CCSとCCUS

【人工光合成装置】2023/09/11 に関しては、先日の記事で書きましたので、今回はCCS[Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素の回収と貯留]とCCUS[Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage:回収したCO2の利用と保管]に関して、書かせて頂きます。
実はCCSに関しては、かなり古くより書いて来ました。「こんな馬鹿な事はやめるべきだ・・・」という内容の抗議文を2007年の環境省のパブリックコメントにも送信しています。【環境省への抗議文】2007/01/23
当時はCCSという略語は知りませんでしたが、「二酸化炭素の地下貯留」批判は何度か古い過去記事に部分的に書いてきました。【予防原則】2009/10/21 【二酸化炭素温暖化対策の大罪】2010/03/05 などです。

資源エネルギー庁のHPより
上の資源エネルギー庁の【知っておきたいエネルギーの基礎用語 ~CO2を集めて埋めて役立てる「CCUS」】の図を見て頂くと、CO2は排出源から閉鎖された管を通って、CO2回収設備で回収され、回収されたCO2は即、地下に貯留されるようなイメージですが、これは詐欺まがいの図と言うべきでしょう。 (この図の通りだとしても問題山積みです。)
先ず、いくら閉鎖されていても、化石燃料が燃えた時に出るのはCO2だけでは無く他の気体も混じっています。つまり、CO2は拡散しているのです。エントロピーの法則を出すまでもなく、拡散して混じり合った気体からCO2のみを分離回収するのは大変で、そのためには多大なエネルギーの投入が必要です。計算するまでもなく、費用対効果もEPRも破綻していることは明らかでしょう。
そして、更に詐欺的に見えるのは、回収したCO2をその場で即貯留するようなイメージの図です。CCSで回収したCO2は、現在、国内には適切な貯留場所が無いのです。安定した地層が無いからです。回収したCO2は、東南アジアなど他国に持っていって貯留する計画です。とんでもない「コスト」がかかるでしょう。そして、どこに埋めるとしても、漏れ出しや地震誘発のリスクは大きいのです。
CCSが破綻しているので、その利用まで考えるCCUSに関しては、議論する必要もないでしょう。
CO2を「化学原料の生産に使う」とか「燃料に変換する」と謳ってますが、例えば燃料に使う場合、その燃料を作るために投入するエネルギーは、得られるエネルギーよりも小さいことは明らかです。もし、得られるエネルギーの方が大きければ、エネルギー保存則に反する「永久運動機関」を作れることになってしまいます。だから単なるエネルギーの浪費です。
「人工光合成に利用」など、何をか言わんやです。まあ、CO2を溜めたなら、普通に光合成に利用するのが最も効率が良く、それなら可能性がないわけでは無いでしょうが、前段階のCCSでの「エネルギー、資源の赤字」は全く挽回できないでしょう。CCSなどしなくても、植物は他の気体から選別してCO2を利用して光合成が出来るのですから。光合成は偉大です。

資源エネルギー庁のHPより
兎も角、CCSもCCUSも、やればやる程エネルギーの浪費であり、環境破壊・環境汚染を促進するだけでしょう。
文明崩壊を回避するにはエネルギー消費の縮小、経済の縮小しか無いでしょう。

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