雑草の言葉

一人っ子政策の弊害?

2013/02/17
Economic Fascism 6
朝、ラジオで「本日の話題は中国の経済成長を大きく妨げるブレーキについて」みたいなことを言っていたので、何を言い出すのかと聞いてみると、なんとそれは一人っ子政策とのことでした。
そのNHKラジオの放送で、解説委員がしたり顔で(・・ラジオですので顔は見えませんが、声の調子で・・)次のような事を言っていました。

一人っ子政策によって、労働人口が減り、さらに大切に育てられた一人っ子は、教育水準も高くなり、労働賃金も高くなってきた。こうして国際競争力も落ち、世界第2位の経済大国にまでなった中国の経済成長の妨げになっている・・・。

あまりにも酷いどうしようもない発想だったので、後から更にネットで検索してみると、

中国の失速は、中国依存度が高い日本や世界経済へも甚大な影響を及ぼす。仮に一人っ子政策を撤廃しても、それだけでは出生率の回復には力不足で、中国の将来に対する楽観的な見通しは大幅な修正が必要

等とさらにとんでもない事を問題視しているビジネスサイトもありました。【中国労働人口、年内に減少へ

このサイトの極めつけは、

少子化が急速に進む中国が、いつまでも高成長を続けるというのは幻想にすぎない。

という1節に凝縮されるでしょう。いくら経済成長の呪縛に洗脳されているとは言え、こんなお馬鹿な事を言う輩(・・「研究者」という肩書き・・)がいるのです。少子化になろうがなるまいが、いつまでも高度経済成長を続けられる国なんてある筈も御座いません。そんな「幻想」を抱いている人がいるのでしょうか?・・・そもそも高度経済成長は素晴らしい事でも目標にすべき事でもありません。それどころか、持続可能性を潰し人類を破滅に導く概念です。

人口増加による食料不足、資源の枯渇、環境の破壊等のほうが遥かに深刻な問題なのに、現代社会は少子化で経済成長出来ない事が大問題・・・等と経済中心にしか考えられない愚かな人々で世界は溢れているようです。「労働賃金が高くなって国際競争力も落ちる」というのも、資本家、経営者側の理屈です。「国際競争の為」という名目で労働賃金を切り詰めて、実際には経営者の儲けばかり増やしている社会が理想な筈がありません。

中国では1950年代に、人口を抑制しなければ食糧難・就職難に陥り、環境に悪影響を与え、人口の増加が経済発展の成果を帳消しにしてしまうと危惧する声があがり、1960年代にはいくつかの都市で実際に計画出産の政策が採用され、70年代末から中央政府が全国的に一人っ子政策を推進し始めました。以降、30年以上にわたり一人っ子政策を継続している中国は、人口増加の抑制に成功した国だと言われています。【やめられない一人っ子政策
人口の年齢構成比率など様々な問題もあると言われていますが、私もこの一人っ子政策は概ね評価しています。20世紀の後半の中国は10年足らずで、1億人以上増えていきました。このように10年もかからずに日本一つ分の人口が増える状態こそ恐ろしい事です。

人口膨張によって起こる食料不足や資源不足、環境破壊は、人口が増え続ける限り絶対に回避できない問題であり、破局に至る事は明らかです。一方、一人っ子政策などによる少子化によって起こる問題は、人口が増え過ぎた現在、必ず乗り越えなければならない問題なのです。

人口が減れば経済成長が出来なくなるから大変だ、経済成長の為に人口を増やし続けろ…みたいな経済成長至上主義者で溢れた現代は、つくづく狂った時代だと感じています。近い将来、こんな狂気の時代があった・・・と言われることでしょう。それが瀕死の状態で言う事にならなければいいのですが・・。
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Comments 6

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guyver1092

主流の思考方法

 このような思考方法が主流であるからこそ、反原発を訴える政党は捨てられているのでしょうね。何を犠牲にして経済成長しているかを認識できている人はほとんどいないのでしょう。もしくは認識していても、政党を選ぶのは別の基準で選ばなくてはいけないと洗脳されているのか。
 原因は何かはわかりませんが、日本人は真に必要な選択をできなかったのですね。次の機会には選べるのでしょうか?

