雑草の言葉

国際競争力

2013/02/23
Economic Fascism 16
ここ何年もの間、「国際競争力を高めなければ日本は生き残れない」「落ちた国際競争力を取り戻さなければならない」と言った主張が日本のあちらこちらで沢山見受けられます。特に自民党政権に戻り、アベノミクスなどと経済再生が最も重要な政策のように強調されるようになってからは、国際競争力を取り戻せと声高に叫ばれています。大手マスコミもアベノミクスを持ち上げて国際競争力をつける為に色々と論じています。(実はその手の記事を見つけても、ちょっと読んだだけで続きを読む気が致しません。)
IMD (International Institute for Management Development)のデータによりますと、バブルの頃は世界一だった日本の国際競争力は、バブル崩壊以降下降線をたどり、21世紀に入ってからは、20番台くらいを推移して、辛うじて30番台に落ち込まない状況です。(・・・IMDのデータがそれほど信頼できるとは思いません。順位も算出の仕方によって5番10番くらいは直ぐに変わるでしょう。・・・30番より下になったとしても騒ぐ必要もないと考えます。)
ここで国際競争力の再生を叫ぶ人達は、どんな方策を主張しているのかとネットで検索してみると、
ICT[Information and Communication Technology;情報通信技術]を十分に活用するとか、インフラ輸出を強化するとか、いかにも「切り札」のような表現で論じていますが、それって他の多くの国でも取り組んでいる事でしょう。現在、日本がその分野で他国に秀でているとは考えられません。限られた特殊技術以外では「日本の技術が世界一」と言う時代は終わりました。(・・高度経済成長時代からバブル時代までも、オリジナル技術でずば抜けて秀でていたわけではありません。・・・)バブル崩壊以降、国際競争力を取り戻すべく様々な提案がなされ、ことごとく失敗しています。(小さな成功例も沢山ありますが、国全体としては成功とは言えません。)
技術革新や新たな分野の開拓という、どこの国でも力を入れている方策以外で残る方策は、規制・制度改革という事になります。その内容も様々ですが、資本家、経営者達は、高コストでは国際競争に勝てないと主張して、法人税の引き下げを要求し、更に人件費の引き下げによって製造コストを引き下げようとしています。韓国や中国、インドなどのいわゆる新興国に、技術面でも追いつかれたり追い抜かれたりしている現在、資本家や経営者は抽象的な言葉でお茶を濁していますが、ストレートに言えば、コストカットしなければ国際競争力を取り戻せないと言いたいようです。その証拠に、企業の経営陣は、それらが達成されなければ、会社の拠点を海外に移すと言って脅しています。
コンピュータの導入などによって、商品の品質に差が出にくくなった現在、同じ品質の商品をどれだけ安く売るか・・・が競争のメインになっています。その場合、人件費の高い日本は大きく不利になっています。だから中国や東南アジアの新興国並みにまで賃金を下げる・・・というのが経営者達の言い分です。賃金カットは既にかなり以前より行われていて、ワーキング・プアなど深刻な問題が発生しています。
現在日本は、他国の低賃金の為に国際競争力が無くなったと騒いでいますが、日本自身が低賃金によって国際競争力を付けたと言う歴史があります。1950年代から1970年代にかけて日本が国際競争力を付けて経済大国にのし上がったのは、当時の日本が欧米諸国に比べてかなり低賃金で、勤勉に働く労働者が沢山いた事が大きな要因です。当時の日本製品の多くは欧米の製品よりも品質が良いわけではなく、安いから売れた・・という要素は大きかった筈です。当時の 「安い日本対高い欧米」 という構造が 現在は 「安いアジア諸国対高い日本」 と言う構造に変わった事は大多数の人が共通認識しているところです。

