雑草の言葉

米露代理戦争が「陰謀論」とは?・・Orz

2022/05/05
国際社会 8
  ここのところ、私に限らず、多くの人がウクライナ情勢を見るためにTVを点ける事が多いのではないでしょうか?
 BSでは、毎晩のように、どこか(複数)の局で1〜2時間のウクライナ情勢の特集のような番組も組まれています。その番組には、キャスターの他に、コメンテーター、若しくは、解説者として、ロシアやウクライナに詳しい新聞論説委員や報道記者、ロシアの研究者や元防衛大臣、防衛庁防衛研究所の職員などが出てきます。
 ワイドショーなどの殆どのコメンテーターが、ロシア=悪、ウクライナ・アメリカ=正義 として話す人物が多い中、ウクライナ事変をきっかけにテレビ出演するようになった多くの「専門家」も
同じような構図で話す人も多くいますが、かなりニュートラルな立場で話す、まともな解説者もいて、日本の報道も捨てたもんでもないか・・と思うこともあります。
アメリカ国旗ロシア国旗
 確かにプーチンはヒトラーのような冷酷で、殺人を平気で行う人物である事は露呈して来ています。しかし、プーチン個人は極悪としても、ロシア軍は極悪無慈悲で、アメリカや欧米は、正義の味方のような報道には辟易です。
 ・・その事はまた後日の記事として、今回は、脱力的な、どうしようもないと思った解説者について書かせて頂きます。

 最近はネットで得られる情報が、TV以上に突っ込んだ、深いものも少なく無く、研究者からの情報といえども、使い回し感が否まれません。視聴者も知識が豊富になってきて、いろいろな見方が出るようになって来ました。

 ある晩、BSの夜のウクライナ情勢の番組の最後の方に、視聴者からの質問と、それに解説者が答えるコーナーがありました。最初の質問が、
「ロシアが、日本に侵攻してきても、アメリカは、ウクライナのように、派兵して助けてはくれないのでしょうか?」
でした。ある解説者が回答した後、二人目の回答者の防衛庁防衛研究所室長という人物も、その立場もあってか
「他国を当てにせずに、先ずは自国で防衛しなければならない。」
 と、お茶を濁していました。はぐらかしたな?・・と見てたら、次の方の質問が、
「これからも、ロシアとアメリカは直接ではなく、ずっとウクライナのように、代理戦争の形で戦争を続けるのでしょうか?」
のようなものだったので、回答者達は何と答えるか興味を持って見ていました。その防衛研究所の室長という人物は、何と
「そういう陰謀論を持ち出すのはやめた方がいい・・」のような事を、苦笑いをしながら(鼻で笑って?)答えました。
 なんだこいつ、情弱か?・・いやいや、TVでアメリカとロシアの代理戦争なんて認めたら、立場が悪くなるとか、自分が干されるとでも思ったのでしょうか?
 今の日本はそんな発言だけで、干されるほどにアメリカに忖度しなければならないのでしょうか?
また、お茶を濁すのならちょっとはマシだったかも知れませんが、「陰謀論」と切り捨てるとは、視聴者を馬鹿にし過ぎです。質問者も呆れた事でしょう。
 第二次世界大戦後の世界の戦争の多くが、少なからず米露代理戦争の要素がある事は、多くの人が認める、「公然の秘密」とさえ言えないくらいの「常識」に近い事でしょう。それを「陰謀論」と切り捨てるこの方は、どういう思考回路をしているのでしょうか?ここまでどうしようもない回答をする人物がTVで解説者をやっていることに呆れ果てました。
この番組の質を一挙に貶めた感じです。

 新聞記者からの根拠ある質問に対し、根拠もなく、ただ内容を否定しまくって、忖度だけで総理にまで上り詰めた、無能な菅 義偉元総理を思い出しました。この防衛政策研究所の髙橋杉雄という人物も、忖度だけで、世を渡り歩いてきたしょうもない人物なのかも知れません。そういえば、雄弁さは菅氏よりは勝るとも、顔も話す時の表情も、菅さんと似ている感じです・・。
  その数日後、やはりウクライナのBSの特番で、森本敏元防衛大臣は、平気で
「今回の戦争は、米露戦争だから。」
と言ってました。そして、駒木明義:ロシア、国際関係の朝日新聞論説委員という方も平気で、「『ロシアは、ウクライナをアメリカが操っている』と考えている」・・と述べていました。 
 今回のウクライナ戦争を、「アメリカとロシアの代理戦争という要素もある」ということをTVで公言している解説者は複数います。日本はいまだにアメリカの属国的だと言っても、流石にそのくらいの発言では、干されないということでしょう。
 これらのまともな解説者達は、無能、または小狡い髙橋杉雄氏と同列には扱われたくないだろうな・・と思いました。(余談ですが、森本敏元防衛大臣は、日本の無能な防衛大臣とは思えない、結構参考になる発言を次々にされていたので、調べてみたら、民主党政権時代の防衛大臣でした。)
 よくもまあ、「米露代理戦争というのは根も葉もない陰謀論だ」みたいな発言をする髙橋杉雄なる人物を、各局は、解説者、コメンテーターとして使うものです。防衛研究所も、こんな人物が室長をしているくらいなのだから、部下もやりにくい事でしょうし、頼りにならないでしょう。
 私も以後は、他に聞くに値する人物でも出ていない限り、この防衛研究所研究室長髙橋氏の出ている番組は、スルーしようと思いました。

