集団マッドサイエンティスト
しかしそれから200年近くたった現代は、19世紀のSFによる警告も虚しく、実際にマッドサイエンティスト達が出現して、世界を大きな危機に陥れていると感じているのは私だけではないでしょう。
20世紀になって実在した科学者達の中で後にマッドサイエンティストと言われるようになった科学者達は、ナチス・ドイツで人体実験を行った医学博士や、原爆を作って日本に投下した原子物理学者などです。
しかし彼らと並ぶ、若しくはそれ以上のマッドサイエンティストは枚挙に暇がないでしょう。原爆と本質的に変わらないのに「平和利用」の謳い文句で、危険極まりない不完全技術のまま実用化までしてしまった原発を推進し、研究を続けている原子力の研究者達。そしてバイオテクノロジーの研究者達・・。ターミネーターテクノロジーなんて本来封印すべき狂気の技術であり、まともな人間のやる事ではないでしょう。
現代のマッドサイエンティストの始末が悪い点は、それが一人のマッドサイエンティスト単独の研究では無いと言う事です。巨大な組織に属する沢山の科学者達が、みんなでそのマッドテクノロジーを研究しているのです。刹那的な企業の利益の為に尽力する、金で雇われた科学者集団が作られました。これを集団マッドサイエンティストと呼ばせて頂きます。彼等は組織の論理により、個人のモラルを捨て、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」式に、自分だけでない事を言い訳にして、どんどん地球に負の遺産を作っているのです。もしかしたら、そんな負い目も感じず、本当に世の中の役に立つ事をしていると思っている輩も少なからずいるのかも知れません。21世紀は、企業や組織に飼い馴らされた集団マッドサイエンティスト達によって、後戻りのできない危険な領域に入り込んでいると言えましょう。
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・・・・因みにウィキペディアの『マッドサイエンティスト(Mad scientist)』の項目には、最初に「この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。」と、注意書きがありますが、なかなかしっかりした内容で、私が今回の記事で言いたかった内容とかなりオーバーラップしています。・・・
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