「国民が豊かになる為に国際競争力をつけなければならない」と主張している人々が、「国際競争力をつけるために賃金カットする」と主張するのは主客転倒でしょう。資本家達は、賃金カットによって国際競争力が付いたら、また賃金を上げる・・・と言っているようですが、賃金カットで国際競争力が付いたら、他の国もまた更に賃金カットに動き賃金カットのスパイラルが起こり、賃金のベースがどんどん下がって来ます。・・もう既に起こっています・・経済のグローバル化が進んだ現代社会は、世界中が賃金カットによって国際競争力をつけようというとんでもない動きになっています。
そして、経営陣の役員報酬もカットされる場合もありますが、日本をはじめ多くの国では役員報酬は増える傾向にあります。つまり、国際競争力の強化の本質は、労働報酬のカットであり、そのカットした分を国際競争力を付けるために使うという体のいい文句で、実際に一部は役員報酬に回しているのでしょう。つまり格差是正の体を装って、格差も助長しているのです。
グローバルに過酷な安売り競争をして、労働者の賃金を下げ、輸送に大量のエネルギーを使って環境破壊を促進する・・・国際競争力の強化の本質はこんなところだと考えます。これからの国家として大切な事は、国際競争力をつける事では無く、自給力をつける事です。
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Comments 16

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ST

食料とエネルギーでは…

到底、根本的に「競争力を付ける」のは無理ですし…
技術も細かい品質の差以上に価格が優先になりがちで
競争力が本当にあるものはちょっと見当たりません。
超画期的な資源(エネルギー資源含む)の節約法などが
独自で開発出来た… でない限り技術もドングリ状態…
「殆ど資源がなくても準鎖国状態でイケル方法」とかが
考案されない限り日本はただ節約に邁進するしかない。
段々歴史を遡るが如く、消費削減に努力するのみかと…
正直言って「日本にはもう太陽の恵しか」残されてない。
ちょっと極論かも知れませんがいずれはそうなる宿命…
その辺から「安全保障」を組立て直す時期が来ている。
競争力には「物価水準、購買力平価、ジニ係数とか色々」
関わってくるのでそう簡単には解決付かない問題ですね。
まぁ、これからの日本は“経済戦時下状態”なのかもね…

2013/02/24 (Sun) 13:49

guyver1092

根本的な問題

 根本には、科学技術の発展の限界がすぐそこにあることでしょうね。現代科学は石油文明ですが、石油文明は石油の能力以上の事は出来ないでしょうから、世界中が同じ条件で同じものを競っても、差をつけることが出来るのは価格だけでしょうね。
 価格で差をつけるために、小泉内閣以来労働配分を削ってきたわけですが、愚かな資本家はそれをすると、内需がその分減ることを全く気付かなかったために、デフレスパイラルになりました。
 まだそれを続けようとは、愚かの極みですね。ただし別の見方をすれば、経済が縮小する政策ではあるので反経済成長としては良い政策かもしれません。

2013/02/24 (Sun) 21:36

雑草Z

Re:食料とエネルギーでは…

    STさん

 記事の主旨とほぼ同じ内容を、本記事よりも大胆に、しかも的確に表現したコメント有難う御座います。

>到底、根本的に「競争力を付ける」のは無理
>技術も細かい品質の差以上に価格が優先

ここまですぱっと言い切った方が記事としては説得力がありますね。

>「殆ど資源がなくても準鎖国状態でイケル方法」とかが
考案されない限り

望む望まざるに関わらず、いずれ準鎖国状態はしなくてはならなくなるでしょう。だから、少しずつ国内での自給自足を増やしていかなければならないのに、いまだに輸出拡大戦略を考えている政府は自爆政策をしているようです。

>消費削減に努力するのみ

現在もふような消費=浪費がかなり多い状態ですから、消費削減も必要でしょう。

>「日本にはもう太陽の恵しか」残されてない。
ちょっと極論かも知れませんがいずれはそうなる宿命…

日本に限らずこの事を共通認識としなければなりませんね。理性で考えれば当然の事ですし、多くの人が気が付いている筈ですが、政治家や財界人は殆ど全くと言っていいほど顧考慮していませんね。

>これからの日本は“経済戦時下状態”

