エネルギーの将来需要の見込みの欺瞞
「〇〇年後のエネルギー需要量は○倍になるから、その為にエネルギーの開発が必要である。夢のエネルギー原子力なら十分に賄える」などと書かれていたことが記憶にあります。経済産業省とかが作った国策のプロパガンダ用の小中学校用の副教材だったのかも知れません。子供心にも、こんなにはっきりと未来の需要量が分かるものか?と疑問に思ったものです。

※上の図表は、記事で触れた統計図表ではありません。
ずっと後に(最近)描かれたものでしょう。
どちらも信頼性が低いことは共通しているでしょう。
その予測は、結構断言的に書かれていた記憶ですが、後に、大人になってから「あまり当たらない信頼に足らない予想」であったことに気付きました。 そもそもその予測自体が原発を作るために帳尻合わせで作られた数値であった可能性も否定できません。国や企業など利権を持っている団体がよくやる手です。
GDPの伸びの将来予想も同じようなものでしょう。株価予想は人間の思惑も加わるから、もっと予想し難いか、し易いかは条件にもよるでしょうが、これも競馬の予想のように全く信頼に足りるものでは無い事は、多くの人が実感してる事でしょう。
未来予測なんてそう簡単に正確に当たるものではありません。星の動きのように単純にニュートン力学で推定できる特別な場合を除き、バタフライ効果も効いてくる複雑系カオスですから、所詮「不確実な推測」の域を出るものではないでしょう。
しっかりと幅を持たせて、「〇〇倍から〇〇倍の間になると推測されます。」なんて記されると、しっかりしたデーターで推測されているように感じますが、その幅が何%の信頼区間かの但し書きなどはほとんどされていません。統計的推測では一般に95%の信頼区間である場合が多いのですが、「遠い未来の予測」(数年先でも「遠い未来」と考えても)では、確固としたデータが無いのですから一般的な統計的推測はできないでしょう。つまり、95%信頼区間自体示せないと言う事です。
まして、「結論ありき」の恣意的な予測が当たる可能性はかなり低いでしょう。エネルギーの需要予測に限らず、未来予測は、あんまり信頼できない数値として考えるべきです。
地球温暖化の予測も、2050年に〇〇℃〜〇〇℃になるなんてIPCCから示されると本当にそうなるような気になってしまいますが、それも95%の信頼区間ではないでしょう。単にいくつかのパラメータの値をいじってみてもっともらしい値の範囲を採用したのではないかと勘ぐってしまいます。「幅がこれくらいなら信頼できそうか」・・・程度かも知れません。
国などが出す将来の数値予測は、結果が断言的に述べられる場合が多々あり、多くの人が信じてしまいがちです。・・もうそうなる事が確定事項として話している人が沢山います。しかし(その幅にも依りますが、)当たる可能性は高くないと考えるべきです。まして、利権の絡む恣意的な予測など気にする必要もないでしょう。
「明日の天気予報さえもよく外れる」・・のですから。

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