縁故資本主義
ここのところ「日本は、縁故資本主義(crony capitalism)に堕落してしまった」と言った内容の記事を目にするようになりました。
これは勿論、前安倍首相とお友達関係にある人物らが担う事業に多額の国家資金が注ぎ込まれてきた構図を指しています。
縁故資本主義とは、その名の示す通り、首相や政府官僚との親しい関係がビジネスの成功に決定的な要因となっている資本主義経済体制を批判する用語です。お友達関係が、事業の法的許認可、政府認可、優遇税制措置、公共事業発注先の選定に有利に働くという公私混同の資本主義体制です。ただの癒着や腐敗、汚職の類であるとも思いますが、資本主義の表向きの理念とはかけ離れていても、資本主義の実態を表している言葉かもしれません。
確かに安倍内閣は、モラルハザード的な縁故資本主義を展開してしました。森友学園、加計学園、桜を見る会は氷山の一角に過ぎません。辞める前には、コロナ禍さえ利用していました。アベノマスクでは実績のない企業と随意契約が結ばれましたし、持続化給付金事業では実態の無いような企業と官製談合的な癒着をしていました。GoToキャンペーンでは、法外な事務委託費を担当企業に支払っていました。
確かに安倍内閣は、戦後の内閣の中でも類を見ないほど酷い縁故資本主義の典型例でしょう。総理を辞任する最後の最後まで、縁故主義の首相であったことは間違いないと思います。安倍政権を全く擁護する気はありませんし、もっと糾弾されるて然るべきだと考えます。
しかし、縁故資本主義を「発展途上国のような、時代錯誤的な経済であり、自由市場経済の本質からはかなり逸脱している」と言った批判には同意しかねます。経済学者は、「正当な価格は公正な市場均衡点で落ち着く」と説明してきました。経済モデルが示すのは、「理性的な人間が自発的に公正な市場取引の契約を行い、それに対する富の支払および増加にはそれと同等の価値の提供が伴う」というものでした。そんな公正な自由市場がしっかりと展開されている国、時代がどこに存在していたのでしょうか?アメリカは勿論ヨーロッパでも縁故資本主義をはじめ、公正とは言えない経済活動が普通にありふれていたのではないでしょうか?
議会や規制を設定する当局へのロビイング(日本で言えば「陳情」)や、同じ人間が政府での役職と民間企業での営利活動を行き来して何度も繰り返す「回転ドアシステム」も縁故資本主義の典型でしょう。
経済活動は当然人間のするものです。人間関係、縁故関係が経済活動に深く関わっていることは明らかです。
『社会主義』が、理想論ばかりで現実と乖離しているというのであれば、『自由市場経済』も同様に理想論ばかりで現実と乖離していると言えるでしょう。実態は縁故資本主義をはじめ、不正な資本主義経済活動で溢れているのです。
これは勿論、前安倍首相とお友達関係にある人物らが担う事業に多額の国家資金が注ぎ込まれてきた構図を指しています。
縁故資本主義とは、その名の示す通り、首相や政府官僚との親しい関係がビジネスの成功に決定的な要因となっている資本主義経済体制を批判する用語です。お友達関係が、事業の法的許認可、政府認可、優遇税制措置、公共事業発注先の選定に有利に働くという公私混同の資本主義体制です。ただの癒着や腐敗、汚職の類であるとも思いますが、資本主義の表向きの理念とはかけ離れていても、資本主義の実態を表している言葉かもしれません。
確かに安倍内閣は、モラルハザード的な縁故資本主義を展開してしました。森友学園、加計学園、桜を見る会は氷山の一角に過ぎません。辞める前には、コロナ禍さえ利用していました。アベノマスクでは実績のない企業と随意契約が結ばれましたし、持続化給付金事業では実態の無いような企業と官製談合的な癒着をしていました。GoToキャンペーンでは、法外な事務委託費を担当企業に支払っていました。
確かに安倍内閣は、戦後の内閣の中でも類を見ないほど酷い縁故資本主義の典型例でしょう。総理を辞任する最後の最後まで、縁故主義の首相であったことは間違いないと思います。安倍政権を全く擁護する気はありませんし、もっと糾弾されるて然るべきだと考えます。
しかし、縁故資本主義を「発展途上国のような、時代錯誤的な経済であり、自由市場経済の本質からはかなり逸脱している」と言った批判には同意しかねます。経済学者は、「正当な価格は公正な市場均衡点で落ち着く」と説明してきました。経済モデルが示すのは、「理性的な人間が自発的に公正な市場取引の契約を行い、それに対する富の支払および増加にはそれと同等の価値の提供が伴う」というものでした。そんな公正な自由市場がしっかりと展開されている国、時代がどこに存在していたのでしょうか?アメリカは勿論ヨーロッパでも縁故資本主義をはじめ、公正とは言えない経済活動が普通にありふれていたのではないでしょうか?
議会や規制を設定する当局へのロビイング(日本で言えば「陳情」)や、同じ人間が政府での役職と民間企業での営利活動を行き来して何度も繰り返す「回転ドアシステム」も縁故資本主義の典型でしょう。
経済活動は当然人間のするものです。人間関係、縁故関係が経済活動に深く関わっていることは明らかです。
『社会主義』が、理想論ばかりで現実と乖離しているというのであれば、『自由市場経済』も同様に理想論ばかりで現実と乖離していると言えるでしょう。実態は縁故資本主義をはじめ、不正な資本主義経済活動で溢れているのです。



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