持続可能な経済成長???
最近、経済発展と地球環境を両方とも手に入れられるかのような怪しい概念が使われています。非常にうさん臭い言葉ですが、
「持続可能な開発のための地球サミット」なんてのも開かれました。世界各国の指導者達もこの言葉を使うのをよく耳にします。
どんな概念なのか改めてネットで調べてみると、想定していた
「持続可能な社会を維持した経済発展、すなわち人間の住める地球環境を維持した経済発展、開発」
と言う意味以外にもう一つ単に、
「経済成長を持続させる」と言う意味だけでも使われていました。
どっちも、視点が狭く、矛盾だらけの論法です。
先ず、私が想定していなかった、
(1)「単なる経済成長をずっと持続可能ならしめる」という発想の「持続可能な経済成長」は、新しくも何ともない愚かな発想でした。
例えば、
「インフレなき経済成長は、今までやっていた仕事の仕組みを抜本的に変えて、例えばネットワーク社会で知恵を絞って、10人で行っていた仕事を2人で行うようにし、8人が新しく創出された仕事にシフトする」
なんて事を本気で書いています。ワークシェアリングとは逆行する個人の仕事が増えるのも大いに嫌なことですが、「新しく仕事を創出する」って、経済が行き詰まった先進国の常套手段だろうし、地球の有限性からそれに行き詰まったから、別の手段を考えているのではないでしょうか?
「消費を喚起して内需主導型の成長に移行」なんてのもありましたが、どこが新しいのでしょう?どこが持続可能な成長なのでしょう?
ある方法で行き詰まったから次の方法でってだけで、本質的に従来どうりの、対処療法ではないでしょうか?
根本的に、経済を発展させる未開の人々、未開の土地がなくなってきた・・・という認識は合っているのに、
だから内需拡大って、言い方を変えれば、必要のない無駄な仕事を無理に作り出せって事でしょう。
こんなのばかりで、結局「不要なニーズを作り出す」という発想をより姑息に行う、新しくも何ともない提案ばかりでした。なのにこれを
「ニューエコノミー」と呼んでいるとの事です。笑ってしまいます。あまりにもお粗末です。
「○○経済研究所」なんてとこの提案もこんなのばかりで、調べる意欲もなくなりました。
さて、もう一方の、想定していた、
(2)「持続可能な社会を維持した経済発展、すなわち人間の住める地球環境を維持した経済発展、開発」
というのも、(1)ほど馬鹿馬鹿しいものではありませんでしたが、私の予想したのよりもさらに低レベルなものでした。
省エネや環境保全技術の導入・普及 とか成長方式の転換とか
環境にダメ-ジを与える製造業に関わる活動と環境を保全する活動環境ビジネスを共に発展させていこうと言うようなとんでもないものもありました。
やはり時間の無駄だったので、色々調べるのはやめました。
「持続的安定成長を目指す、地球環境にやさしい経済発展」
なんてやはり、矛盾した考え方でしょう。
要するに、彼等の言うところの持続可能な経済発展とは
今や外部領域に新たに拡大できない消費拡大を、内的需要拡大や、環境ビジネスと共に発展させようと言う、工夫のない(工夫してなんとかなるものでもありませんが・・・)ばか丸出しの政策でしょう。
仮にそんな可能性があるとしても、現在試行錯誤している訳ですから、環境被害が大きくなる前に一旦開発をやめ、脱成長して持続可能な社会に移行してから、そう言うたわごとを議論すればいいのではないでしょうか?今の経済成長を続ければ続けるほど、その反動としての環境カタストロフィーは凄まじく、人類は滅んでしまう可能性が高くなる一方です。
・・・・OECD[経済協力開発機構]による貢献も始まっているそうです。
OECDは、持続可能な開発の進捗を測る指標の開発、市場ベースの手法の開発や環境に有害な補助金の除去を阻む障害の克服、持続可能な開発の社会的側面の研究、経済・社会・環境の3側面の政策一貫性の向上へ取り組み、これらの知見を活かして世界各国及び地球規模での持続可能な開発の実現に貢献していく。
・・・なんか色んな良い事を言っているようですが、抽象的にぼかして中身のない事を研究しているのではないでしょうか?OECDが出るあたりでもう終わってますね。
「単なる経済成長」
を続ける事がかなり怪しくなってきたから
「持続可能な経済成長」
って言い出したカルト集団です。
たちの悪い事に、これはカルトと言うには信者の数があまりにも多過ぎます。
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