シオニズムなんて認められない

政治的シオニズム運動を本格的に始めたテオドール・ヘルツル(写真上)
と、彼が書いて1896年に出版した『ユダヤ人国家』の表紙(写真下)
しかし、自分達が2000年前に追い出された地に住む権利があるとして、そこに現在住んでいる人(パレスチナ人)を追い出して、国家を建設するなんてことが、現代社会において認められたら、世界は滅茶苦茶になってしまいます。 古代に住んでいたと言う理由で、そこにユダヤ人が国家を建設する権利を認めるならば、現在イスラエルを最も支援しているアメリカは、NA(Native Americans:アメリカの先住民)が、アメリカ全土に国家を建設することを認めるべきでしょう。ヨーロッパ人がアメリカの先住民を追い出して土地を奪ってアメリカ合衆国を建国してから高々数百年の近代の出来事です。ユダヤ人がパレスチナの地を追われたとされる2000年ほど前と比べれば、遥かに最近の出来事と言えます。
NAに限らず、先祖が昔住んでいた土地を占領することを当然の権利として認めるのであれば、世界中で、先住民に土地を返すべきでしょう。
駐日イスラエル大使館のHPにも
「ユダヤ民族は、イスラエルの地(エレツ・イスラエル)に誕生しました。この地で民族の長い歴史の重要な部分が刻まれたのであり、そのうちの2000年間は聖書に記録されています。」
などと書かれていますが、そんな事を根拠に、パレスチナ人を追い出して、ユダヤ人国家を作る権利などを認めたら、大変な紛争が起こるのは明らかです。事実パレスチナの地では、イスラエル建国の頃からずっと紛争が続いています。パレスチナ人が、ユダヤ人を追い出した訳でも迫害したのでも無いのにも関わらずです。
そもそも、イスラエル政府の言うところの「イスラエルの地に誕生した聖書の民であるユダヤ人」は「スファラディ系ユダヤ人」と言われ、現在イスラエルにいるユダヤ人の数%にも満たない少数派です。イスラエルにいるユダヤ人の90%以上は、「アシュケナージ(ドイツ)系ユダヤ人」と言われる白人で、ヨーロッパなどにおいてユダヤ教徒になった人々で、パレスチナの地がルーツではありません。
「今のユダヤ人の大部分の祖先は、別の地域でユダヤ教に改宗した人々であり、古代ユダヤ人の子孫は寧ろパレスチナ人だ」という信憑性が高いと思われる説もあります。兎も角、イスラエル政府が掲げるシオニズム、「イスラエルの建国」にはまともな正当性も根拠も無いのです。
本来、救世主の再来の前にユダヤ人国家が建設されてしまうのは聖書の予言に反しているそうです。だから信心深いユダヤ人は、イスラエルの建国に反対してきたそうです。「ユダヤ人国家など要らないからパレスチナ侵攻は止めろ!」とデモをしているアメリカ在住のユダヤ人もいるのです。
イスラエルの建国を無理に押し進めた、権力を持ったシオニスト達は、何らかの自分達の利権のためにイスラエルを建設したと言う側面もかなりあるのではないでしょうか?迫害から逃れてイスラエルに移住してきた多くのユダヤ人は、腹黒いシオニスト達によって利用されているのかも知れません。ガザ地区との境界の高い壁のすぐ外側に住まわされて、今回のハマスの攻撃で犠牲になったイスラエル人(キブツの人々)もそんな被害者なのかも知れません。
アメリカのバイデン大統領は、ユダヤ人でもないのに「自分はシオニストだ。」と発言しています。こんな発言をする人物がアメリカ大統領なのです。選挙の為にアメリカ在住の金持ちユダヤ人シオニスト達からの資金や支持を得るためなのでしょうけれど、とんでもない事です。アメリカにはユダヤ人が多く(イスラエル国内と同じくらいいるようです。)シオニストも沢山いるのです。彼らが中心となって、アメリカ国家としてイスラエルに資金や武器を提供してパレスチナを攻撃させているのですから、酷いものです。シオニズムは無茶苦茶です。
主たる参考文献:金融の仕組みは全部ロスチャイルドが作った。 阿部芳裕 著

本書は10年ほど前に別な目的で(金融関係の陰謀論を知るため)購入した本です。本書にシオニズムなどについても書かれていることを思い出して、今回のパレスチナ紛争をきっかけに該当部分を読み直してみました。先の記事、【選民思想の極み】2023/10/29 に載せたタルムードも、本書で知りました。金融関係の陰謀論も「事実」であると思われる部分が多々ありますが、今回の記事には関係ありませんので、ここでは言及しません。 今回の記事の続編も、この本を参考に書かせて頂く予定です。
にほんブログ村


- 関連記事
-
-
3枚舌外交を画策したのはイギリスだけど・ 2023/12/05
-
代理戰争させられるな! 2023/11/23
-
シオニズムなんて認められない 2023/11/19
-
イスラエル軍の攻撃は自衛権の行使では無い 2023/11/17
-
テロリストは寧ろイスラエル政府だ! 2023/11/05
-
戰争させられるな! 2023/10/23
-
負の遺産にしかならない辺野古新基地 2023/10/17
-
NATOに加盟? 2023/07/03
-
反転攻勢よりも和平 2023/06/19
-