かにの思い出
転校してすぐ、当日か翌日あたり、新しいクラスの友達に小学校のすぐ裏の川に下る小径を案内してもらった。その小径で、水がちょろちょろ流れているところに貝殻みたいなものを見つけた。立ち止まって、その辺りの石を裏返してみたら、沢がにがいた。自分が初めて見つけたかにの住処だ。というより、沢がにそのものを初めて見たと思う。!貝殻かと思ったのはかにの脱皮した殻だったのだ。
その場所は、田んぼが土手の上にあって、一度田んぼの水が土に染み込んで、すぐにまた土手の下から湧き出ている水だった。それでも飲めそうなきれいな水であった。実際飲んだと思う。(土のろ過の威力は凄いものだ!)その、沢と呼ぶには、本当に幅が狭くて水もチョロチョロで、下の川までも十数mくらいの範囲がかにの住んでいる場所だった。
後からわかった事だが、沢ガニなんてそれほど珍しくない土地であったが、何せ、小学校のすぐ近く。休み時間にでも捕りに行ける。その時から、転校した自分のクラス2年A組の男子の間で、毎日毎日カニ取りが始まった。朝、休み時間、放課後・・私が朝小学校についた頃には、もう既に数匹捕まえている子供もいた。
しかし、ほんの短い沢、子供たちは無邪気にも、カニを求めてその小さな沢を掘り返し、いつの間にか、かにはいなくなってしまった。どの位の期間かは覚えていない。二、三日か、一週間か一月か、確実なのは、その年というか、その春にかにはいなくなってしまった。私が見つけたばかりに絶滅してしまった。思い出す度に心が痛んだ・・・。
その後、何年かして、小さなかにをそこで見つけて安心した記憶がある。ホントに嬉しかった。しかし、夢かうつつかわからない。都合のいい記憶違いかも知れない。本当だったら凄く嬉しい・・。
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