凄い表現ですね。日本の多くの経済アナリスト達よりも遥かに理性的な洞察だと思います。

2013/02/25 (Mon) 21:23

雑草Z

Re:根本的な問題

    guyver1092さん

>石油文明は石油の能力以上の事は出来ないでしょうから、世界中が同じ条件で同じものを競っても、差をつけることが出来るのは価格だけ

 これまた本記事よりも根本的な部分を的確に、説得力のある表現をされていますね。

>労働配分を削ってきたわけですが、愚かな資本家はそれをすると、内需がその分減ることを全く気付かなかったために、デフレスパイラルになりました。

日本の労働者は生産労働力でありかつ消費者であるのに、国際競争にばかり目が行って賃金カットに走って国内需要を減らしたと言う事ですね。先ずは内需を賄うのが基本ですね。

>ただし別の見方をすれば、経済が縮小する政策ではあるので反経済成長としては良い政策

この御意見、一番重要ですね。全くその通りだと思います。確かに結果として経済縮小策になります。内需が減って、だからと言って輸出も増やせなくなる・・・日本政府としては最悪のシナリオでしょうが、日本の進む方向としては理想の展開かも知れません。

2013/02/25 (Mon) 21:34

ST

食糧自給(食糧利用率)の向上法…

エネルギー資源も限られてますのでまず「システムのソフト的な改変」と同時にそれに見合うハードの移行が必要です。
食料業界ぐるみの「コペルニクス的改編」も必要でしょう。
その“基礎”となるのが国民意識の変化なのですが期待薄…
まぁ、虫食いボトムアップ様式でしか変われないのかも。
私としては「プラウト経済的」な新イデオロギー? に収束する
のではないかと予測してます。またそれ以外の好い解決法は無い
のではないかとツクヅク考えている昨今なのですが…
エネルギー事情の逼迫から考えても同様な答えが出てくる…
ただそれが数十年先になるのか否かは「混乱度次第」かも、
人間のやり方次第では折角の療法が思いも因らぬ所で頓挫しかねない、
余程手綱を締めて懸らないといけませんね…
全く違う面で「競争」するしか手がない日本だと思います。

2013/02/28 (Thu) 12:44

雑草Z

Re:食糧自給(食糧利用率)の向上法…

    STさん

 またまた私の使わない表現での大胆で説得力のある御意見有難う御座います。STさんは造語も得意ですね。

>虫食いボトムアップ様式

という表現は、実現の可能性として、言い得て妙です。

>「プラウト経済的」な新イデオロギー? に収束する

前にもこのような事を言ってらっしゃいましたが、どのような収束なのでしょうか?短くは難しいでしょうけれど、感覚が掴めません。宜しければご説明を!

>それ以外の好い解決法は無いのではないかと
>エネルギー事情の逼迫から考えても同様な答えが出てくる

との事で、興味深いです。

>ただそれが数十年先になるのか否かは「混乱度次第」

このような複雑系カオスに定量的な予測は不可能でしょうけれど、今世紀中という事はほぼ確実に思います。

>全く違う面で「競争」するしか手がない

これも興味深い内容ですが、表現が抽象的で具体的にはどのような競争を考えているのでしょうか?





 

2013/03/01 (Fri) 23:58

でなしNo.146

僕も自給力がほしいです。

>国際競争力をつける事では無く、自給力をつける事です。

僕も同じ意見です。

今回の記事の賃金カットの話はもっと多くの人に気づいてもらいたいお話です。

企業でも役員クラスの給料は上がっているということにフォーカスすると、リーマンショックの直前までの戦後最長の好景気は「一般人には実感できない好景気」でしたが、この好景気のお金は企業の内部保留と役員クラスの報酬にまわされていたという現実があると思います。

