雑草の言葉

グローバリズムの悪夢2

2007/01/21
社会・経済 2
 現在行なわれているグローバル化は非常に深刻な問題を世界各地に引き起こしています。そして、このまま放っておけば、近い将来人類は破滅でしょう。

 世界の色々なところで
反グローバリズムは語られるようになりました。
 しかし日本に限らずいまだに何の疑いも持たず、グローバル化は世界の進むべき方向だと信じて邁進してる人のほうが圧倒的に沢山います。この、自然の摂理に沿った生き方を忘れてしまった(はじめから持っていない?)人々は、グローバル化の弊害を理解していないか、かなり甘く見ています。グローバリズムは金儲けのチャンスとだけ考えているようです。
   
 グローバリズムの広義の解釈は
「国家を超えて、地球全体を1つの共同体と見る考え方」
です。
これだけだと視野の広い、かなりいい考え方のように感じます。
しかし、この建前から派生して、現実的な解釈は 
「特に経済活動を世界規模に広げて、自由貿易圏を拡大し、文化と経済の国境にとらわれない貿易を促進すること」と言う解釈が一般的のようです。

 このグローバリゼーションは「アメリカナイゼーション」とも揶揄され、「アメリカ流」を世界に押し付けています。マクドナルドが中国に進出した時は話題になりましたが、それはもう過去の話で、今やマクドナルドはアフリカ中部のビクトリア湖の周辺にさえ進出しているのです。[映画「ダーウィンの悪夢」に映し出されています。]

 この、俗に「アメリカ流」と呼ばれるやり方は、現在はアメリカだけが行なっている訳ではありません。ヨーロッパ諸国や日本の企業、どこが共産主義だか分からなくなってきた中国の企業も我れ先にと「アメリカ流」を行なっています。途上国と呼ばれる国の中にも、グローバル化を利用して儲けようとする人々が沢山出て来ています。この病気は、市場主義を媒体として世界に蔓延して統制のとれない無秩序状態です。
 その先鋒は、多国籍企業です。この企業は、力の論理、利己主義の論理、で動いています。各地域の政治家の多くもWTO[世界貿易機構]も、多国籍企業に牛耳られています。
 このアメリカ流グローバリゼーションの実態は、地域の文化を壊し、貧困をもたらし、各地をスラム化して、社会を破壊しています。
 さらに森林を伐採し、川や湖や海を汚染し、地下資源を掘りまくり、自然も破壊しています。
 
 そしてこれらは国家や世界の人々の為ではなく、一部の支配層、多国籍企業など、限られた人達だけの利益を目的に行なわれているのです。環境、社会が破壊されたら、いくら利益があがっても自分達またはその子孫も生きて行けない筈なのに、彼等は破壊活動に忙しく、市場経済に取り憑かれていて現実を判断出来ないのです。お金があれば自分達だけは生き残れると考えているふしもあります。

 現在行なわれている
グローバル化は、深刻な環境、社会破壊を引き起こしています
 地球の循環、再生能力を遥かに超えた環境破壊で、
Point of No Return [もう引き返せない時点] が迫っているのです。突然起こるカタストロフィーが始まってからでは手遅れです。
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Comments 2

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スモールイズビューティフル

BS1見ました

先週NHKのBS1でグローバリズムと食糧の問題を取り上げたドキュメンタリーを何本かやってました(1本目を見逃したんですよね)。グローバル資本主義はアメリカや多国籍企業とWTO、IMFが(なかば力ずくで)推し進めてますが、結局そこにルールがきちんと確立されておらず、現状では圧倒的に力のある側がやりたい放題の状態で、途上国はその犠牲になっているかの感があります。(もはや一国と一国の間で解決できる問題ではなく、国連などの機関も機能していないのです)。

EUの農業保護政策が取り上げられていましたが、農業に補助金を出すだけでなく、その結果として過剰に生産された農産物を輸出するために「輸出補助金」を上乗せして安い価格にし、途上国の農業を壊滅させています。しかも、途上国側のの、農産物を保護する輸入関税を圧力で取り払わせているのですから、もはや「ヤクザ」のようなもんです。アメリカもほとんどこれと同じことをしています。

日本などの工業品の輸出にダンピングのいちゃもんをつけている一方で、はるかにそれより無法なことをしているのですから、何をかいわんやです。

私は基本的に国際ルールをしっかり確立し、それぞれの国が「品格ある国家」であれば、グローバル経済はむしろ途上国の貧困を救うのではないかと思っているのですが。とてもそんな状況とは程遠い、全く酷いもののようですね。

2007/01/23 (Tue) 09:21

雑草Z

多国籍企業のやりたい放題ですね。

 おっしゃるように、グローバル資本主義はいわゆる先進国や多国籍企業の都合のいいようにやりたい放題ですね。その実態の映像は酷すぎて見るに耐えないものですね。
スモールイズビューティフル氏は、
>国際ルールをしっかり確立し、それぞれの国が「品格ある国家」であれば、グローバル経済はむしろ途上国の貧困を救うのでは
と、おっしゃっておられますが、もともといわゆる途上国に貧困をもたらしたのは、先進国と多国籍企業で、当時の状態もグローバル化の走りと言えると思います。自ら貧困を作り出して、貧困を救ってあげるという姿勢も褒められるものではありません。罪滅ぼしと言うべきでしょうか?
 例え国際ルールをしっかり確立し、フェアトレードを行ったとしても、根本の環境問題は変わりません。フェアトレードの問題点についてもいずれアップしたいので、そのときまたコメント戴ければ幸いです。

2007/01/24 (Wed) 23:53
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト、「経済成長信仰」と「科学技術信仰」とによって、飛行船地球号は破裂して墜落を始めるのも時間の問題。
あくせく働いて破局に向かって突き進むくらいなら猫のようにその日暮らしをする方がよっぽどいいではないですか。脱成長によってゆったり暮らすことができる社会の実現を!
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