硬く厚い殻の種

私が毎年採種して蒔いている種の中で一番硬い種はゴーヤでしょう。ゴーヤ以外のウリ科の種、例えばウリやスイカ(スイカの種もかなり硬いですね。)、カボチャ、キュウリなどは、そのまま蒔くか、蒔く前に数時間〜数日 水に浸して置いてから蒔くだけですが、ゴーヤは、カッター、ハサミ、ペンチ、爪切りなどで端を切ったり、殻に割れ目を付けたりして、その後水に浸したりして蒔いていました。

2022年に採種したゴーヤの種
今年蒔いて余った種
数年前に、ペンチで二つに割るように割れ目を種の繋ぎ目のようなところにつけたときには、種の内部に泥水が流れ込んで、流石に種が腐ったのか、発芽しなかったので、それ以来、割れ目まで付けるのは止めました。
最近はまた、あまり傷を付けずに水に浸してから蒔くようにしています。人間が力を貸さずに自力で発芽して欲しいからです。そういう種の遺伝子を引き継いでいって欲しいからです。

私が栽培している2種類のゴーヤの種
ゴーヤは、発芽に際し、芽が自力で種の殻を破って出てくるのに一苦労するようですが、硬い殻の種が進化を勝ち抜いてきたという事なのでしょう。進化の過程でそうなってしまったのは何故でしょう?

硬い殻を破って発芽したゴーヤ。いつも種を蒔いてから1ヶ月以上かかる。
地温が高くないと発芽しないのも一つの理由でしょうけれど・・

↑時計回りに1時の位置から、段々と成長しています。
時計回りに次の段階に進むのに数日掛かります。
ゴーヤは実が熟して、そのまま地面に落ちた種の場合は、ある程度柔らかい発芽し易い殻の種の方が有利なのでしょうけれど、それでは遠くの場所まで運ばれません。何らかの原因でその場所がゴーヤの生育に不適当になってしまったら、そこのゴーヤは絶滅するやも知れません。
熟していない緑色の苦いゴーヤは、動物が嫌いそうですが、ゴーヤも、熟すと黄色に変わって、苦くなく、甘みもあって生でも食べ易くなるのです。

数年前の我が家のゴーヤカーテン
・・熟したゴーヤは黄色くなって苦くなくなるのです。

恐らく、動物が食べても硬い種の中身はほとんど消化されずに、動物の消化管の中で、殻の表面だけがある程度消化されて、発芽し易くなった種が、動物の消化管の中で遠くまで運ばれるのでしょう。そして「肥料付き」でお尻の穴から外部に出されるのです。もしも殻がもろくて消化されてしまったら、種は発芽できません。
そのような理由で、ゴーヤの種は殻が硬いものが遠くまで運ばれて生き残ってきたのでしょう。スイカの種など、硬い殻の種は、みんなそんな感じなのかも知れません。
そして人間が栽培するようになってからは、動物に運ばれる必要は無くなった訳ですが、人間が種に傷を付けて蒔いてくれるので、そのまま硬さを維持しているのでしょう。人間が育てるようになってから、さらに硬く「進化」したのやも知れません。
動物に消化されることを前提に、固く厚い殻の種であることで思い浮かぶのは、マダガスカル沖のモーリシャス島にある大木カルヴァリア(別名タンバラコク)です。カルヴァリアの種は、おそらくゴーヤの種よりも更に硬く厚く、不思議の国のアリスにも出てくる幻の鳥、ドードーが実を食べて、この厚く硬い種の殻をある程度まで消化して、肥料としての糞と共に排出していました。そんな過程を経て、カルヴァリアの種はやっと発芽してきたのです。カルヴァリアはドードーとの共生関係にあったのです(仮説)。

ドードー
そのドードーは空も飛べず、警戒心も薄く、人間や、人間がモーリシャス島に持ち込んだ犬や豚、ネズミによって、雛や卵が捕食され、挙げ句の果ては、ヨーロッパ各地に連れて行かれて見せ物にされて絶滅しました。
・・すると、カルヴァリアの樹木も繁殖しなくなり、絶滅危惧種となりました。

『不思議の国のアリス』の中のドードー
ドードーは架空の鳥ではなく、実際にいたのです。
生態系のバランスとは微妙なものです。 地球上の生物の大絶滅は今までに5回あったと研究されていますが、過去の4回の原因は、地球規模の寒冷化だったり、大規模な火山の爆発、巨大隕石(小惑星)の落下などが原因と考えられていますが、現在進行中の5回目の大量絶滅は、明らかに人間の活動が原因です。人間は生態系を破壊してきた罪な生き物です。
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