そして、リーマンショック後に被害を受けたのは報酬を受け取っていた役員ではなく、末端の労働者でした。

非正規雇用のクビを切られた人たちに対して、国際競争力をつけるための雇用の調整弁なんていうヒドイお話もありました。

僕らが気づかなければいけない事実の一つに、すでに一般人は「賃金で好景気を実感することすらできない」状況になっているということがあります。

好景気になれば役員報酬が上がり、不景気になれば労働者の賃金(人員)が削られる。
もう一つ言うと、賃金が削られて日本人労働者が辞めた仕事は外国人労働者に回されています。

企業の本音は労働者を切りたくて仕方がない。
特に海外展開してる企業は。


こんなすごい状況の中で、ふわふわ生きている人が多すぎます^^;
なんか耳障りの悪いお話で耳鉄砲になりがちですが、自分の子供が働く頃には、もっとえげつないことになっているでしょう。(会社も環境も。)
こういうお話は、どこかの国の誰かの話ではくて、自分(と子供達)に襲いかかる現実、自分の物語だと受け取ってほしいですし、どんどん広めていっていただきたいです☆

なんだかアツくなりすぎましたが、国家が自給力をつけることはこれからさらに大事になるでしょう。
そして、個人が会社をクビになっても生き残れるような状況を作り出すことも大事になると思いました。

個人の自給力の向上を目的とした互助システムというか、仲間作りというか。
家庭菜園や農家の友達を作るとか、その友達に畑や田んぼを借りて作物を育てるとかでも良いでしょうし。
その辺りはまだ構想中ですが、やっぱり地域コミュニティの再定義ってことになっていくのかもしれないです。

その総体が「国家の自給力の向上」につながると考えます。

2013/03/03 (Sun) 22:43

ST

「プラウト的…収束、国際競争力」概論?

プラウト的なものに収束…

食糧など国内生産が可能な物に対しては自給率を高め、
エネルギー等自給困難な場合も出来るだけ自給を進め、
同時に節約のノウハウを蓄積しながら持続性を高める。
と言う事だと考えています。

国際競争力…

“その為の”「ノウハウ」を国際競争力の“売り”に
出来るような方法の推進や誘導を行う方向となります。
具体的には再生エネルギー・再生資源の効率的な回し方、
資源の節約や有効な利用方法の新技術の開発等ですね。
それらの“知的財産”を「武器」として収入を得る方法、
それらで内需や外需(含むソフト)を引き寄せる方法です。

実際には…

現在の既得権益でガンジガラメだと推進がかなり困難で
何か「決定的な事柄」がなければその方向へは行けず、
その方向に向く為の「産みの苦しみ」を数度となく体験
しなければならないかも知れません。
方向転換の為のそれ(苦しみ・苦難)が“破局的なもの”
とならないとも限りませんが…

言わずもがなプラウト的なやり方でなくても自給力や
節約のノウハウ等はどの体制でも追求して行きますが
とりわけこれからの資源や人口問題がシビアになり、
問題が多々生じると思われる現代ではより重要かと…

2013/03/04 (Mon) 16:25

雑草Z

Re:僕も自給力がほしいです。

    でなしNo.146さん

お久し振りのコメント有難う御座います。

>今回の記事の賃金カットの話はもっと多くの人に気づいてもらいたいお話

「技術立国日本」等言われていますが、(そもそも技術力だけで他を圧倒した時代が日本にはあったのでしょうか?)工業技術で他国を圧倒する事は、現代のような情報化社会では中々出来ない事でしょう。新しい技術も直ぐに盗まれたり真似されたりします。コンピュータが他国でも日本と同じ技術力を持つ事を可能にしました。それによって国際競争力の主はコストになりました。
 本文にもありますように、国際競争力をつける為にはコスト削減が必要で、賃金カットがそのメインになっていますね。

