雑草の言葉

子供は大好き、サイフォンポンプ

2023/01/13
人力 10
〜手動で十分シリーズ2〜
〜電動化の必要は無かった!〜


給油ポンプはサイフォン


 子供の頃、給油ポンプが面白いとは思いませんでしたか?水が、自らより高いところに一旦上って行ってから、低いところに落ちてくるのです。
 小学校のある程度の学年になって、給油を任せられたとき、楽しみながら給油をした記憶があります。多くの子供がそうだったんじゃ無いでしょうか?
 しかし、最初はどうすればいいのかわからなくて戸惑いました。灯油を吸い上げるポンプと弁の連動の仕組みがわからなかったからです。最初に手動でポンプを押して灯油を汲んで、ポンプの中が液体で満たされれば、後はサイフォンの原理で自動で汲み上げられて灯油を入れられるのに、上手くいかずに何度も繰り返し手で押して灯油を汲み上げました。
 液体は流動的で形は変わりやすいけど、引っ張っても体積は変わらないと言う性質があるからこそのサイフォンの原理です。「サイフォン」と言う言葉こそ知りませんでしたが、弁とポンプがついていないホースだけのサイフォンは、小学校に入る以前の幼児の頃から慣れ親しんでおりました。
 父とお風呂に入って、父がホースで浴槽の中のお湯を、サイフォンの原理で浴槽の外に流す方法を教えてくれたからです。石鹸をつけて洗った後の頭を、かなり低くして、ホースのサイフォンのお湯ですすいだ記憶があります。しばらく病みつきになってお風呂に入る度にやっていました。
 お風呂のホースのサイフォンの場合は、ホースの中を水(お湯)で満たして、片方の口をお風呂の中に入れたまま、水が逆流しないように、もう片方の口に親指を入れて押さえて、外に出して、お風呂の水面よりも低い位置にすれば、お湯はサイフォンの原理で流れ出ます。その状態をポンプと弁を用いて行うのが給油ポンプです。

 エネルギーの投入無しで、浴槽を跨いでお湯を外に出せるのです。幼い子供が夢中にならないわけがありません。
 こんなに素敵なサイフォンがあるのに、乾電池を入れて使うサイフォンも、いつの頃からか売られていました。件の「文明の利器」好きな親戚の家では実際に使っていました。

 私自身は乾電池式の給油ポンプを、一生使うことはないだろうと思っていましたが、数年前にその親戚の家に呼ばれて、ちょっと高いところにあるタンクに電池式給油ポンプで給油するのを手伝った事があります。親戚の家には電動式の給油ポンプしか無かったのです。そして、体力のない彼は、高いとことにあるタンクに灯油を入れるのが困難だったからです。乾電池式の給油ポンプを使ってみたら、結構不便で使いづらく、結局は乾電池式ポンプを使わないで、灯油の入ったポリタンクを持ち上げて、脚立に登って直接ポリタンクから灯油をタンクに注ぎ入れました。その家には、ポリタンクの、灯油の注ぎ口に付ける給油ノズルも無く、電動式の「文明の利器」しかなかったのです。
給油の2通りの方法
 灯油の量が減って、サイフォンポンプが使えなくなったら、
  ポリタンの注ぎ口に補助の給油ノズルを付け替えて
   ポリタンクを持ち上げて直接灯油を入れる。
 
 サイフォン式の面白い給油ポンプに比べ、電動の給油ポンプなんて面白くも何ともありません。
 こういう資源の浪費と汚染物質を出す(乾電池の中味は結構な毒ですからね。)製品は作って欲しくはないんだけれど、需要があるんでしょうね。(・・というか、需要と思わされただけでしょう。)体力のないお年寄りなどには必要だ・・・と言う人もいるんでしょうけれど、労力なのは、灯油の入ったポリタンクを運ぶときであって、ポンプで灯油をタンクに入れる作業自体は、電動でも手動でも大した労力にならず、そんなに違いは無いのです。(電動の方が重くて電池を入れなければならないだけ面倒かも・・)「面白さ」が違うだけです(笑)

子供は大好き、手動のサイフォン給油ポンプ
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Comments 10

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たっきー

うぉっと〜

こんばんは

なんと云う事でしょう!

