雑草の言葉

降りるほうが困難ではない…寧ろ楽!

2014/01/05
都市/文明 4
現代の経済成長主義の社会が存続する事は不可能です。近い将来(・・定量的な未来は予言出来ませんが、遅くとも21世紀中でしょう。)転換を迫られる事は間違いありません。既に(GDPの増加率で定義される)経済成長は限界に近づき、各地で歪みが出て来ています。それでも無理やりに経済成長を達成しようとすれば、恐怖に満ちた大崩壊が起こるでしょう。この事は、昨年暮れの記事【恐れ】、【本当の恐怖を体験するまでは降りられないか?】に描きました。それを避ける事・・・ソフト・ランディング(=衝撃が少ないように徐々に経済縮小する事)する事も既に難しい状況であることも述べました。然し兎も角、その衝撃を出来るだけ小さくするソフトランディングに近づける事が大切です。当方のスタンスとしては、出来るだけ早い時期に素早く経済を縮小するのがよいと考えてます。3.11の原発震災より以前に【降り方を考える】で述べています。そう、この期に及んで「更なる高度経済成長」を・・などと主張する事は愚の骨頂であり、今は素早いソフト・ランディングで経済縮小を目指す時べきなのです。

経済が縮小すると、社会に大混乱が起きて、沢山の企業が倒産するのではないか?・・多くの人々が職を失うのではないか?と不安に思う人も沢山いる事でしょう。だから反対する人が現在の主流派でしょう。・・・確かに現在存在する企業、職業の中には無くならざるを得ないものも沢山あるでしょう。・・でも、それらの仕事は本来無くてもよい、あってはならないものだったのです。仕事と言うよりも、単に財閥や資本家達の強欲を満たす為のシステムだったのです。だから、これらの仕事が必要だと最後まで抵抗するのは、その事によって普通の人の何倍もの・・何百何千倍も稼いでいた財閥や金融資本家、多国籍企業の経営陣達でしょう。彼等のような存在は縮小社会には必要ないのです。縮小時に大災害が起こるとすれば、それは成長時(膨張時)にやってはならない事をやったからで、そのまま問題を先送りして更に膨張を続ければ、もっと悲惨な状況を作り出すのです。典型例が原発です。経済縮小は、生態系がしっかりしている時期にやれば問題はないのです。だから生態系が壊され始めている現代は急を要するのです。

山も登る時よりも下りるときのほうが楽です。高いバベルの塔を高く高く積み上げていって崩れないように補強を重ねるよりも、塔の上のほうを解体して低くして補強した方がどっしりと安定します。・・補強も楽に出来ます。
経済成長路線から降りる事は、経済成長を維持する事と比べれば、難しい事でも面倒な事でも危険な事でもないのです。寧ろ遥かに楽でしょう。そして縮小の過程でも、楽しむ事も出来て豊かな経験も出来るでしょう。いずれ大多数の人々が経済成長洗脳から解き放たれてみんなで降り方を考えて行く時代になるでしょう。問題はその時期です。脱成長に舵を切る時期が遅ければ遅いほど、経済成長志向社会の崩壊時の災難は大きくなり、時期を逸すれば再起不能に陥るでしょう。「経済成長神話」と言う人類の歴史上最悪のカルトが、崩れるのが21世紀です。(この神話は高々300年しか続かなかった事になりましょう。)一端崩れ始めると、崩壊は速く「経済成長」を肯定する事の酷さが共通認識となる事でしょう。そして、「縮小安定」が共通認識となるでしょう。

ここのサイトでは、経済成長主義の愚かさ、経済縮小の必要性についてはしつこいほど繰り返し説明し主張して来ました。今年は一歩進んで(降りて)縮小社会への降り方や理解などについて論じていきたいと考えています。今年も宜しくお願いします。
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Comments 4

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guyver1092

歴史からみると

 歴史的には、文明崩壊に準ずる、経済崩壊による国家の崩壊(ローマの滅亡等)の時代には、貨幣経済が縮小し、分業も縮小するそうです。つまりは、縮小がいやだと言っても、経済崩壊、文明崩壊が始まれば必ず、縮小します。
 実は、現在、ユーザー車険等、それまで代理人に任せていた者を自分でするという、本人申請花盛りです。つまりは、分業の縮小はすでに始まっているのです。

2014/01/07 (Tue) 21:51

雑草Z

Re:歴史からみると

    guyver1092 #さん

 またまた興味深い情報とその洞察、有難う御座います。
分業と経済成長の関係に関しては一度記事にして頂きましたね。

>文明崩壊に準ずる、経済崩壊による国家の崩壊(ローマの滅亡等)の時代には、貨幣経済が縮小し、分業も縮小する

なるほど、経済崩壊に際しては、自分の割り当てられた分業だけやっていたら間抜けですね。色々なものを失わないように一人で色々しなければ大変です。
 だから、人間にとって根本的に必要な仕事以外は消えて行くと言う事ですね。

>現在、ユーザー車険等、それまで代理人に任せていた者を自分でするという、本人申請花盛りです。つまりは、分業の縮小はすでに始まっているのです。

なるほど、鋭い洞察です。既に経済の縮小も始まっているのでしょうね。流れに逆らってインフレターゲット等の経済対策を進めるアベノミクスってどれだけ愚かな政策か、気付いている人も少なくない今日この頃かと思います。株価の暴落やデフォルトも各地で起こりそうな感じです。

2014/01/07 (Tue) 23:58

アルテミス^^

新年のご挨拶

雑草さん

こんばんは
遅くなりましたがあけましておめでとうございます!
私もご挨拶に参りました。

「降りる方が楽」
確かに短期的に見ると大変なこともあるかと思いますが間違った方向だったと認識ができてくれば降りることも必要だと感じます。

まぁ、今の状況は降りるに降りられない?と私はみております。

ところで降りていく生き方という映画があるようなのですがご覧になりました?私はまだ見ていないのですが興味があります。

おくらばせながら本年も宜しくお願いします^^

2014/01/08 (Wed) 00:02

雑草Z

Re:新年のご挨拶

    アルテミスさん

 お久し振りです。新年の御挨拶ありがとうございます。

>今の状況は降りるに降りられない?と私はみております。

なるほど、実情を観た的確な洞察だと思います。記事の主題に使えそうです。有難う御座います。
昨年暮れにある企業に勤めている昔からの友人と話をしたとき、アベノミクスの経済成長策を批判したら、彼は「それでも今は、多くの企業が苦しいから、先ずは景気が良くなって欲しいの・・。」旨の事を言いました。これまた多くの企業の本音かも知れませんが、そうやって仮に景気が良くなって拡大再生産が出来ても、財政出動が終わればもっと酷い状況が待ってます。アベノミクスは、問題の拡大再生産をしていると言えましょう。愚策です。庶民はますます苦しくなるでしょうね。早く止めるべきです。

本年も宜しくお願いします。

2014/01/08 (Wed) 06:22
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト、「経済成長信仰」と「科学技術信仰」とによって、飛行船地球号は破裂して墜落を始めるのも時間の問題。
あくせく働いて破局に向かって突き進むくらいなら猫のようにその日暮らしをする方がよっぽどいいではないですか。脱成長によってゆったり暮らすことができる社会の実現を!
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