>リーマンショックの直前までの戦後最長の好景気は「一般人には実感できない好景気」

確かにこの戦後最長と呼ばれた好景気は、殆どの庶民が実感出来無かったと思います。成長率もかなり小さく、無理に作った感もありましたが、

>この好景気のお金は企業の内部保留と役員クラスの報酬にまわされていたという現実

ですね。一億総中流時代と言われた日本が、この好景気によって格差社会に変わっていったのでしょう。

>非正規雇用のクビを切られた人たちに対して、国際競争力をつけるための雇用の調整弁なんていうヒドイお話もありました。

これはいまだにある悪習ですね。・・というよりも以前よりも酷くなっているように感じます。大きい会社の役員からはっきりと「派遣社員」は可哀そうだけど、雇用の調整の為に正社員にはしない・・・というお話を直接聞いた事があります。

>「賃金で好景気を実感することすらできない」状況になっている

労働者はアメリカ並みに資本の一つとして扱われるようになってきましたね。資本主義の末期症状でしょう。

>こんなすごい状況の中で、ふわふわ生きている人が多すぎます^^;

ずっとふわふわ生きていけるのならば、それはそれでいい事でしょうが、労働者は突然解雇されたり賃金カットされて生活が苦しくなっていく人が多いでしょうね。

>なんだかアツくなりすぎましたが、

でなしNo.146 さんは、賃金カットの話や格差社会になった日本に関して大きな危機感を持っていらっしゃるようですね?おそらくアベノミクスにも大きな憤りを持っていらっしゃるのではないでしょうか?本日(2/5)アップの記事、【アベノミクスの功罪】にも是非ともコメント下さい。

>個人が会社をクビになっても生き残れるような状況を作り出すことも大事

そうですね。現在、多くの業界で企業の再編が為されていますが、合併吸収が進み、寡占の大企業の時代になってきています。(独占禁止法は作動しているのでしょうか?)大企業に所属しなければ生き残れない方向に進んで欲しくないものです。その為にはやはり

>個人の自給力の向上を目的とした互助システムというか、仲間作り

は大切ですね。「半○半農」が増える事が望ましいですね。

>その辺りはまだ構想中ですが、

構想がある程度ま止まったら教えて下さい。

2013/03/05 (Tue) 21:50

雑草Z

Re:「プラウト的…収束、国際競争力」概論?

    STさん

 丁寧なご回答有難う御座います。
    
 私とSTさん は、目指すところは一緒ですがアプローチの仕方、方法が少し異なるのかもしれませんね。STさんのアプローチは、私から見て斬新なものが多く、参考になります。

私はプラウドに関して学んだことが無いので、感覚が掴めなかったのだと思います。

>それらの“知的財産”を「武器」として収入を得る方法

個人レベルでは十分に可能でしょうが、国家としてはかなり難しいでしょう。でも、日本のアニメやゲームは知的財産権として、大いに収入を得ていますね。

>何か「決定的な事柄」がなければその方向へは行けず、

一昨年前の原発震災でさえ、パラダイムシフトに向かうきっかけにはなりませんでした。このままではもっと大きな時代の荒波にのみ込まれそうです。

>方向転換の為のそれ(苦しみ・苦難)が“破局的なもの”とならないとも限りませんが…

これは非常に危惧されるところです。人類は破局が始まるまで気が付かない愚かな存在なのでしょうか??

2013/03/05 (Tue) 22:00

ST

(日本人が特に…)「気が付かない愚かな存在」なのかも…

>私とSTさん は、目指すところは一緒ですがアプローチの仕方、方法が少し異なるのかもしれませんね。
STさんのアプローチは、私から見て斬新なものが多く、参考になります。
私はプラウドに関して学んだことが無いので、感覚が掴めなかったのだと思います。

私の考察、思考方法はまさに多角的でマルチにやってますよ、言及した部分も勿論その一部です。
その他にも代替エネルギー等とか果ては宗教的な部分にかかる問題や心理学、哲学、更にはPSI?!まで…
それと「プラウド」では無く「プラウト」ですのでよろしく…

>>それらの“知的財産”を「武器」として収入を得る方法
>個人レベルでは十分に可能でしょうが、国家としてはかなり難しいでしょう。
でも、日本のアニメやゲームは知的財産権として、大いに収入を得ていますね。