2013/02/18 (Mon) 22:17

雑草Z

Re:主流の思考方法

>何を犠牲にして経済成長しているかを認識できている人はほとんどいないのでしょう

これは酷過ぎる状況ですね。日本に限らず現代人の多くは、集団で破局への道を突き進んでいますね。根本問題は、経済成長の呪縛ですが、ちょっと考えればおかしい事には気が付く筈ですが、公理のように「経済成長を語る経済学者、政治家、財界人からはまともな理性が抜け落ちていますね。

現行の選挙のシステムでは難しいでしょうね。

2013/02/18 (Mon) 22:55

ST

やはりトップダウンは絶望的…

な方法だとすれば私たちはどんな選択をすればいいか?
他の方法が「ボトムアップだ」とすれば何が適するのか?
例えば「個人的な領域だけでもプラウト志向に変える」とかで緩和する事が出来るのか? それが拡大すれば解決の道に
なるのか? とか色々考えが出てきますが…
ポトムアップでの方法と言っても地道にやるしかないし…
じっくり浸透していくのを待つしかないのでしょうかね。
「経済成長第一主義」から“ポストそれ”への転換は困難?

2013/02/19 (Tue) 08:48

雑草Z

Re:やはりトップダウンは絶望的…

トップダウンもボトムアップもそれぞれ効果的は期待できる方法だと思います。日本の現行の選挙制度では、財界や経団連大企業の傀儡政権になる場合が殆どで、脱経済成長の方向に舵を切る事は難しいでしょうね。独裁国家のほうが、そのような思い切った政策転換が可能でしょう。
 キューバやラテンアメリカの国家は大きな可能性を秘めているかも知れません。ドミニカ共和国のポアキン・パラゲールは独裁者の理想形の一つだと思います。
【パラゲール再び!】2007-09-25
http://zassou322006.blog74.fc2.com/blog-entry-220.html

>「経済成長第一主義」から“ポストそれ”への転換は困難?

今世紀の遅くない時期に転換せざるを得なくなるでしょうが、「大きな犠牲」の後になる可能性が高そうで怖いです。

2013/02/19 (Tue) 21:10

ほとけの提言

心が腐っている

昨年の衆議院選挙で、共産党の「経済発展が重要」と言う政策を何度も、問いただしてみましたが彼ら自身、固執していて議論になりません。(根拠なしで)経済が下がれば貧困になり、軍国化に移行する(世界の常識)などと言っていました。環境問題には一切触れません。フエイスブックで常に唱えても、今の便利な生活を、変えたくない様子で私の投稿を見て見ぬふりです。心が腐っています。腐っているので果物みたいに伝染するのです。いつか、どこかで大変な事柄が起きたら目覚めます。その時がチャンスだと思います。その時のために、今から準備しておく事しか対策はないと思います。自分自身で、自然循環形生活を実践しながら・・・・・

2013/02/21 (Thu) 10:56

雑草Z

Re:心が腐っている

    ほとけの提言さん

 共産党への質問、お疲れ様です。「経済発展が重要」などと言っているようでは、折角脱原発を早くから掲げていた共産党でも文字通り話になりませんね。旧態依然とした自民、民主と根で一緒です。右だろうが左だろうが、現在大多数の経済成長を掲げている政党は、愚の骨頂ですね。
「心が腐っている」という表現が適切かどうかは疑問ですが、洗脳され切っていると言う事ですね。

>いつか、どこかで大変な事柄が起きたら目覚めます。

そうですね。まともな理性があれば、現状だけでも十分に気が付かなければならない事でしょう。この期に及んで「経済成長」の呪縛から逃れられない人々は、狂気の沙汰です・・・それを「心が腐っている」と表現されたわけですね?

>その時がチャンスだと思います。その時のために、今から準備しておく事

はい、その通りですが「大変な事」は連鎖するでしょうから、「その時」が「既に手遅れ」にならないで欲しいものです。綱渡りのような状態になりそうです。

2013/02/22 (Fri) 06:24
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト、「経済成長信仰」と「科学技術信仰」とによって、飛行船地球号は破裂して墜落を始めるのも時間の問題。
あくせく働いて破局に向かって突き進むくらいなら猫のようにその日暮らしをする方がよっぽどいいではないですか。脱成長によってゆったり暮らすことができる社会の実現を!
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