都知事選の単独争点とネガティブキャンペーン
脱原発候補のうち、現在有力視されている細川護煕候補に対するネガティブキャンペーンが、細川氏立候補の可能性が出てきた頃から、あちこちで活発に行われるようになりました。
その最たるものが、
原発のない東京都で脱原発を単独争点にするのは如何なものか?・・・というものです。「脱原発は都知事選の争点ではない。」と言い切るものさえいます。その他、細川氏が高齢だとか、オリンピックは辞退すべきだと言ったとか、色々ネガティブな情報が広められていますが、それらは全て、脱原発を主張する人物に都知事になって欲しくない原子力邑の輩によるネガティブキャンペーンでしょう。テレビで、ラジオで、そして新聞で、「脱原発だけで都知事選はおかしい。福祉や地震対策、オリンピックや少子化問題など重要な争点が他にも色々ある」と言いような内容がしつこく繰り返されています。しかし、原発とその他の問題では、問題の重みが違い過ぎます。原発は国家の存亡に関わる危険極まりない存在です。それだけに留まらず他の国家にも償い切れない損害を与えることにもなりかねません。細川氏も宇都宮氏も脱原発を争点の中心に置いても、それだけを争点にするわけでは無いと思いますが、仮に脱原発の単独イシューでも十二分に重い争点になる筈です。
原発のない東京都で脱原発を第一の争点にすることはおかしな事でしょうか?
福島第一原発で作った電気は全て東電の電力供給地域、関東、首都圏に送電されていました。つまり3.11の原発事故は、首都圏の電気を作る為の発電所が事故を起こしたのです。東京が無関係の筈はありません。それどころか、東京がその電力を必要としなければ、福島第一原発の事故はなかったとも言えましょう。・・・実際は、原発が無くても電気は足りますし、ない方が発電効率も良く、電気代も安くなりますから、首都圏の電力需要は原発推進のための口実と言えますが、どちらにしても福島第一原発事故は首都圏の電力需要が根本原因の一つと言えましょう。脱原発は東京都知事選の最大の争点として十二分ですし、シングル イシュー ポリテクスとしても全く違和感はありません。原発問題と比べれば、オリンピックの開催など取るに足らない問題ですし、オリンピック開催を今から辞退しても大した問題ではありません。それどころか、原発事故の未収束を理由に今から辞退しても、細川氏が言ったように、日本はしっかりした素晴らしい国であると世界の理性ある人々から認められる事でしょう。
日本の広いとは言えない領土で、17ヶ所に50基以上ある原発が長きにわたって稼働されてきたのです。日本中の原発の燃料プールの使用済み核燃料はほぼ満杯状態なのです。どの原発も大事故を起こす可能性が無視できるほど低くはないのです。そして、稼働中に大事故を起こさなくても、全ての原発が安全に廃炉作業を終えるとは思えません。作業員もかなり足りない筈です。第一、人間に被曝労働をさせていい筈がありません。原発は背負いきれない負の遺産なのです。はっきり言えば、今すぐ原発の撤廃を決めて、廃炉計画を立てても、廃炉作業には困難が続くでしょう。放射性物質が大量に在るので、日本中どこも人が住めなくなってしまう可能性も低くないのです。日本の生き残りの可能性を少しでも高くするために、一刻も早く原発全機廃炉を決定しなければならないのです。
小泉元総理はかつて郵政民営化を単独争点として、解散総選挙を行って圧勝しました。脱原発は、その郵政民営化よりも遙かに大きな争点でしょう。国家の存亡に関わるのですから。安部総理はオリンピック誘致の際に、福島第一原発の事故は収束し、完全に制御されているなどと大嘘をつきましたが、福島第一原発事故はいまだに収束していません。まだまだ正念場が続くでしょう。
前代未聞の深刻な原発事故を起こした日本の国の首都の知事が脱原発を宣言することは、非常に大きな意味があります。政府等の情報を鵜呑みにして、いまだに原発に関して楽観視している国民もその深刻な危険性、大きな問題に気づくでしょう。そして、世界の国々にも大きなインパクトを与えるでしょう。現在止まっている原発の再稼働を阻止して廃炉に持ち込む為の大きな追い風になるでしょう。東京に脱原発の大きな象徴の都となって欲しいものです。もう既に、欧米の多くの国は脱原発で日本の先を行っていますが、これから原発を導入しようとしているいわゆる途上国の国々も覚醒することでしょう。
単に自分達の利権を守りたいだけの原子力村主導の、政治家、マスコミを使った大量のネガティブキャンペーンに騙されずに、是非とも脱原発都知事を誕生させて、世界に脱原発を宣言して欲しいと願います。
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