細かい処の工夫やノウハウを紹介する部分と「体系的なものを商品化する」部分があると思いますが…
個人的にやり易いのはどうしても前者となると考えています。知的共有を如何に進めるかも重要かと…
国家としての部分で出来ることは個人にしろ組織にしろそれらのアシストやバックアップがその役目で
支援や援助、各制度の優遇化などが大切になるのではないでしょうか? 時には徹底した傾斜も必要と…

>>何か「決定的な事柄」がなければその方向へは行けず、
>一昨年前の原発震災でさえ、パラダイムシフトに向かうきっかけにはなりませんでした。
このままではもっと大きな時代の荒波にのみ込まれそうです。

震災の部分だけでも従来の手法では不十分な点が多々ありますねぇ… 原発など目も当てられない状況。
さらにと言うと戦火や二次対戦前夜の「ABCD包囲網」程度が来そうでも中々反応出来ない程鈍感かも…

>>方向転換の為のそれ(苦しみ・苦難)が“破局的なもの”とならないとも限りませんが…
>これは非常に危惧されるところです。
人類は破局が始まるまで気が付かない愚かな存在なのでしょうか??

うーん、A国の傘下の国は特に身動きが取りにくいでしょう、エネルギーを浪費して経済優先ですから…
WWIIIになり「ハルマゲドン」がそのまま来てしまうのか否か… 意外とここには宗教が絡んで来るかも。
中東系と西欧系とアジア系の3極の体勢の優劣とかが影響してくるのではと考えています、金融等含め…

そこで…
あくまで私見なのですが何となく「日本が脱皮出来るか」が意外と“キー”となるような感がしてます、
一番危惧しているのは「日本人の危機に対する鈍感さ」あたりでして、プラウトの鍵でもありそうです。
尤も、完全に(殆ど99%以上の人々が)鈍感になるように今まで“洗脳”されてきた歴史がありますし…

2013/03/07 (Thu) 10:47

雑草Z

Re:(日本人が特に…)「気が付かない愚かな存在」なのかも…

    STさん

 今回のSTさんのコメントを読んで、多角的でマルチとしてもやはりアプローチが私とは異なると思いました。

プラウトに関しては、先のコメントに書いたように知りませんから批評は出来ませんが、STさんのコメントと、ネットで一口かじった感じですと、今のところごくりと飲み込もうとは思いません。ちょっと距離を置きたい感じです。

>プラウト的なものに収束…

と考えるSTさんは、脱成長などに関して何か他とは違った説得力があり、プラウト的なものによって大きなうねりを作る事が出来るスペシャルな何かがあるとお考えですか?

>何となく「日本が脱皮出来るか」が意外と“キー”となるような感がしてます 

江戸時代に太陽エネルギーだけで回る循環社会を築き上げた日本が先頭を切って脱皮できる可能性は否定出来ませんが、仰るように、今は経済成長どっぷりに洗脳された国民だらけですから難しいでしょうね。

2013/03/08 (Fri) 20:05

ST

「スペシャルな何か」とは

特に日本人の様に逆方向に洗脳されてしまった人々の場合、
「破局的な出来事」までに進まないとそうならないのでは?
とも考えています。
譬えば福一の真相がもっとずっと深刻で“破局的”なのだ
と言う事が周知された場合でしょうか…
(それ程度でも“覚醒”は無理??なのではないかと危惧しておりますけどね…)
それ以上となると災害での首都直下とか同時東南海とか、
あとは朝鮮が引き金となるWWIIIとかの「大破局級」かと…
その程度となると経済(金融や食糧、エネルギー)問題まで著しく
「巻き込まれる」のではないでしょうかねぇ… まるで“戦前”の如くに…
そこから「裸一貫」で立て直すとしたら当然「プラウト的」以外の考えは無いのでは?
と考えています。

尤も「一早くそれらの事に気づき」軌道修正、方向転換が出来ればそれが一番好い方法だと思います。
ややもすると「アベノミクス」をきっかけに庶民の暮らしが疲弊し(決して好ましくはありませんが)、
「準戦時状態」にでもなれば“それ”が正しく「怪我の功名」になるのではないでしょうかね…

私見として…なのですがもし紙幣を増刷して国債を日銀に
無制限に買ってもらうやり方しか無いとしたら、その全てを
「プラウト的傾斜」をつけた形で予算かして貰いたいです。
(次善としては環境保護と国民生活主体支援への傾斜かな?)

