壊するしか無いのです。
これからは、無理な拡大再生産による量的拡大は止め、ゼロ成長から縮小経済に向かうしか文明崩壊を免れる方法は無いでしょう。
現在行われている不況対策の大部分は、問題の先送り、肥大化であり、現在の資本主義の根幹をなす拡大再生産を維持しようとすればするほど、崩壊のエネルギーは強まり、文明崩壊の危機は大きくなるばかりでしょう。
その事は過去記事で何度も、言及していますので、これ以上の繰り返しは止めて、その過去記事を2つほど貼り付けて、今回の記事はおしまいとします。
【100年に一度?の経済危機・・】2008/11/25
【100年に一度の経済危機と言うナンセンス】2009/02/09



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