雑草の言葉

ドーピング社会

2007/04/09
社会・経済 0
ドーピングとは、知っての通り、スポーツ競技などで好成績をあげるために禁止されている薬物を使うことです。競技に対する不正行為と見なされています
が、それだけではなく、副作用で健康に深刻な害を及ぼします

 環境問題、社会問題を考えると、現代社会は、地球の至る所ドーピングの様な事が行われているのではないでしょうか。
 ドーピングの大きな特徴は、一時的な効果を上げるためにその後の持続性を台無しにしてしまう事です。これをドーピング効果とでも呼びましょうか。

 先ず、農業に於ける化学肥料、農薬、殺虫剤、除草剤の類いは、みんな農地に対するドーピング効果です。一時的に生産性を上げたり、見かけのいい農作物を作ったり出来ますが、副作用は深刻で、農地の生物を、微生物のレベルまで殺し尽くし、その結果土地の流出を起し、仕舞いには砂漠化してしまうことは、今まで述べた通りです。

 現在、食料生産は上がって現在の人口より多くの人口を支えられると言いますが、その多くは、ドーピング効果によるものでしょう。

 政府の経済政策も多くがドーピングでしょう。大型公共工事などはドーピング効果の最たるものではないでしょうか?ダム工事、高速道路、干拓事業・・・・大型公共工事の本当の目的は、工事そのものにあり、それによって雇用を生み出し、景気を良くしようという企てです。その結果麻薬のように、雇用を支え続ける為には公共事業という花火を上げ続けなければならなくなり、環境は散々痛めつけられて破壊されます。まさに中毒性のある薬物によるドーピングではないでしょうか?
 
 直接の環境問題では有りませんが、政府の出す補助金の多くもドーピング効果でしょう。政府の出す多額の補助金によって、事業を行い、製品などの開発を行いますが、もともと補助金(=薬物)を目当てにしたもので、それ自体で自立して、しっかり採算を上げられない事業は、ドーピング効果の賜物でしょう。

 最後に、エネルギーもドーピング流行りです。その最たるものが原子力です。しっかりした廃棄物の処理方法がなく、地球が病んでいくあたりは、ドーピングそのものでしょう。プルサーマルも原子燃料をリサイクルするという名の下の(実際は見せ掛けのみの)ドーピングです。


 つまり、20世紀あたりから活発になった、一時しのぎの、または手抜きのドーピング効果ばかり狙ったような政策によって、社会の持続可能性はどんどん0に近付いてゆくのです。社会の実情を考えると、あらゆるところにドーピング効果があり、身震いする思いです。ドーピング効果は、社会の持続の可能性を大きく妨害しています。社会の破たんを招くでしょう。
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☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト、「経済成長信仰」と「科学技術信仰」とによって、飛行船地球号は破裂して墜落を始めるのも時間の問題。
あくせく働いて破局に向かって突き進むくらいなら猫のようにその日暮らしをする方がよっぽどいいではないですか。脱成長によってゆったり暮らすことができる社会の実現を!
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