2013/03/09 (Sat) 16:14

雑草Z

Re:「スペシャルな何か」とは

>特に日本人の様に逆方向に洗脳されてしまった人々の場合、「破局的な出来事」までに進まないとそうならないのでは?

そうですね。もしくは、多くの人がその破局の正しい恐怖を認識出来れば・・・パラダイムシフト出来るかも知れませんね。やはり正当な恐怖心こそが現実的被害を小さく抑えられるでしょう。・・正当な被害予測という事になりましょう。日本人というよりも現在、世界の大半の人間が経済優先に洗脳されていますね。

>そこから「裸一貫」で立て直すとしたら当然「プラウト的」以外の考えは無いのでは?

この辺が、プラウトを知らないものからすれば、論理の飛躍があるように感じます。どの部分がプラウトで無ければ駄目なのかが分かりません。

>「アベノミクス」をきっかけに庶民の暮らしが疲弊し「準戦時状態」にでもなれば“それ”が正しく「怪我の功名」になるのではないでしょうかね…

そうですね。それこそ【アベノミクスの功罪】の記事で述べているアベノミクスの「功」の部分です。皮肉も込められていますが・・・

>「プラウト的傾斜」

も分かりません。この辺りの話は、そう表現すれば通じる話なのでしょうか?
ST さんはプラウトに関してはどのように学ばれたのでしょうか?海外仕込みの匂いもします。

2013/03/11 (Mon) 20:28

ST

うまくご説明出来たかいささか心もとなく…

>>特に日本人の様に逆方向に洗脳されてしまった人々の場合、
「破局的な出来事」までに進まないとそうならないのでは?
>そうですね。もしくは、多くの人がその破局の正しい恐怖を認識出来れば・・・
パラダイムシフト出来るかも知れませんね。
やはり正当な恐怖心こそが現実的被害を小さく抑えられるでしょう。・・
正当な被害予測という事になりましょう。
日本人というよりも現在、世界の大半の人間が経済優先に洗脳されていますね。

この辺は「もしそうだとしても自分の生きている間には起こらない、大丈夫。」
と思っている場合もあるとは思いますが、大部分は「洗脳の影響」でしょうね。
世の中の「経済優先」の中に“不都合な真実”が多数ある事さえ伝えられていません。


>>そこから「裸一貫」で立て直すとしたら当然「プラウト的」以外の考えは無いのでは?
>この辺が、プラウトを知らないものからすれば、論理の飛躍があるように感じます。
どの部分がプラウトで無ければ駄目なのかが分かりません。

当然、「裸一貫」とすればまず食糧(と災害の場合は住居も)がまず最初となります。
崩壊後だとすればどうしても自給自足が必要となります。(ここがプラウト的では?)
そこで一里四方での確保が必要となるのではないでしょうか? (移動も困難なので…)
外部(移入、輸入)からの調達は周辺も同様な状況ならばまず困難となるのは必至です。
これらは終戦直後の日本を顧みれば自明の事では? 当時、まずは食糧難でしたから…

※この想定は終戦直後を想い想定したものなのでそこまで行く確率は超低いのでは?
とも考えていますが、超巨大災害まで考えるとあながち誇大とは言えない気がします。

当然食糧以外でも調達困難となれば自給自足をせざるを得ませんので準じる問題かと…
またもし突発的な出来事が原因で無い場合でも今後の事を考えると必要性を感じます。


>>「アベノミクス」をきっかけに庶民の暮らしが疲弊し「準戦時状態」にでもなれば
“それ”が正しく「怪我の功名」になるのではないでしょうかね…
>そうですね。
それこそ【アベノミクスの功罪】の記事で述べているアベノミクスの「功」の部分です。
皮肉も込められていますが・・・

