平穏な生活があれよあれよと・・・
コロナウイルスパンデミックによって世界の多くの人々の日常生活がガラリと変わりました。外出自粛や非常事態宣言により、平穏な日常生活があれよあれよと言う間に変貌を遂げ、様々な制限のある生活に変わりました。パンデミックではありませんでしたが、2011年の3.11原発震災時も、原発爆発後は、福島第一原発周辺の広い範囲で屋内待機はありました。
経済的に先行き不安な人も多い事でしょうけれど、多くの人々は、数週間から数ヶ月だけの辛抱・・・で、それが過ぎればまた元の日常生がやってくる・・・と信じている事でしょう。このパンデミックは百年に一度のパンデミックで、回復したらもう、生きている間に次のパンデミックは起こらないだろう・・(その間に経済的に破綻してしまう不安はかなりあるでしょうけれど・・)と考えている方もいる事でしょう。
しかしもっと深刻な『あれよあれよと言う間の制御が効かない衰退』がこの21世紀中に起こると考えています。成長の限界に達したこの世界では、これ以上成長(膨張)は出来ず、その天井での限界の状況を続けると、カタストロフィー的な減衰が起こるからです。今回の様なウイルスによるパンデミックが引き金になろうがなるまいが、今回よりも深刻な歯止めの効かない減衰が21世紀中に訪れるだろうと言うことです。
20世紀以降、一時的な恐慌などを除き、人口も生産も急激に増加し続けてきたこの世界は、汚染、資源不足、食糧不足・・・などのどれもがかなり行き過ぎてしまって危機的状況です。現代社会は、成長の限界を超えて行き過ぎてしまった不安定社会なのです。砂上の楼閣なのです。だから、前回【ロックダウンからローカル化へ】でも描いたように、閉鎖してもやっていける地域に変貌を遂げ、社会を縮小させる必要があるのです。それが甚大な被害をより大きくしない方法です。
かなり以前から21世紀中に制御不能な衰退が起こるとを予測していた私ですが、まだ実際に起こらなかったので実感が湧きませんでした。然るに今回のコロナパンデミック騒動によって、来るべき制御不可能な減衰を前もって多少実感する事が出来ました。
元の不安定な経済成長路線の汚染不安定社会に戻るのではなく、これを機に社会、経済規模を縮小し、定常安定化した社会に移行する道に方向転換すべきなのですが、そんな話は聞こえてきません。
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