偶然でが、実はワタクシもこのポンプの事を書こうと、先日写真を撮ったところです・・・

ネタバレになってしまいますので、控えておこうかと思いますが、調べるとすぐ分かると思いますので、少しだけ・・・

ワタクシは「醤油チュルチュル」と呼んでおります
昔書いた日記です
http://smilehousekm.blog117.fc2.com/blog-entry-5297.html

ネタバレです(笑)

2023/01/13 (Fri) 22:11

Anthony

我が家でも「醤油チュルチュル」と言っておりました。(笑)

 下宿屋を営んでいた実家では、大量に醤油を使うので、一斗缶に入った醤油を小瓶や卓上瓶に、コレで移すのが僕の役目でした。

 灯油は危ないからと、小学校3年生くらいまでは使わせてもらえませんでした。


サイフォンの原理を実感したのは、これではなく、ホースでした。

 玄関の棚の上にに設置してあった金魚の水を交換する時に、ホースを口で少し吸ってから下に置いてあるバケツに排水するのですが、どうしても最初のひと吸いで、水槽の汚い水を口に含んでしまうので、嫌でした。

 今は、チュルチュルを使って金魚の水槽の水交換をしています。マンションの外廊下に水槽を設置しているのですが、マンションに住んでいるベトナム人や中国人に金魚がイタズラされそうになっています。

 が、猫が水槽を守って、ベトナム人を攻撃してくれます。(笑)

2023/01/14 (Sat) 04:48
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: うぉっと〜

それは奇遇ですね!同じ頃写真を撮っていんでしょうね!

>「醤油チュルチュル」

って、この大きなサイフォン式ポンプで醤油をどこかからどこかへうつしかえるんですか??
丸太二つで米粒を掴むようなもんでしょうか?
面白いです。
日記も新着のポンプの記事も楽しみに見てみます。

2023/01/15 (Sun) 00:56
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: タイトルなし

>我が家でも「醤油チュルチュル」と言っておりました。

そう言えばAnthonyさんはこの灯油用ポンプで缶に入ったお醤油を瓶に移し替えた・・・ってコメントを思い出しました。
器用ですね!
 
>灯油は危ないからと、小学校3年生くらいまでは使わせてもらえませんでした。
>サイフォンの原理を実感したのは、これではなく、ホースでした。

このどちらも私と共通ですね!

どうして醤油チュルチュルっておかしな名前が付いているんでしょう?
「チュルチュル」って感じはしませんが・・・

2023/01/15 (Sun) 01:12

guyver1092

値段

 電動式は、手動式の10倍ほどの値段のようですね。費用対効果を考えると、割に合わないですね。私は費用対効果から手動式を選びました。ちなみに100ショップの物は使っていて不愉快でした。ポンプの部分の押した後の戻りが悪くて、イライラさせられました。

 おっしゃる様に、灯油タンクを運ぶ方がはるかに労力が多いですね。灯油を運ぶ労力プラス灯油を補給する労力として考えてみると、ポンプの電動化によるメリットはあり得ないほど小さいですね。

2023/01/15 (Sun) 20:34
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 値段

>電動式は、手動式の10倍ほどの値段

そんなに高いのですね!確かに費用対効果が合いません。
調べてみたら、手動式は今でも100円代から売ってるんですね。安くて長持ちです。
でも100円ショップのはダメそうですね。情報有難うございます。使いません。
家の手動式はもう何年前に買ったかも定かではありませんが、現在使っている手動式ポンプは、少なくとも10年以上は使っています。