もし「小功」だとしても引き起こされる結果次第では大きなマイナス評価のみ残るかと、
切り傷程度ならいいのですが瀕死の重傷で危篤状態では間尺に合わなくなる気がします。


>「プラウト的傾斜」 も分かりません。この辺りの話は、そう表現すれば通じる話なのでしょうか?
ST さんはプラウトに関してはどのように学ばれたのでしょうか?海外仕込みの匂いもします。

すみません、「プラウト的傾斜」という言葉は私の“造語”って言う感じの言葉でして…
「環境(勿論生態系等含みます。)や文明の持続的な継続(サスティナビリティ)に役立つ方策的な」
と言う意味で使ったつもりなのですが説明不足と言うか何と言うか、どうもすみませんでした…
例えば生産品目や量、生産方式等で環境負荷をかけずに運用する方策に集中するような「傾斜手法」…
ただの私論ではありますがそれを「プラウト的傾斜」と呼んでいいのではないかと考えている次第です。

※どの様に学んだのか…
最初に耳にしたのは確か放送大学でだったと思います、暫くの間失念していたのですが偶然?
ネットサーフ中に「再発見」、少し細かく調べてみようと思った程度の知見?しかないのですが…
それまでに興味を持っていた環境問題とか諸々、福一の事故等の事も考えつつ再探求しています。

うまくご説明出来たかいささか心もとなく思っております。
私の稚拙な論考でご理解頂けるか心配しながらの書き込みです。

2013/03/12 (Tue) 17:00

雑草Z

Re:うまくご説明出来たかいささか心もとなく…

    STさん

 こちらでも色々検討して頂き、長いお返事有難う御座います。

>「もしそうだとしても自分の生きている間には起こらない、大丈夫。」と思っている場合もある

それが強いですね。殆どの人が・・私も・・「自分(の時代)だけは大丈夫」と言うオプティミズムがありますね。そしてそこには大した理性的根拠はありません。これも一つの「洗脳」でしょうね。テレビなどで毎日能天気な番組をやっていれば、「世の中このような平和がずっと続く」のような刷り込みがされるでしょうね。

>世の中の「経済優先」の中に“不都合な真実”が多数ある事さえ伝えられていません。

本当に許されざる“不都合な真実”が沢山ありますね。マスコミは財界の傘下ですからなかなか報道しませんね。

>崩壊後だとすればどうしても自給自足が必要となります。(ここがプラウト的では?)

ここで「自給自足」でいいと思いますが、何故よくわからない「プラウト的」と言う言葉を出すかが良く判りません。

>この想定は終戦直後を想い想定したものなのでそこまで行く確率は超低いのでは? とも考えていますが、超巨大災害まで考えるとあながち誇大とは言えない気がします。

いやいや、超巨大な天災などが起こらなくても、持続可能な限界を超えた現代社会はこのままでは、日本を始め多くの国で大量の飢餓が発生するでしょう。

>切り傷程度ならいいのですが瀕死の重傷で危篤状態では間尺に合わなくなる気がします。

そうですね。私がこのサイトでいつも懸念しているところです。

繰り返しになりますが、何故「プラウト」と言う言葉に拘るのでしょうか?プラウトが先駆者で、その手の考え方を「プラウト的」と総称するのなら、私の不案内ですが、今までここでも論じてきた各論を総称して「プラウト的」と言う事には違和感を感じます。

 やはり第3者の方の「プラウト的」と言う表現に対する感じ方も御伺いしたいところです。

2013/03/12 (Tue) 23:20
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト、「経済成長信仰」と「科学技術信仰」とによって、飛行船地球号は破裂して墜落を始めるのも時間の問題。
あくせく働いて破局に向かって突き進むくらいなら猫のようにその日暮らしをする方がよっぽどいいではないですか。脱成長によってゆったり暮らすことができる社会の実現を!
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