CO2温暖化否定派のスタンス

Ⅰ。先ず、そのメインは当然の事ながら、二酸化炭素が、温室効果があることは確かですが、地球温暖化の主因では無いと言う主張です。CO2による地球温暖化説は、まだ推定の段階です。その証拠は一部の気候モデルのシミュレーションの結果に過ぎませんし、そんなことが証拠になる筈もございません。数あるパラメータをちょいといじるだけで結果は大きく変わります。それによって将来の気候は温暖化になるとも寒冷化になるともシミュレーション出来ます。更に、CO2温暖化説は、二酸化炭素の温室効果だけではなく、間に色々な因果関係が挟まって「風が吹くと桶屋が儲かる」のような一連のダイナミクスが必要のようです。だからCO2にだけ特化して主因とする事には疑問です。
二酸化炭素が地球温暖化の主因かどうかは、懐疑論・否定論のメインです。まだ「確定事項」で「過去の論争」ではありませんから、もっと議論すべきでしょう・・・と、言いつつ私はあまり議論に参加したくありません(笑)。
Ⅱ。次に地球温暖化対策の手段の欺瞞です。それによって地球環境をますます汚染し、エネルギーの浪費になるという議論です。この事に関しては最も力を入れて批判すべきことだと考えます。
その最たるものは原発でしょう。火力発電をやめて、より危険で廃棄物の処理ができない放射能を排出する原発を温暖化対策とするのは愚の骨頂です。寧ろ高温の排熱を出し、温暖化の原因の一つにもなるでしょう。元々CO2地球温暖化がクローズアップされたのは、原発推進の為でもありましたので、非常に警戒すべきところです。
二酸化炭素の地下貯留も愚かな逆効果の対策でしょう。数々の危険性だけでなく、莫大な設備を作らなければならないし、稼働にも多くのエネルギーを使うからギャグ効果(ギャグのように愚かな逆効果)で、こんな馬鹿げたことを本気で提案している連中がいる事が驚きです。
CO2排出削減の為に、石油などの化石燃料の使用をやめて、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーに代替にすること、ガソリン車から電気自動車への代替なども資源の浪費に過ぎないという指摘があります。私もそう考えていた時期もありました。『自然エネルギーはエネルギー密度が低く、拡散したエネルギーを利用するので、EPR(エネルギー産出比)が低くなり、資源の無駄遣いである』と言う論です。しかし、そのエネルギー密度は、エネルギーの取り出しには低すぎると言い切れるのでしょうか?植物は太陽光を光合成でしっかり利用しているし、電卓や時計はソーラーで十分に動き、かなり以前から実用化されています。現段階では太陽光、風力はまだ否定はできないと考えています。つまり個人的には自然エネルギーの開発に対しては、否定的ではなく、懐疑的です。きっと可能なものもあるでしょう。
ただ、「予防原則」と言うのならば、代替エネルギーを作ることではなく、エネルギー消費を桁違いに減らすことが最も信頼のおける効果的な方法でしょう。
Ⅲ。そもそも地球が温暖化する事は脅威ではなく歓迎することだとする論については、否定はしませんが、あんまり信頼できません。程度問題だと思いますが、気候変動はかなり注意が必要だと考えています。
Ⅳ。そもそも大気中のCO2濃度上昇の主因は人的排出によるCO2の増加とは無関係にあるとする理論は流石に「トンデモ理論」でしょう。近藤邦明氏が発見したという「等比級数理論」が代表です。そのことに関しては前回までに散々議論しました。近藤氏は他にはまともな事を主張している場合が多いのに、こんなお話にならない「トンデモ理論」をかざし続けていると、信頼を失うでしょう。さっさと撤回すべきです。

他にも色々あるでしょうが、以上の4つの否定論について、論じらせて頂きました。
さて、
よく、二酸化炭素地球温暖化肯定派の方々は「素人のくせに、専門的な議論に口を出すな。」などと懐疑論者を攻撃しますが、誰にもそんなことを言う権利はないでしょう。二酸化炭素温暖化説を専門職として研究していない方でも、しっかり研究されている方は沢山いますし、逆に二酸化炭素温暖化説肯定派の専門家でも、よくわかっていない方も多々います。「シミュレーションで証明された」と主張している方々は研究者とも言えないでしょう。大勢に踊らされているだけかと思います。
一方「二酸化炭素地球温暖化なんて嘘だ!」と大声で主張する否定派・懐疑派で、まともな根拠を何一つ言えない人も結構います。これらの方々は、逆に陰謀論に踊らされているだけかも知れません。
私はと言えば、2006年から数年間は、CO2地球温暖化説について色々調べ、考察し他の方とも議論しました。その結果一応懐疑派です。(否定派ではありません。)今回は、近藤邦明氏の「トンデモ等比級数理論」を思い出し、CO2温暖化論に関する記事を久しぶり(10年ぶり?)に連発しました。しかし、まだよくわからないし、専門家のデータにそんなにアクセス出来ないし、ビッグデータを扱う手段もないし、色々な主張を読むのもめんどくさいので現在は一応CO2地球温暖化議論からは距離を置いています。この議論にこれ以上あまり時間も費やしたくもありません。
CO2地球温暖化説否定派・懐疑派の方々は、CO2が地球温暖化の主因か?・・という議論は大切なので続けて欲しいと思います。しかし、数々の怪しい「トンデモ理論」に踊らされないで欲しいと思います。そして「CO2削減」「脱炭素化」といううわべの目的の元、為され続けている地球温暖化対策の欺瞞、その利権に群がる人々の追求に最も力を注いで行くべきだと考えています。CO2削減というのであれば、代替エネルギーの開発以上に、エネルギー消費の大幅削減に力を注ぐべきです。



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