雑草の言葉

残念な有機イチゴ販売法

2022/04/13
ゴミ・廃棄物 4
土産菓子の包装】2022/04/11 の後日談です。
 少し耕地をお借りして畑を作らせて頂いている、親しくしている有機無農薬の農家さんに、今年も耕地をお借りするべく、先方の好きな、仙台銘菓「萩の月」の簡易箱入りを手土産に、3月末に挨拶に行って参りました。

 手土産をお渡しする時に、「これは萩の月です。箱が通常のと違って質素なのは、簡易箱だからです。出来るだけ廃棄物が出ない様にと・・」と説明すると、「どうせ捨てる箱だから、箱なんかどうでもいい・・」と納得して早速箱を開いて、そこに居合わせたみんなで食べました。

 丁度、温室栽培のイチゴの収穫時期だったようで、収穫したものをいくつか味見させて頂きました。
 一昨年、専用の温室を建てて、初めてイチゴを植えて、昨年の春収穫だったのですが、殆どが、うどん粉病にかかってしまい、売り物になりませんでした。今年こそは・・と頑張って作ったハウスイチゴだったのでしょう。昨年の秋に、私も苗植えを手伝いました。そして今回は、冬の間も温室内で灯油を焚かなかったとの事です。日光の熱を逃さないように温室の出入り口をしっかり管理して育てたとのことで、好ましい感じでした。私は暖房してまで早生栽培をすることには断固反対です。
 今年は病気にもかからず、しっかり実ったようです。
 食べてみると、特に甘いわけではありませんでしたが、有機栽培らしく、味が濃くて、私の好みの味でした。 
 そして、私にお土産として一箱下さると、パックを差し出された瞬間に、それまでの好印象は全て崩れ落ちました。卵のパックのように1粒1粒入れる凹んだスペースがある、丈夫なプラスチックのケースでした。さらに柔らかいビニールがクッションとして敷いてありました。そこにまばらに、たった6個のイチゴが入れられていました。化粧箱入りの萩の月並みの過剰包装でした。こんなに無駄なイチゴの容器は初めて見ました。区切らずに普通に詰めれば半分以下の容量の容器で済むでしょう。
過剰保護容器に入れた苺
 苺を一粒一粒分けて詰める必要があるのでしょうか?

2、3個試食させて頂いた後、
「とても美味しいですが、一つ言わせて頂いてもいいでしょうか?・・・容器が良くないですね。」

すると他に訪れていたお客さんが、
「私もそう思います。もっと豪華な容器にすれば、もっと高く売れると思います!」
「いやいや、そういう事では無くて、逆にもっと簡易にすべきです。これじゃあプラスチックの無駄遣いでしょう?今はプラスチック容器が大問題です。折角美味しい有機栽培のイチゴも、この無駄に大きい容器で台無しです。」
するとそこの主人は、
「容器の豪華さで買う人もいるんだから、仕方ないべ。それに、こうしないとイチゴを送る時に傷んでしまうんだ・・・。」
と言ったので、
「私の趣味程度の家庭菜園とは違って、専業農家ですから、売れなければなりませんが、工夫するところが違うのではないでしょうか?」
と、続けました。
 傷んでしまうのは、卵のケースのように、一つ一つ入れる凹んだスペースがあり、大きさが合わずに隙間が出来て、ケースのプラスチックとぶつかるからでしょう。だからクッションとして更に薄いビニールを張ったのでしょう。
 しかし、イチゴは卵と違って、表面が固くないので、普通のイチゴのパックに密に詰めても、イチゴ同士がぶつかって割れる事はありません。寧ろ、お互いのイチゴがクッションになるでしょう。一つ一つ入れるスペースがあるからこそ傷むのでしょう。実際、従来の、密に詰められたパックのイチゴは、大概は傷められずに運ばれていました。豪華に見見せ掛けるために、一つ一つ分けて入れて、傷んでしまったからと、更にビニールを張る・・という発想が、私には受け入れられません。
卵ケースのような苺パック
卵のパックのような苺ケース。しっかりした蓋まで付いています↓
苺用過剰容器

 これ以上話しても埒が開かず、相手の気分を害するだけだと思いました。しかし、最後に、もっと気分を害するかもしれない言葉を口にしました。
「美味しい、香ばしい味の濃いイチゴですが、私だっら絶対に買いませんし、知人にもお勧めしません。」
 私は彼のところで作った高価な有機無農薬栽培のお米を購入していますし、知人にも送っています。しかし、このパッケージのイチゴは絶対に購入しませんし、知人にも送りません。

