雑草の言葉

放射能は閉じ込め切れない

2023/08/05
原子力 6
 現在、放射性廃棄物の最終処分方法で一番現実的とされている方法は地層処分です。最もいい方法・・と言うよりも、不完全過ぎて全然いい方法ではありませんが、他の方法と比べれば「マシ」ということでしょうか?・・しかし、「地層処分」するから、「原発を推進する」というスタンスであるのならば、とんでも無い事です。こんな酷い「地層処分」を、原発推進派は原発再稼働、原発増設の根拠にし、更なる放射性廃棄物の増加に繋がるのです。
 原発から出る放射性物質の安全な保管方法など無いのですから、原発を即廃止しなければ由々しき事態・・・地球の生態系の破局を招くでしょう。

 地層処分は、最低でも一万年は放射性物質が漏れ出さないように管理しなければなりませんが、世界中の原発の「深刻な放射能漏れ」のレベルでさえ防ぐことは不可能でしょう。1万年どころか、100年以内・・21世紀中にも深刻な放射能漏れを引き起こすでしょう。
 廃炉以前、原発が稼働中の数十年の間でさえ、スリーマイル島、チェルノブイリ原発、福島第一原発のように、メルトダウンして、原爆1個の何倍もの放射能を撒き散らかしました。これら3ヶ所の過酷事故でなくとも、放射能漏れや(福島第一原発の汚染水放出のように管理するのが嫌で)意図的に排出する事も世界の多くの原発で行われてきました。ウクライナ戦争のサポリージャ原発の例を見るまでもなく、原発は戦争の攻撃対象にもなるのです。原爆を用いなくても、攻撃されて爆破されれば、原爆以上の脅威になるのです。稼働中でなくとも、廃炉後も核物質は大量にあるので、攻撃目標にされれば大変です。


 NUMOは、「地下は長期保存に適した環境」「モノが変化しにくく、モノの動きも非常に遅い」などとふざけたことを言ってますが(確かに数年くらいの短期ならばそうも言えるかも知れませんが)火山列島で地震の多い日本では、これから数万年以上安定した地層なんて保証できるはずがありません。(過去は、「結果として」数万年以上安定していた場所は沢山あったことでしょうが、未来の事は不確実です。)
地層処分と文献


 まだ地下処分はされていない日本では、高レベル放射性廃棄物が各原発立地に溜まりに溜まってパンク寸前の危険な状況です。
 仮に、日本のどこかの地で地下処分される事になったとしたら、日本中から放射性廃棄物が、放射能を周りに放射しながら運び込まれ、ガラス固化して金属の容器に入れ、その周りに粘土を敷き詰めて・・・と、「人工バリア」で囲まれ、さらに岩盤という天然バリアで囲まれて、・・と、宣伝されていますが、それで大丈夫の筈がありません。火山の爆発や地震で壊れない保証はありません。壊れれば日本の豊かな地下水を汚染するのです。日本の自然も台無しです。なんとも憂鬱な事です。世界中の海に面した核施設が海中に沈んで、海が文字通り「死の海」になる危険性を指摘している方もいますが、その可能性も否定できないでしょう。否定出来ないどころか、その可能性は決して無視できるほど低くは無いでしょう。【海が「死の海」になって人類が滅亡しませんか】2023/08/01 ・・この記事は、私の記事ではありませんが、 長文では無いので、是非読んでみてください。

 小出裕章氏は、「原発事故は再び起きる」と言ってますが、確かにまた原発を使う方向に大きく舵を切った日本政府の方針では、原発事故もまた起きるでしょう。(この記事に関してはまた別の機会に触れようと思います。)とんでも無く愚かな政府です。
 げんぱつがゆるされないりゆう小出裕章スクエア版
 

 原発の発電ワット数によっても、核種によっても異なるでしょうが、かなりアバウトに考えますと、原発1基あたり1日発電した場合に出る放射性核種は、広島型原発1個分といいます。
 余裕を持たせて1年間に200日くらいしか稼働しなくても、十年間で原爆2000発分の放射性物質を作り出しすのです。これまで世界で行われてきた核実験の回数は2000回あまりですから、10年間以上稼働した原発は、1基でこれまで世界の核実験で、環境中にばら撒かれてきた放射性物質と同じくらいの放射性物質を作り出して溜め込んでいるのです。恐ろしい事です。
広島と長崎の原爆キノコ雲


 世界が崩壊するとしたら、その原因は複数あるでしょうけれど【複合大崩壊】2012/02/17 、原子力もその大きな原因の一つになるでしょう。

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Comments 6

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K.Miyamoto

閉じ込められないものはたくさん。
第一はやはり、雑草Zさんの言う「放射能」だろう。
第二は、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」
第三は、国会議員の慢性だらだら意識。
第四は、国の借金造花、え~ぃ、造花ではなく増加。

世の中、このまま行くとどうなりますかね、雑草Zさん。

万博、閉じ込められないばかりか、
記念硬貨まで出しやがった。どこまでもお目出たい為政者。

2023/08/08 (Tue) 17:23
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: タイトルなし

放射能は、技術的にも日本では何万年も閉じ込めるのは無理でしょう。

「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」を日本から追い出せなくて 国の借金を増加させる政府は、無能で良識がないからでしょう。

>世の中、このまま行くとどうなりますかね、雑草Zさん。

このままでは破局でしょうね。冗談や大袈裟抜きで。
日本で言えば今の自民党政権では日本が底なし沼に落ち込んで、這い上がれなくなってお仕舞いの獅子舞でしょう。
・・かと言って、野党もどの政党がいいかは疑問です。
 現在、メンバーが抜群に優れているのは、共産党だと思いますが、政権運営するとなるとどうでしょう?連立政権になるでしょうから足を引っ張られそうですし。

