NATOに加盟?

NATO加盟国ではない日本の岸田首相が、昨年2022年に日本の首相として初めて、NATOの首脳会合に出席したのに続き、今年2023年も出席を予定しています。2024年には、NATOの連絡事務所も東京に開設する予定です。
NATOとの緊密なパートナーシップによって「サイバー防衛、海洋安全保障、人道支援、災害救援、核不拡散、科学技術などの幅広い分野の協力が含まれる」と宣伝されれば、日本のNATO参加は好ましいように感じるかも知れません。
NATOは「北大西洋条約機構」の名の通り、北大西洋の両岸のヨーロッパと北米の集団防衛機構です。日本は地理的に範囲外です。しかし、日本以外にも、オーストラリア、ニュージーランド、韓国がNATOの首脳会合に出席して、NATOとの関係を深めています。

NATO加盟国 wikiより
地理的な事は置いておいたとしても、NATOは、軍事同盟です。参加するためには交戦権を認めない憲法9条を改憲する必要が出てきます。これを機に「今こそチャンス」とばかりに、改憲の議論も進んでいます。しかしその結果、NATO加盟国が攻撃を受けた場合は、日本も派兵する事になるでしょう。実質の戦争参加になります。
(アメリカのバイデン大統領が支持者集会で暴露したように、)バイデンが岸田に、防衛費をNATO並みのGDPの2%にさせた事も、NATOに加盟させるための伏線かも知れません。(勿論、アメリカから兵器を高く買わせることが大きな目的でしょう。)
ソビエト連邦が崩壊して冷戦が終了した時に NATOに対抗するワルシャワ条約機構は解散しました。その時点で存在意義のなくなったNATOも解散すべきではなかったでしょうか?ソ連(ロシア)も当然そうなることを期待したことでしょう。
しかし、NATOは新たな存在意義をわざわざ探し、「新戦略概念」を策定し、脅威対象として周辺地域における紛争を挙げ、「域外地域における紛争予防および危機管理」という事に重点を移しました。
ソ連の崩壊で東欧諸国が相次いでEU及び NATOに加盟したわけですから、ロシアも加盟させればよかったのかも知れません。プーチンもNATO加盟に前向きだったと言います。しかし、ロシアは結果として、NATOの仮想敵国のままでした。アメリカなどがそうさせたかったのではないでしょうか?アメリカは仮想敵国を作るのが大好きな国です。
NATOは冷戦の象徴的存在と言えるのではないでしょうか?

NATOのラインがどんどん東側に勢力拡大している。 【東京新聞2022年2月22日】
現在「NATOに入らないとウクライナの二の舞になる」と言う恐怖が煽られています。確かにウクライナはNATOに加入していなかったから、ロシアに侵攻された事は否定できません。
しかし、ウクライナがNATOに加入しそうだから、その前に軍事侵攻しよう・・・と言うプーチンの意向もあった事でしょう。そしてバイデンも、ウクライナがNATOに加入していないと言う理由で、派兵はせずに武器だけ支援するという、ある意味彼らにとって好都合の状況だったと思われます。【やはり軍需産業か?】
自分の野心の為にウクライナやロシアの国民を犠牲にするプーチンもバイデンも(ゼレンスキーも)酷いと思います。
日本がNATOに加盟するには色々ハードルがあるのでしょうが、自分でしっかり考える事をせず、何のポリシーも持たない長いものに巻かれるだけの岸田文雄なら、バイデンの要請に従って、ホイホイとNATO加盟を進めそうです。そして入ることが実現しそうになった時が日本にとって危険でしょう。ロシアはウクライナで疲弊しているとしても、中国が、その時に日本を攻撃するやも知れません。ウクライナ侵攻時と似た状況という事です。
「日米安全保障条約」があるから大丈夫と考える日本人も多いようですが、それならNATOに加入する必要がないでしょう。しかし実際この条約は、「防衛義務を負う強いアメリカ軍を派兵して日本を守ってくれる」というわけにはいかないようです。日本で「防衛義務」と訳されているものは、アメリカでは「security commitment」と呼ばれ、日米での認識とは違うようです。 【日米安保条約の誤解】
「NATOの中核要素である反ロシアと反中国を拡大するため、アジア太平洋地域にまでNATOを定着させようとする野心の表れだ。アジアへのNATOの進出は、この地域の軍事化と対立の増大につながる」
というロシア外務省の批判も、否定はできないように思えます。
【NHK国際ニュースNEWSWEB2023年5月11日】
アメリカと中国の覇権争いで、一方的にアメリカを応援する・・というよりも、アメリカの忠犬で居続ける日本は、国民がアメリカ国民の代わりに戦争に参加させられる・・という事態になるやも知れません。そんな事態は避けるべきです。まだ日本はアメリカの属国状態を抜け出せませんから、その命令的要請を排除するのは難しいでしょう。しかし、これからは、中国とアメリカ双方に中立の立場をとったほうがいいのではないでしょうか?
にほんブログ村

- 関連記事
-
-
イスラエル軍の攻撃は自衛権の行使では無い 2023/11/17
-
テロリストは寧ろイスラエル政府だ! 2023/11/05
-
戰争させられるな! 2023/10/23
-
負の遺産にしかならない辺野古新基地 2023/10/17
-
NATOに加盟? 2023/07/03
-
反転攻勢よりも和平 2023/06/19
-
長期戦を辞さない・・? 2023/05/03
-
ネトウヨレベルの右翼同士の対立 2023/04/13
-
ウクライナの二の舞 2023/03/29
-