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雑草の言葉

CNに物申す2

2006/10/14
CO2 2
「植物をそのまま置いておくほうが、燃やすよりはいいでしょう?」と、質問すると 
 カーボンニュートラルの推進派は答える(かも知れない)。
「植物が腐ってゆくと最後にはCO2 とH2Oになるから、長いスパンで見ると燃やして燃料にするのとは変わりない。だから、燃料として活用した方がいい。」

 確かに分子の結合エネルギーは負のポテンシャルエネルギーであり、状態量であるから、同じ炭水化物は、燃焼でCO2とH2Oに分解しても、ゆっくり腐 敗してCO2とH2Oに分解しても途中の経過に関わらず、トータルで出すエネルギーは変わらない。勿論出てくるCO2とH2Oの量も不変だ。

 でも、本当に同じか?普通の人は、普通に考えて「違うんじゃないか?」と思うのだが、『科学者』にしっかり説明されて、納得する。そこが危ない。洗脳だ!

 
先ず、環境負荷は同じか? 
腐ってCO2 とH2Oになる段階で、多くの生物が関与して、そのおかげで彼等が生きている。ミミズからカビ、きのこ、最後は細菌まで、の生物。その前にもっと大きな動植物だって腐りゆく植物の恩恵にあずかっている筈だ。
 燃焼ですぐにCO2 と H2Oになったら、その段階を踏まない事になる。生物どうしのつながりの「分解者」を飛ばしている。何か別の問題が起きそうだ。
  先ず、土が無機質になってゆかないか?腐葉土が減り、植物が育ちにくい土にならないか?そして土の中の生態系が崩れてしまう。生物どうしのつながり で論ずるところの「分解者」である、菌類(カビとキノコ)・細菌類の段階を飛ばすのは、生態系への影響が大きいと考えるべきではないか?


 次に、カーボンニュートラルは、植物の寿命の範囲を超えた長いスパンで考えているが、これだけ化石燃料が使われてしまって大気中のCO2が増えてしまった現在、CO2問題をそんな長いスパンで考えてはいけない。
一年草ならまだ納得出来るが、大木は何百年もかけて育ってきたものが多い。その間、CO2を自分の体にして固定して来たのだ。これを薪にしたり、ぺレットにしたりバイオマスにして燃やしても、カーボンニュートラルの原理によって、元のCO2とH2Oに戻ったと言ってしまっていいものか。植樹すれば済む話か?
 CO2による地球温暖化は今世紀前半になんとかしなければならない問題である。そのスパンで言えば、化石燃料を使用したのと余り変わらない。燃料にするよりは木材のままでも炭素を固定しておいた方がいいに違いない。


 それから、私が最も言いたい事は、『バイオマス燃料より、呼吸の燃料』と言う事だ。この場合の『呼吸』とは、生命活動の事。生物がO2を吸って、CO2を出す、『外呼吸』をしているのは、体内で、炭水化物(デンプン、糖)を酸素で燃焼させて、活動のエネルギーを得る『内呼吸』をしているからだ。光合成 でCO2とH2Oから作られた炭水化物が、呼吸でCO2とH2Oに戻る素晴らしすぎる完璧なサイクルが存在するのだ。そして、呼吸のエネルギー変換効率 は、神業的だ。人間の作った機械は呼吸の足下にも及ばない。呼吸ほど、エネルギー変換効率の良いシステムは人間には作れない。


 例えば、ごはん1杯大体200kcalだ。このエネルギーは、風呂の水が200リットルとすれば、このお風呂の水を1℃上げるエネルギーだ。この、炭水化物のエネルギーで、成人の人間は一時間は楽に活動出来る。一方、これを燃焼させて、機械を動かそうとしても、余りに少ないエネルギーの量で、小さなおもちゃを少しの時間しか動かせないだろう。
 ちょっと乱暴な概算だったが、人間の作った機械のエネルギー効率なんてまだそんなものだ。家畜に餌をやって、牛や馬に働かせた方がよっぽどエネルギー効率はいいのである。じゃあ、何故機械を使っているかと言うと、効率を無視して過去の大いなる遺産である化石燃料を浪費しているからだ。
 だから、カーボンニュートラルは、バイオマスエネルギーよりも優先して、生物の呼吸のエネルギーに使うべきだ。これは、当然のことだと思うのだが・・。


 
 私はカーボンニュートラルに反対ではない。(私の言う意味で)しっかり実施すれば大賛成だ。しかし、エネルギー効率と収支、生態系を無視したカーボン ニュートラルは非常に危険だ!「カーボンニュートラル」という言葉が、現在は非常に曖昧で、経済界や工業界で、都合のいいように使われている事を大いに危惧する。

 その危惧の具体例を沢山見つけてしまった。それは次回アップさせて頂く。 
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Comments 2

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村田 頼哉

こんにちは!

「自然の摂理から環境を考える」へのコメントありがとうございます。
早速、紹介のあった記事を読ませてもらいました。
どれにコメントを書こうかと悩みましたが、もっとも自然の摂理=生態系という視点で書かれた『CNに物申す2』にしました。

その中でも特に、
> 『バイオマス燃料より、呼吸の燃料』と言う事だ。<
真髄は、「生態系の一部に人類もいる=自然との一体感(同化)である」ということと理解しました。

まだまだ勉強(認識)不足なことが多く、視点そのものがぶれる可能性もありますので、また記事でおかしいことなどがあったらご指摘お願いします。

==追伸==
ちょくちょく訪問してはいましたがコメントは初めてです。
これからもよろしくお願いします。m(__)m

2006/12/23 (Sat) 16:45

雑草Z

偽環境問題はしっかり駆逐すべき時期ですね

  村田頼哉氏の記事は事実関係の検証がしっかりなされていて、まとめ方も上手く、非常に読みやすく親切です。
 おっしゃる通り、環境問題は市場に飲み込まれています。大変危惧しております。
 村田さんの「現在の環境問題に疑問を持ってもらうためにも、事実の追求や調査などを続けていくことがこのブログの目的の一つ」という姿勢を支持致します。
 個別の環境問題に対して対処法が本当にいいのか、経済優先の為の偽物か、しっかり見極めて、偽の環境問題を駆逐いたしましょう。
 私は、<自然の摂理から環境を考える>は、最近毎日数回訪問させて戴いております。

2006/12/23 (Sat) 20:35
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト、「経済成長信仰」と「科学技術信仰」とによって、飛行船地球号は破裂して墜落を始めるのも時間の問題。
あくせく働いて破局に向かって突き進むくらいなら猫のようにその日暮らしをする方がよっぽどいいではないですか。脱成長によってゆったり暮らすことができる社会の実現を!
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