雑草の言葉

アメリカ インディアンの言葉

2007/07/15
思想 2
 前回、自然の摂理の感覚が麻痺した人々が増えていることを指摘いたしました。
 持続可能な社会を考える場合の問題点は、自然の摂理の感覚を持っている人間のほうが、持っていない人間より強いとは限らない事でしょう。いや、往々にして、自然の摂理に対する感覚が欠如している人間の方が、強く、悪賢く、自然の摂理に対する感覚のある人間を滅ぼしてきました。有名な例が、アメリカ・インディアン(NA) を滅ぼした白人達でしょう。


 自然の摂理を感覚でしっかり身につけたアメリカインディアンが、白人に滅ぼされる前に白人に言った言葉は圧巻です。

 シアトル首長のアメリカ大統領への手紙(1854年)
 

 シアトル酋長の言葉(同上)
 父は空、母は大地

父は空、母は大地〈解説)

 こんな100年以上も昔に環境問題の本質をズバリ言い当てているのですから、アメリカ・インディアンのほうが白人より賢いと言えるでしょう。自然の摂理に対する感性の鋭さは素晴らしいものがあります。持続可能な社会の条件も当然の如く知っています。意識的な自然との共生という考え方よりも、もともと人間は自然の一部に過ぎないことを悟っています。自然を畏怖する心があるから、こう言う感覚は文化とともに伝わっていたのでしょう。アメリカ・インディアンは常に七世代先を見ながら行動していたといいます。先進国と言われている国の人々で、さすがに次の世代の事を考えている人はいるでしょうが、二代以上先の事を見据えて行動している人がどれだけいるでしょう?

 賢いけれど、ずる賢くはなかったので、ずる賢く強いキリスト教徒に滅ぼされてしまったのでしょう。
   
 現代の環境問題がなんとかなると言うオプティミズムは効きません。だって、実際白人たちは、卑劣な残酷なやり方で、インディアンを滅ぼしたのですから、自分達が滅ぼされないと言う漠然とした楽観主義は、愚か者のたわごとでしょう。

 大地を害すれば、必ずその者は滅びるだろう。』
という酋長の言葉は、脅しでもなく、迷信でもなく、自然の摂理を感覚で知っている賢者の言葉でしょう。

 経済成長に洗脳された愚かな世界の指導者たちは謙虚に
アメリカ・インディアン(NA)の言葉をしっかり学んで欲しいものです。
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Comments 2

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天地 はるな

マヤ文明

今日、NHKでマヤ文明の特集を見たのですが、彼らは、自然をうまく利用し自然と共存していました。
中には、人口が膨れ上がった国家もあったみたいですが、そんな国家は、消滅していました。
2000年も自然と共存した彼らを絶滅状態にしたのは、ここでもキリスト教徒の国、スペインでした。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/070715.html

2007/07/15 (Sun) 22:11

雑草Z

歴史に学ぶとは

マヤ文明は、やはりアメリカ大陸(中央アメリカ)ですね。先住民はインディオと呼ばれてますね。北米のアメリカインディアン(NA)が滅ぼされた経緯とかなり共通点がありますね。

 私が今年の春にかけて読んだ
『文明崩壊 滅亡と存続の運命を分けるもの』
             ジャレド・ダイアモンド著
にもマヤの崩壊の原因が、
 過剰な人口増加による戦争と旱魃などと著者が分析していましたが、その後のスペインの占領の事はあっさりとしか触れられていません。主題との趣旨が違う事もあるのでしょうが、著者がアメリカ人であることから、白人をあまり悪役にしたくないのかも知れません(苦笑)。

 キリスト教は、宗教の中でもストレートに多産を奨励する宗教で、ヨーロッパでの人口増加を新大陸への移民政策で解決しようとし、また、新大陸を植民地化していきました。そこには先住民に対する配慮がありません。ただの征服の対象で、悪役でさえあります。酷いものです。
 日本の神道のような多神教のほうがずっと寛大ですね。

 歴史を学ぶとは(私は高校時代、世界史は赤点だったような・・・)いつ何があったなどという史実を覚える事ではなく、「歴史に学ぶ」つまり、歴史で起こった事を現代に生かす事でしょう。何故文明が滅びたかしっかり分析し、同じような誤った道を辿らないようにするのが人間の知恵でしょう。
 マヤ文明の崩壊原因は、人口増加による食料不足とキリスト教徒の進出というグローバル化でしょう。
 まさに現代の世界の社会、環境問題を大きく反映している筈です。
 

2007/07/16 (Mon) 08:56
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト、「経済成長信仰」と「科学技術信仰」とによって、飛行船地球号は破裂して墜落を始めるのも時間の問題。
あくせく働いて破局に向かって突き進むくらいなら猫のようにその日暮らしをする方がよっぽどいいではないですか。脱成長によってゆったり暮らすことができる社会の実現を!
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