>灯油を運ぶ労力プラス灯油を補給する労力として考えてみると、ポンプの電動化によるメリットはあり得ないほど小さいですね。

乾電池式の給油ポンプの方が重いし、壊れ易いし、電池の交換も面倒ですから、手動式の方が優れていると思います。
確かに懐中電灯など、乾電池製品は役に立ちますが、乾電池は環境汚染廃棄物になりますしね。
給油ポンプに限らず、電動化によって逆効果の道具って少なくないと思います。これからもそんな道具を記事にしていこうと思います。

2023/01/16 (Mon) 07:05

K.Miyamoto

ドクター中松氏が中学生の頃、母親が一升瓶から醤油を移しかえるのを楽にしてあげるために作ったというから、「醤油チュルチュル」という名があるようですね。正式名称は「石油燃焼器具用注油ポンプ」という長い名前だそうですが、私が初めて使ったのは、会社での暖房が石炭から石油に代わってから。仕事中で油断をしていて満杯になったのを知らず、あふれたことが度々。そのころは高価な器具でポンプ部の破損が多く、一冬で劣化してしまいました。サイフォンで思い出すのは、昔、大工さんが基礎の高さや天端を見るのに使っていました。縄張りした中央に水を張ったバケツを置き、基礎の高さまで水を張って、重りを付けた透明チューブの片端を沈め。もう片端の水位で丁張に印を付けていくというもの。この高さを出す作業を、「水を見る」と言いませんでしたか?。高価な水準器ができるまでの思い出です。えぇ、チューブの空気を抜くため吸出しやってました。

2023/01/27 (Fri) 17:32
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: タイトルなし

K.Miyamoto さん  ご丁寧な説明ありがとうございます。

「水を見る」という大工さんのお仕事の内容が、興味深い内容でしたが、繰り返し読んでも把握できませんでした。

「醤油チュルチュル」って変な命名で、なんで「チュルチュル」なのかな?と思いましたが、
給油する時にポンプを流れる灯油の音が確かに「チュルチュル」と音を出していました。「これだ」と思いました。

>そのころは高価な器具でポンプ部の破損が多く、一冬で劣化してしまいました。

そうでしたか?今は1本200円しませんね。安過ぎると思いました。そして長持ちします。
今家で使っているものは、母が使っていたもので、いつ買ったかもわかりませんが、10年以上使っているのでは無いでしょうか?

>仕事中で油断をしていて

「油断」は字面通り解釈すれば「油を断つ」ですから、溢れないんじゃ無いかな?
・・・って、K.Miyamoto さんお得意の駄洒落が入るんじゃ無いかと思いました(笑)

2023/01/28 (Sat) 06:04

K.Miyamoto

分かりにくかったでしょうか

大工さんが基礎の高さや天端を見るのに使うという説明が今一歩だったようですね。
サイフォンの原理の使い道は流すばかりではありません。長さのあるチュウーブの3分の2ほど水を満たして、
両端を持ち上げると水の高さは両端とも等しくなります。これもサイフォンの原理で、水平を出すのに役立ちます。
つまり、バケツに張った水の高さから延びたチュウーブの先をバケツより高く持ち上げて移動すれば、チュウーブの先の水の高さはどの位置でも等しく、バケツの中の水の高さを表します。これを利用して丁張の水平を出すのです。
お分かりいただけたでしょうか。

2023/01/28 (Sat) 18:48
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 分かりにくかったでしょうか

再度の丁寧なご説明、ありがとうございます。私がわかりにくかったのは、もっと基本的な部分で、
>基礎の高さや天端
の意味、状況がわからなかったのです。「天端」と言う言葉は今まで聞いたことがありませんでした。何を意味するかも分かりません。でもどういう状況を言っているかわかりました。ありがとうございます。

2023/01/29 (Sun) 00:47
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト、「経済成長信仰」と「科学技術信仰」とによって、飛行船地球号は破裂して墜落を始めるのも時間の問題。
あくせく働いて破局に向かって突き進むくらいなら猫のようにその日暮らしをする方がよっぽどいいではないですか。脱成長によってゆったり暮らすことができる社会の実現を!
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