軽率な科学技術妄信
以前、
「自然の再生能力に頼らずに 人間の力で問題を解決すべきだ
その例が下水処理施設だ!・・・大量にエネルギーを使おうが、汚泥を埋め立てようが、 生態系を壊そうが、人間の生活に支障がなければ問題ない」・・・・としつこくコメントを下さった方がいました。・・・ここまで軽率な方はそんなにいないかも知れませんが・・・これこそ軽率な科学万能主義・・でしょう。
大量にエネルギーを投入し、生態系を破壊して、泥を埋め立てに使っていたら、自然の循環はすぐさま止まってしまうでしょう。
下水処理こそ自然の循環をしっかり利用し、廃棄物(生ゴミ、糞尿・・・)を自然の循環に回してやらなければ、再生可能な資源は減り続け、廃棄物は溜まり続け、システムは終焉を迎えるでしょう。そんな施設で人間の生活に支障がでない筈が御座いません。現在の大規模下水処理施設の大部分は近い将来必ず破綻するでしょう。・・・何故なら廃棄物がたまる一方で、埋め立てなどに使っているからです。・・・そんな対症療法的な方法が持続する筈が御座いません。もっともっと自然の循環に逆らわない、自然の循環に沿った、自然環境に負荷をかけない方法でなければなりません。
自然の一部である人間が、自然の再生能力に頼らずに人間の力だけで問題を解決する・・・・と言う発想自体が、自己矛盾を孕んでいます。
産業革命以後、現在に至るまで、ほんのここ200年ほどの科学技術が、まだ破綻していない事を根拠に、人間の科学技術は自然を征服した、人間の技術は自然の循環を無視しても成功を収めた・・・などと言う議論は軽率過ぎると言うものです。
自然を征服しようと言うのではなく、完璧な自然の循環を上手く利用する・・・と言うのが科学技術の真髄でしょう。自然をしっかりありのままに観察し、的確に認識し、その本質を洞察する事こそが自然科学というものです。これからの科学技術はそういう方向に進んでいくべきです。何故なら、自然の循環システムは神業に近く、それ故何億年と続いて来たのですから・・・
- 関連記事
-
-
石油ストーブの退化 2022/12/29
-
集団マッドサイエンティスト 2013/05/23
-
パンドラの箱4 2013/05/05
-
不確実な未来予測に対する断言論調 2012/11/17
-
科学技術の行き着く先 2009/05/29
-
軽率な科学技術妄信 2009/05/25
-
科学の軌道修正 2009/05/21
-