雑草の言葉

安保法制反対デモに関する2つの新聞投稿記事

2015/07/23
時事問題 4
安保法案が衆議院を通過しましたが、法案の通過後も安保法制反対デモは、官邸前、国会前をはじめ多くの場所で連日行われています。
このデモに関して最近(7月半ば過ぎ)朝日新聞に載った2つの(話題の)投稿記事を紹介し、拡散致します。


 7月18日(土)
安保法案の阻止が私の民主主義     
アルバイト 塔嶌 麦太(東京都 19)
私は安全保障関連法案の成立を止めるため、国家前の抗議行動に参加する。デモにも行く。友達にも呼びかける。こうやって投書も書く。できることは全てやる。
 「デモに行っても無駄」と多くの人は言うだろう。でも、私は法案成立を止められるからデモに行くのではない。止めなければならないからデモに行く。無駄かどうかは結果論だ。
 私は間もなく選挙権を手にする。この国の主催者の一人として、また「不断の努力」によって自由と権利を保持していく誇り高き責務を負った立憲主義国家の一員として、この法案に反対し、この法案を止める。
 声を上げるのは簡単だ。むしろ声を上げないことの方が私にとって難しい。なぜなら、私はこの国の自由と民主主義の当事者だからだ。戦争が起きてこの国が民主主義でなくなり、この国が自由を失ったとき、やはり私はその当事者だからだ。
 何度でも言う。私は当事者の責任において、この法案を止める。それが私の民主主義だ。この投書を読んだあなたが、もしも声を上げてくれたならば、それは「私たち」の民主主義になる。


7月23日(木)
学生デモ 特攻の無念重ね涙  
無職 加藤敦美(京都府 86)
安保法案が衆院を通過し、耐えられない思いでいる。だが、学生さんたちが反対のデモを始めたと知った時、特攻隊を目指す元予科練(海軍飛行予科練習生)だった私は、うれしくて涙を流した。体の芯から燃える熱で、涙が湯になるようだった。
オーイ、特攻で死んでいった先輩、同輩たち。「今こそ俺たちは生き返ったぞ」と、むせび泣きしながら叫んだ。
山口県・防府の通信学校で、特攻機が敵艦に突っ込んでいく時の「突入信号音」を傍受し何度も聞いた。先輩予科練の最後の叫び。人間魚雷の「回天」特攻隊員となった予科練もいた。私もいずれ死ぬ覚悟だった。

天皇を神とする軍国で、貧しい思考力しかないままに、死ねと命じられて爆弾もろとも敵艦に突っ込んでいった特攻隊員たち。人生には心からの笑いがあり、友情と恋があふれ咲いていることすら知らず、五体爆裂し、肉片となって恨み死にした。16歳、18歳、20歳…。
 若かった我々が、生まれ変わって、デモ隊となって立ち並んでいるように感じた。学生さんたちに心から感謝する。今のあなた方のようにこそ、我々は生きていたかったのだ。




新聞紙に印刷された縦書きの新聞記事のほうが読み応えが増すようです。リンクをご覧ください。



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Comments 4

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guyver1092

オリンピックの新国立競技場

 競技場問題では、デモが起きたとは聞いたことがありませんが、2500億円を見直すことになりました。しかし安保法案は、これだけのデモが起こっているのに撤回をしていませんね。やはり、世論よりは、議席なのでしょう。これまで日本人は、政権に手ひどく裏切られても、自民党に投票してきました。国民は、自民党を甘やかしていたのです。それを見越して、「国民に丁寧に説明すれば分かってもらえる」などとうそぶいているのでしょう。
 今回の戦争法案強行採決は、「経済発展」を重要視してきた結果、安陪という破滅に付け込まれたのだと考えます。
 デモだけではなく、投票行動で安陪NOを示さない限り、破滅は間違いなく来るでしょうね。

2015/07/26 (Sun) 20:25

雑草Z

Re:オリンピックの新国立競技場

>競技場問題では、デモが起きたとは聞いたことがありませんが、

安倍政権に反対するデモ等、他の問題と抱き合わせでデモが行われた事はあるかも知れません。旧国立競技場が解体される前に、勿体ないから、解体せずにそのまま使え・・・という集会には参加した事があります。(これまた、無駄な公共事業反対の集会の一部でした。)何にせよ、国立競技場の問題よりも安保法制の問題のほうが遥かに大きな問題ですね。今になってマスコミが、国立競技場の問題を大きく取り上げたのは、正に御用マスゴミである事を実証しています。

>「国民に丁寧に説明すれば分かってもらえる」

全く丁寧でも無ければ説明にもなっていないはぐらかしですね。国民を馬鹿にしているとしか思えません。(若しくは本人が真性の馬鹿なのでしょう。)

>安倍と言う破滅

的確な表現かも知れません。

>デモだけではなく、投票行動で安陪NOを示さない限り、破滅は間違いなく来る

以前の記事にも書きましたが、破局が早く来た方が、日本の為かも知れません。安倍の功罪と言えるかも知れません。・・・勿論、大きな痛みを伴い、犠牲は深刻なものとなるでしょう。この犠牲を少しでも和らげる事が大切だと考えます。

2015/07/27 (Mon) 06:20

爽風上々

今の危険性

ようやく安倍の危険性に気付いたか、しかし遅すぎたというところでしょう。
せめて法案上程の前に気付き、統一地方選挙などで連敗させてやれば止めれらたかもしれませんが。

ただし、安保法制も非常に大きな問題ではありますが、もう一つの大問題、そしてこれは社会全体に影響を及ぼしかねないTPPの交渉についての関心が薄れてしまっています。
こちらを止めなければより大変なことになりかねないのに、ほとんどすべての報道時間は安保法制の国会討議にのみ使われてしまっています。

もしかしたら、安保法制はTPPをスムーズに通すための隠れ蓑なのかも。アメリカにとって確かに集団的自衛権で日本に軍事費を肩代わりさせることができれば経済的に楽にはなりますが、TPPで得られる利益に比べれば物の数ではありません。
アメリカの安倍への指示は国全体を巻き込む安保法制で国論を沸騰させておき、その隙にTPP交渉をうまく片付けろというのではなかったのかと思うこの頃です。

2015/07/29 (Wed) 13:35

雑草Z

Re:今の危険性

>もしかしたら、安保法制はTPPをスムーズに通すための隠れ蓑なのかも。アメリカにとって確かに集団的自衛権で日本に軍事費を肩代わりさせることができれば経済的に楽にはなりますが、TPPで得られる利益に比べれば物の数ではありません。

なるほど、鋭い御指摘です。おそらく今の日本人の大半は、安保法制こそ最大の問題と考えているでしょう。しかしTPPもそれに並ぶかなり深刻な問題です。
 安保法制もTPPもどちらもアメリカによる日本属国化の強化の政策ですね。・・・アメリカ国家と言うよりもアメリカの超国家企業が日本を支配する為と言った方が正確でしょう。

2015/07/30 (Thu) 06:36
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト、「経済成長信仰」と「科学技術信仰」とによって、飛行船地球号は破裂して墜落を始めるのも時間の問題。
あくせく働いて破局に向かって突き進むくらいなら猫のようにその日暮らしをする方がよっぽどいいではないですか。脱成長によってゆったり暮らすことができる社会の実現を!
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