雑草の言葉

左翼と右翼の気質

2021/10/29
社会・経済 2
 かなり前々から考えていた、思想的な、左翼と右翼の気質の違いについて、 今更ながらですが、個人的見解を記しておきます。

 左翼は革新を唱える進歩派、右翼は伝統を重んじる保守派というのが元来の意味でしょうか。

 主義的な意味に於いては、右翼は国粋主義、民族主義、排外主義。左翼は進歩主義、革新主義・改革主義です。

 社会の仕組みで言えば、右翼は自由経済の資本主義。左翼は共産主義・社会主義。です。

 日本の政党は、右翼は自民党をはじめとした保守勢力。左翼は、社会・共産主義勢力です。
 特に日本独特のカテゴライズでは、右翼は対米従属(これのどこが右翼なんでしょう?)、再軍備、九条改憲。対して左翼は、(反米的)中立、非武装、九条護憲 です。

 以上これらのカテゴライズは、相通ずる部分もありますが、かなり大きな違いもあります。分け方によって、右翼と左翼が入れ替わる部分も出て来ます。

日の丸 赤旗



 それらを踏まえた上で、人間の気質から考えて、どのカテゴライズがより本質的で(やや)普遍的(に近い)か考えてみました。

 日本の政治的な右翼、日本の自民党員のような方々は体制派とも言えましょう。イデオロギー的な意味よりも、実質は権力のある「体制派」に強く惹かれて党員になったと言う方も多々いるでしょう。彼らがその気質のままロシアや中国に生まれていたら、素直に「体制派」の社会主義・共産主義者になっていた可能性が高いのではないでしょうか?
 逆に日本の政治的な左翼、共産党員など「反体制的気質」の人がそのままの気質でロシアや中国に生まれていたら、反体制運動を行い、反共を叫んで運動していた可能性が高いのでは無いでしょうか?

 イデオロギーは個人のアイデンティティに近い部分で、なかなか変わるのもではない本質的な部分と思われがちですが、実は「本質的なイデオロギー自体に共感する」と言うよりも、そのイデオロギーが置かれた環境下、立場で、どのように扱われているかによって、人はそのイデオロギーの支持・不支持を決めている部分が大きいのではないかと言う事です。

 習近平やプーチンがその気質のまま日本人であったならば、日本共産党に入党するのではなく、自民党に入党していた可能性の方が高い感じがします。そして自民党のトップまで登り詰めたかも知れません。
 安倍晋三や菅義偉・岸田 文雄が中国に生まれていたら、共産党員になって、党の下っ端になっていたかも知れません。(彼らの能力では上には登れないでしょう。)
 一方、日本共産党の志位和夫や小池晃、田村智子が中国にいたら、中国共産党の独裁に物申していたかも知れません。

 例えば天安門事件で、弾圧する政府側が、安倍、菅、岸田のような人。政府から弾圧される側が、志位、小池、田村のような人・・・の可能性が大きい・・・かも知れないと言う事です(笑)
 第二次世界大戦後の右派与党の首相・吉田茂や岸信介の頃からの日本の首相は、共産主義を敵とみなしていますが、実のところ、それは彼らの信念のイデオロギーでは無く、単にアメリカに占領されて、アメリカが宗主国だったからでしょう。もしも、戦後、中国やソビエトが日本を占領していたら、吉田茂や岸信介等は、「妥当米帝」とか叫んでいた事でしょう(笑)
 共産党の権力が絶対的な中国では、共産党員は共産主義に対して強力なイデオロギーを持っているかのように見えますが、(実際そう洗脳しているでしょう。)実は「体制派」であるからこその共産党員が大多数なのではないでしょうか?
逆に、 フィデル・カストロやチェ・ゲバラが中国にいたのなら、中国共産党の独裁に反対していたかも知れません。チェ・ゲバラの生まれ変わりが、体制に反対して抗議運動を起こした、天安門事件の首謀者になったのかも知れません。
 「仮定」の議論を進めてもあまり意味はありませんが、
 人間の本質的気質から考えた場合、右翼は「体制派」左翼は「反体制派」ということが言えると考えます。

・・なんて事を以前から考えていましたがどうでしょう?勿論、そう言う傾向があると言うだけの話で、色んな人を思い浮かべるとそうでもない場合も多々あるようです(笑)。

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Comments 2

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guyver1092

対米従属

 アメリカの押し付け憲法は改正しなければと言いつつ、アメリカが海外派兵せよと言えば、それを実現するために日本の憲法を変えようとするのは、はっきり言って奴隷根性が染みついていますね。アメリカも敵国だと言って自主防衛のため再軍備というのなら、国粋主義、民族主義という基準でみれば理解できるところですが。
 要素を取り出してみれば、右翼と左翼の入れ替わりというのも何かで読んだ気がします。社会の仕組みという点で見てみると、資本主義、共産主義等、両方共に進歩主義ですね。伝統的な経済成長しないシステムは、どちらも主張していませんね。

 人類の存続という点から進歩主義、保守主義を考えてみると、社会が安定している状態でを維持するのなら保守主義が優勢で、何らかの改革をしないと社会が行き詰まる時代なら、進歩主義が優勢でなければいけませんね。
 現代の、文明崩壊が危惧される時代では、進歩主義が必要と考えます。ただし、共産主義も「計画経済で経済成長する」と主張するなら、資本主義と何ら変わるところがありません。とるべき方向は、経済縮小主義で、十分縮小した後は定常主義でしょうね。

2021/10/31 (Sun) 20:07
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 対米従属

 仰るよに今の自民党は右翼とは言い難いですね。アメリカの言うことを従順に聞くアメリカに飼い慣らされた隷属党ですね。元々戦後に日本を隷属させるためにアメリカが作った党ですから、当然と言えば当然です。そこから強い意志で脱却しない限り対米従属のままでしょうし、それで政権を維持していますから、脱却する気は無いでしょうね。
 そんな自民党が今回の選挙でも多くの議席を獲得しました。野党連合がもっと議席を確保すると思ったのですが、残念です。

 民主党が政権を取った時も対米従属からは免れませんでした。日本は対米従属から免れるのは難しいですね。従順なのでしょうか?ラテンアメリカや中東のいくつかの国々のように、対米従属から脱却しようとすると、内乱状態になる(させられる)のでしょうかね?

 guyver1092 さんのコメントの、左翼を進歩主義、右翼を保守主義と捉える見方も結構本質を突いていると思われます。
そして仰るように、文明崩壊が差し迫った現代ではそこから方向転換する為に進歩主義が優勢で無ければならないと思いますが、現在の進歩主義は更なる(別の)経済成長を唱えていますので脱力です。「改革」と言って更なる経済成長を唱えています。・・それは現在は「真」の進歩主義ではなくて、保守主義なのでしょうが、経済成長志向は20世紀に出てきた概念でしょうから、それ以前の定常安定型が本来の保守とも言えましょう。
 おっしゃるように
>とるべき方向は、経済縮小主義で、十分縮小した後は定常主義
で間違い無いでしょう。

 

2021/11/01 (Mon) 06:03
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト、「経済成長信仰」と「科学技術信仰」とによって、飛行船地球号は破裂して墜落を始めるのも時間の問題。
あくせく働いて破局に向かって突き進むくらいなら猫のようにその日暮らしをする方がよっぽどいいではないですか。脱成長によってゆったり暮らすことができる社会の実現を!
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