 彼は、過去に大規模林道工事を一人で止めた気骨のある人物です。【一人で頑張った気骨のある地主のお話】2007/08/31
 だから大きな敬意を払っておりましたので、残念な気持ちでした。長いお付き合いですが、畑をお借りしたり、お手伝いをしたりするのは止めようかな?・・・とさえ思ってしまいました。
普通の容器に入った苺
  ↑同じ頃、他のイチゴ農家から頂いた、一般的な容器に入れられたイチゴ。
 これで十分でしょう。こちらの方が甘かったです。
  1粒1粒は上の、有機無農薬栽培のイチゴよりも一回り小さかったけれども、
  より小さな容器に、数的には3倍以上、全重量も恐らく2倍以上はあったでしょう。

 一方、有機無農薬栽培苺の方は、味が濃くて、香ばしい感じです。
  その後、傷みやすいイチゴなのに、ずっと腐らずに長持ちして流石だと思いました。化学肥料で育てた作物の方が腐り易く、有機肥料の作物の方が長く持つようです。だからこそ、パッケージで高級感など出す必要はないでしょう。


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Comments 4

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guyver1092

収入

 人間は、経済的動物です。経済的に敗北すれば究極的には餓死するということですので、「売れ行きが落ちる」と考えてしまえば、理論的に人類の危機を誘うとわかっていても経済を取ってしまうのでしう。これは文明の暴走の一つの形なのでしょう。

2022/04/18 (Mon) 21:10
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 収入

>「売れ行きが落ちる」と考えてしまえば、理論的に人類の危機を誘うとわかっていても経済を取ってしまうのでしう。

これまた仰る通りですが、現代の食べ物の売り方の戦略としても「パッケージを豪華にする」という手法は、もう時代遅れになるのでは無いかと考えます。
上の写真の、一つ一つ分けて6個詰めたイチゴと、一般に売られている倍以上入っている下の写真のイチゴと、同じ値段だとしたら、guyver1092 だったら、どちらを購入しますか?
私は、有機栽培でなくとも、迷わず一般的なイチゴのパックに入ったものを購入します。
いくら箱に「有機栽培イチゴ」と書いてあっても、この過剰包装パックは気持ち悪いです。
値段は聞いていませんでしたが、おそらく、下の写真の一般的なパックに入った苺よりもずっと高く売るのだと思います。
思ったのですが、
高い農作物は、それなりに、手間暇かけて、妥当な値段のものもあるのでしょうが、
逆に過剰なパッケージに入れて、「高級品に見せかけて」値段を高くして売っているものも少なく無いのでは無いでしょうか?相場の10倍以上の値段の農作物にはそんなものが多いように思えます。

2022/04/19 (Tue) 23:20

guyver1092

濡れ手に粟

 なるほど、バカ高い農作物は、おっしゃる様に過剰なパッケージに入れて、「高級品に見せかけて」商売しているというのが正解という気がしますね。
 イチゴパックでどちらを選ぶかと問われると、私も普通のイチゴを選びますね。バカ高いものは、農産物ではなくイメージを売る、濡れ手に粟のおいしい商売なのですね。

2022/04/20 (Wed) 20:35
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 濡れ手に粟

>バカ高いものは、農産物ではなくイメージを売る、濡れ手に粟のおいしい商売

そう言う農作物が多いと思います。確かに「濡れ手に粟」ですね!
農作物に限らず、「高級品」の何割かはその手でしょう。ある意味詐欺に近いですね。


余談です。
 福島県では最近、南国で採れるバナナを作っているところがあり、それも相場の10倍くらいの値段です。
それは、バナナに不適当な所で、温室栽培してて、コストがかかるから、
コスト的には妥当な値段かと思いますが、買う気はしません。それはそれで、馬鹿げている感じがします。
そこまでして栽培する意味は感じられません。

更にもう一つ余談
「濡れ手に泡」だと思っていたので、その語源が今ひとつピンと来ませんでしたが、
今回guyver1092 さんから、
「濡れ手に粟」と言うコメントをいただいて、なるほどと思いました!
確かに「粟」で妥当です。有り難うございます。

2022/04/21 (Thu) 07:12
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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