雪下野菜

昨年の夏の終わり、8月下旬から9月上旬にかけて庭の畑に蒔いた秋野菜の種は、大根、蕪、茎立菜(くきたちな:会津の伝統野菜のようです。単に「茎立ち」とも言います。)です。3つとも、アブラナ科の似たような野菜です。もっと他の野菜の種も蒔くべきだったかな・・・と反省しつつも、この3種とも冬に食べるのには言葉通りの「もってこい」の野菜でした。
当初は、晩秋から初冬にかけての11月から12月、雪が積もる前に収穫しようと考えていました。大根は半分くらいは収穫しました。蕪は一部だけ収穫しました。そして、茎立菜は、冬の前にも十分に収穫できそうなくらい成長していたのに、冬を越してから春に収穫するとの事で、収穫しませんでした。
もう少し大きく成長させようと思った事と、面倒な事が理由で、収穫を先延ばししていたら、12月19日の大雪で、畑の上に雪が積もってしまいました。
しかし、その後は大雪の予報にも関わらず、私の住む会津地方は、隣の山形県や新潟県のように豪雪にはなリませんでした。それどころか雪があまり降らずに、逆に積もった雪が融けてきました。そこで年の暮れも迫った12月末に、雪を掘って一部作物を掘り出しました。これによって、大根はほぼ収穫を終えることができました。蕪も茎立菜もある程度は収穫出来ました。
秋に間引いて食べてみた大根はかなり辛くて、それはそれで美味しかったのですが、冬の12月に収穫した雪下大根は、全然辛くなく甘い甘い。
蕪も茎立菜(これは、根ではなくて葉を食べます。)も甘くて美味しくて、どんどんと食べました。晩秋に収穫するよりも、雪下で収穫する方が更に美味いようです。
昨年秋に、面倒だからと収穫の機を逃して雪に埋もれてしまったことは、結果オーライ、「積雪転じて福」となりました。
会津地方は、1月に入ってもあまり雪が降らない状況が続き、ついに畑の作物と土が顔を出してきましたので、本日も蕪と茎立菜を収穫しました。

その奥の二つの畝が小蕪、さらに奥に小さく見える2つの畝が大根の畝の収穫のあと。

みやま小蕪。今季初めて栽培。
大きめのは昨年末に収穫してしまい、今回は1個だけ

茎立菜。これまた今季初めて栽培。
大根の葉や蕪の葉も美味いけど、
茎立菜は、葉と茎を食べるための野菜だから、美味しさが違う。

蕪や大根は、収穫後雪の上で回して泥を取るのが私のやり方
今回は雪を掘って収穫したのではなく、雪が融けた部分を収穫したので、厳密には雪下野菜とは言えないかもしれませんが、収穫した畑の畝は2、3日前までは雪に埋もれていましたし、また何日か後には雪に埋もれてしまうでしょうから、土が顔を出したのは、ほんの数日間だけでしょう。だから雪下野菜と言ってもいいでしょう。

本日の収穫。雪が融け、土が出ている部分からしか収穫しなかったので
蕪は小さいのが多く、20個しか収穫しなかったけど、茎立菜は採り過ぎかも。
冬野菜、特に雪下野菜は甘いことで知られています。寒さで甘くなると聞いてはいましたが、以前その理由は、糖分を酸化(燃焼)させて、発熱するからだと思っておりました。しかし、その場合、糖分はどんどんと消費されて減っていきます。
調べると理由は別でした。水に解けないデンプンなどを糖に分解すると、植物体内の水に溶けた溶質の濃度が上がり、凝固点降下で凍結を塞いでいるとのことでした。なるほど、その説明の方が理に適っています。そんな機能を備えた植物の体内のシステムにも脱帽です。

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