「失われた30年」どころじゃない

日本は1990年過ぎ頃から、現在までのおよそ30年の間を『失われた30年』と、経済評論家やジャーナリストらによって語られてきました。更に「このまま行けば失われた40年を歩むことになる」とか「新興国に次々に経済が抜かれている。」とも言われています。
彼らは要するに「経済成長しなかった事」を「失われた」と表現しているのです。確かに、経済成長しようとして、旧態依然とした箱物行政や原発、オリンピックなどに湯水の如く税金を投入して、逆効果だった政策は十分に批判に値するでしょう。しかしこの30年間に失われた大切なものは、「経済成長」ではなくて「平等性」では無いでしょうか?「格差拡大」したことが大問題であって、経済成長しなかった事など、問題どころか「定常社会」はこれから進むべき望ましい方向でしょう。
と言うような内容を、1年ほど前の記事【失われた30年」と言う発想】に書かせていただきました。今もこの考え方に変わりありません。現在の日本は「失われた40年に向かっている」事など大した問題では無いでしょう。
格差社会さえ解消すれば、発展の無い現在の状況を続けられれば、「御の字」では無いでしょうか?
成長の限界に達しつつある現代社会で、「経済成長」と言う名の「経済膨張」を続けることは、破局への道です。
【日本の劣化】に書きました通り、最近、日本はいろいろな意味で劣化しています。特に政治の劣化は酷いものがあります。民主党政権後の自民党政権の3代の総理のレベルの低さは恥ずかしい限りです。現在の岸田首相も、ただただ総理の座、権力が欲しいだけにしか見えません。何のポリシーも持ち合わせていないように見えます。
単に自分の総理の座を守ってくれるであろうアメリカや大企業、経済界の要請に従っているだけでしょう。他所の戦争に参加できる国にし、武器も作り、原発を推進し、韓国のカルト宗教(・・と言うよりも詐欺的宗教)を解散させるどころか、彼らの主張を政治に反映させ・・・ こんなことで「経済成長」させようとすれば、仮に経済成長できたとしても、日本は劣化する一方でしょう。岸田首相は日本を自滅させようとしているようにしか見えません。彼の自称トレードマークの「聞く力」はアメリカや大企業、旧統一教会(とズブズブの政治家たち)などの「権力」に対してしか発揮されず、あとは「聞き流す力」でしょう。このままいけば、日本は戦争に巻き込まれるか、放射能汚染が酷くなるか、旧統一教会に牛耳られるかでしょう。・・「失われた30年」とは比べものにはならないくらいの深刻な事態となるのです。格差もますます酷くなるでしょう。


「失われた30年を取り戻す」なんて言っているうちに、日本はとんでもない方向に導かれて仕舞いそうです。
それは日本だけの問題では無いでしょう。22世紀の世界は、現在よりも遥かに劣化して、住み難い状況になっている可能性が高いように思えます。下手すれば、人類に22世紀はないのかも知れません。少なくともこの成長神話の蔓延る現代文明は終わりを告げるでしょう。「経済成長洗脳」から早急に脱却する必要があります。

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