>万博、閉じ込められないばかりか、記念硬貨まで出しやがった。どこまでもお目出たい為政者。

オリンピック利権の汚職でも、懲りるどころか味をしめて、万博に国家予算を湯水の如く投入しようとする利権に群がる連中が国を動かすようでは日本も救いようがないですね。今どき、箱物行政を推進する政府は、本当にクズだと思います。

2023/08/09 (Wed) 23:28

guyver1092

閉じ込める必要のある時間

 最近の記事にもありましたが、閉じ込める必要のある時間は10万年ではなく100万年ですので、不可能は目に見えていますね。100万年先までの地層の安定を、人類の技術で測れるはずがないですね。
 人類の種としての年齢は20万年ほどだそうで、現在のほとんどの種の年齢は数万年で、人類種の年齢は圧倒的に長いそうですが、さすがにあと、100万年はないのではないでしょうか。
 政治家は、「人類は滅びるのだから、後は知らん」とでもいうのでしょうか?

2023/08/12 (Sat) 20:37
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 閉じ込める必要のある時間

>閉じ込める必要のある時間は10万年ではなく100万年ですので、

以前もguyver1092 さんから、このようなコメントを頂きました。確かに、安全性をしっかり担保するためには、100万年以上閉じ込める必要があると思われますが、ソースを教えていただけませんか?
放射能は、放射性核種の半減期の長さに反比例するでしょうから、半減期の長い核種の方が危険とは言い切れません。
例えば、原子炉内で作られる長半減期の物質といえばプルトニウム239です。半減期は2万4千年で、その10倍の24万年で放射能は1000分の一になります。しかし、崩壊して出来るウラン235の半減期は7千万年です。・・・とするとウラン235の放射能は危険と考えられていない事になります。・・このように核種毎に考えてトータルで定量化するのは、個人では無理です。しかし、原発のデータを持っている研究者なら、全体の放射能や崩壊の種類毎(α崩壊、β崩壊、γ崩壊・・・)の放射能の減衰のシミュレーションはできているはずだと思います。データーがあればPCで直ぐに作れる筈です。その、放射能の衰退のグラフ等があればいいのですが、見つけられません。

>使用済み核燃料の放射能レベルが天然のウラン鉱物ほどに下がるまでには約10万年、再処理をほどこしても約8,000年はかかるとされています。 https://looop-denki.com/home/denkinavi/energy/environment/nuclearwaste/

などと書かれたHPもよく見かけますが、処理をほどこした方が、放射能レベルは上がると思います。眉唾でしょう。


>人類種の年齢は圧倒的に長い

これは全く知らない思い掛けない情報でした。これからの余命という事でしょうか?
人類種の年齢は圧倒的に短いと思っておりました。恐竜など1億年以上も繁栄したのですから。多くの種が20万年以上は生き延びて来たと思っておりました。


さて、以上の疑問点は置いておいて

>政治家は、「人類は滅びるのだから、後は知らん」とでもいうのでしょうか?

現政権はそこまですら考えてはいなくて、「自分の政権がある間、放射能漏れ等の問題が発覚しなければそれでいい」くらいしか考えていないのだと思われます。愚かな人類の中でも特に愚かなのが、この手の指導的立場に立つ政治家なのかも知れません。
 少子化対策とかする以前に、人類の生きるための環境保全の方がはるかに必要でしょう。

2023/08/13 (Sun) 05:49

guyver1092

100万年

 大本は、室田武氏の「原子力の経済学」です。使用済み核燃料は、超ウラン元素も含んでおり、一年燃焼させた燃料棒は、超ウラン元素の崩壊も考えると、70万年後に放射線量が極大に達し、100万年でほぼウラン235に変わるとのことです。

 現政権の考えの浅さは、おっしゃる通りかもしれませんね。人類滅亡後まで考える知能があれば、原子力推進という選択はしないでしょうね。

2023/08/14 (Mon) 20:34
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 100万年

室田武氏の「原子力の経済学」でしたか!
この名著は、私は以前じっくり読んで、今年も読み直しました。
https://zassou322006.blog.fc2.com/blog-entry-1094.html

確かに本書には、
『使用済み燃料の天然ウランに対する相対毒性は、800年頃までは一旦小さくなり、極小値に達するが、その後増加しはじめ、70万年後に極大値をとる』(p 137)
とありますが、その「極小値」と「極大値」がどの程度であるか書かれておりません。
室田武は、別な箇所に
「データを持っているのは、原発推進諸当局なのであるから、当局はデータの公開を含めて、実績値に基づく実証研究の結果を発表すべきである」(p 129)と書かれています。
データを持っている原発推進諸当局でなければ、本当の値を算出するのは無理でしょう。逆に原発推進諸当局は、一定の期間運転した後の原子炉内の放射性核種の種類別の存在量を把握しているでしょうから、その後の放射能の減衰のシミュレーションはできていると思われます。
ただ、相対毒性が一旦極小値に達する800年では、保管期間は全然不十分でしょうし、その後相対毒性が増えるのですから、70万年の管理は必要に思えますね。・・70万年も100万年も人類の歴史から見れば確かに「半永久的」というか、「これか先永久に」と考えていいでしょうから、guyver1092の言う通りでしょう。
原発推進諸当局は、データとシミュレーション結果を公開して欲しいものです。

2023/08/15 (Tue) 06:55
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト、「経済成長信仰」と「科学技術信仰」とによって、飛行船地球号は破裂して墜落を始めるのも時間の問題。
あくせく働いて破局に向かって突き進むくらいなら猫のようにその日暮らしをする方がよっぽどいいではないですか。脱成長によってゆったり暮らすことができる社会の実現を!
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