COP13を終えて
CO2温暖化説の詳しい内容を知る以前は、アメリカが京都議定書にサインしなかった事などに、怒りなどを感じたものですが、最近はこの手の会議の内容が、馬鹿らしい感じがして、積極的にこの会議の内容を知ろうとは思いません。・・・知るほどにやるせなさと人類の愚かさを思い知ります。・・・
私はCO2温暖化論否定派ではなく、懐疑派ですが・・・CO2温暖化の真偽をいくら論じたところで、この複雑系カオスの因果関係の連鎖の証明は当分不可能なので、ここではCO2の温暖化説が本当だと仮定して議論します。
これまでも何度も述べていますが、世界のCO2対策はかなり狂っています。CO2温暖化の脅威をかなり煽っているのに、その対策がほとんど効果がありません。・・・というよりギャグ効果(ギャグのように愚かな逆効果)です。こんな無効なお門違いな事に10年以上も費やしてきたのです。
今回もCOP13の会議で、数値目標とかいわゆる途上国と先進国の対立だとか色々あったようです。1990年の排出量から何パーセント削減とか言うのも、その時点で省エネ対策が進んでいた日本には不利だとか色々言われていますが、1990から何%減らすとかそういう議論自体を今でもやっている事がかなり悲しいものがあります。
物質についてはほぼ閉鎖系の地球では、炭素原子Cの総数は一定です。炭素原子Cは、酸素原子2個と結びついて安定した分子であるCO2になって温暖化に寄与するのです。カーボンニュートラルの考えからすれば・・・この考え方も少し眉唾だけれど・・【カーボンニュートラルに物申す1】・・地下資源の石油や石炭、天然ガスを使わなければ、大気中のCO2の量は長い目で見れば変わらない事になります。・・・・私は、大木や木材のなかに炭素原子Cを固定することも非常に有効な方法だと思いますが・・
先ず当たり前の発想として、元を断つ事が基本でしょう。地下資源の炭化水素(いわゆる化石燃料・・・石油や石炭)がCO2になってしまったら、ニュートラル分以上のCO2が発生するわけです。その分は基本的には木に閉じ込める事(木の栄養にすると言うこと)くらいしか有効な方法はないでしょう。・・だから、地下資源の石油石炭の使用をやめるしかないのです。・・・もっと言えば石炭、石油の採掘を止めることです。採掘後の排出量を下げる為の技術や排出権云々などは、長い目で見ればあまり効果があるとは言えません。さらに言えば、石油の消費を減らす有効な手段は、脱経済成長しかないでしょう。だって、石油や石炭を使わないでエネルギー消費量を減らさなければ、バイオマス燃料の使用が増え、それこそ食糧危機や森林破壊が加速されます。理性的に考えれば、地上に出回っている炭素原子Cの数を増やさなければCO2ニュートラルも達成しやすいでしょう。
それを、持続可能な経済成長とか、経済の為にもCO2削減を!とか、とても危機感を持った会議とは思えないお気楽さです。
1990年の排出量と比べて何%削減とか言う議論も非常におかしな議論であります。大気中のCO2は、収支結果として近年だんだん増えて累積していってるわけですから、その増加をなくするには、いつの時代かとの相対的な比ではなく、最終的に真のカーボンニュートラルを実現する(収支結果としてのCO2排出量をゼロとする事)しかないでしょう。
つまり、CO2の排出量だけ、光合成をする事が基本です。収支からすれば、地下資源の炭化水素を燃やした分だけ木を増やさなければならないということです。そして、国ごとにカーボンニュートラルを実現することが最も公平な義務でしょう。→【真のCO2ニュートラル】
CO2削減計画として、CO2の地下貯留だとか、原発を考えるのは論外です。原発と火力発電がどっちが危険で、環境負荷が大きく、コストもかかるかは、明らかです。(ついでに実質CO2排出量も削減出来ない・・)こんなとんでも議論を平気でするような輩をCOP13の代表にしないで欲しい・・・と言いたいところですが、COP13の代表が、実質各国の産業界の代表になっている事も十分あり得る話なので、期待するほうが無理ですね。
→【CO2温暖化肯定派の権威へ】
どの国もカーボンニュートラルを達成するという最終目標の合意も明確化せず、1990年比何%削減だとか・・・・経済成長優先だとか、政治家も科学者も低レベルな議論をしているCOP13って、かなりお門違いじゃないでしょうか?
なんだか各国の代表達は、本質を知らないで議論しているような気が致します。
・・・将来、愚かな議論で残された時間を浪費していた・・・ってな事になるんでしょうか?・・・CO2削減よりもっと先にやるべき事があった。・・・という事になるんでしょうか?・・そんな反省の前に現代のグローバルな文明は崩壊してしまうのでしょうか?
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