<5月6日追記>
米露の代理戦争を「陰謀論」と言って切り捨てるような愚かな事を言ってないで、日本が米露の代理戦争の場にさせられないようにする事こそ、彼ら「防衛庁」の人間の大切な仕事のはずです。


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Comments 8

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爽風上々

陰謀論

陰謀論というと、ちょっと世界の裏側を覗いたような気になった半可通が愚かにも持ち出すと言った意味合いで見下されることが多いのでしょう。
しかし陰謀だらけだったアメリカの海外戦略が今回は何も無かったと考えるのもあり得ないと思います。
(とはいえ、賀茂川耕助さんほどになるとちょっと行き過ぎかもしれませんが)

ただし、アメリカの陰謀がすべて当たりまくったなどということは全く無く、ほとんどが失敗の連続だったのでしょう。
その中で数えるほどの成功例というものはいくつかはありそうです。

しかし今回のウクライナ侵攻をめぐるロシア側の立場には、はじめの頃は考慮すべきところもあるのではと感じていましたが、ウクライナやアメリカの謀略などと主張しても何一つ証拠も示せず、その一方で占領地での市民虐殺など証拠を残し放題、やはりアメリカとは比較にならないほど幼稚な状態だと感じます。
それでも数えきれないほどの核兵器をもてあそんでいるという現実は怖ろしいものです。

2022/05/05 (Thu) 15:16
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 陰謀論

今回のウクライナ侵攻は、プーチンの失策でしょうし、彼の、狂犬のようなどうしようも無い性格によるものでしょう。
核の使用をチラつかせるあたり、北朝鮮の狂犬と同レベルかも知れません。
バイデン政権は、そこまで調べ尽くして、プーチンを挑発して、やり過ぎたのかも知れません。
確かにここのところの賀茂川耕助さんのサイトは、行き過ぎ感もありますが、否定は出来ません。
そう思わせるアメリカの情報戦略によるところもあるでしょう。

 今回の記事は、TVを観た私の記憶で書きましたので、正確ではないと思いますが、
(文書による)質問者は、(今回のウクライナ侵攻に限らず)、米露は、直接戦争ではなく、これからも代理戦争という形で続きそうかどうかを尋ねたようなニュアンスでした。
それに対して、防衛研究所の髙橋杉雄氏は、
「(今回のウクライナ侵攻に限らず)米露の代理戦争と言うもの自体が陰謀論なので、そんな話は持ち出すな。」
のようなニュアンスの回答をしたのです。
これは、彼の防衛庁の職員という立場上の建前発言にしても、酷過ぎる回答と思った次第です。
米露代理戦争を、他の事実無根の陰謀論と一緒くたにしている感覚が狂っていると感じました。
何を思って、質問者を馬鹿にしてまで、普通に常識的な、米露代理戦争論を否定しなければならないのでしょうか?
爽風上々さんは、どうお考えでしょうか?

2022/05/06 (Fri) 06:31

爽風上々

代理戦争

米欧がとてつもない額の兵器をウクライナに供与しているということだけ見ても、代理戦争という面があることは明らかであり、それを陰謀論などと言うのは「陰謀論者」さんたちに失礼な言い方です。
明らかなものは陰謀とは言いません。
高橋とかいう人物の発言ニュアンスが今ひとつ想像できないのですが、米ロが直接戦えないのでウクライナにやらせることを代理戦争と言って何が悪いのか、どうも腑に落ちない気がします。

2022/05/06 (Fri) 10:11
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 代理戦争

>明らかなものは陰謀とは言いません。

やはりそう思われますね!
アメリカとロシアの代理戦争と言った途端に
「陰謀論」として切り捨てた髙橋氏の意図がよく分からないし、
そんな事も言ってはまずいと思っているのなら、その意味での情報弱者でしょう。
「陰謀論」とか言って否定するよりも、日本が米露の代理戦争の場にならないようにする事こそ、彼らがするべき大切な仕事でしょう。

2022/05/06 (Fri) 18:15

guyver1092

ブラックゴースト団

 日本政府はブラックゴースト団の下部組織ですので、アメリカ(ブラックゴースト団)の代理でウクライナが戦っていることは認められないのでしょうね。
 日米安保条約は、日本が侵略された場合、すぐさまアメリカが助けに来るわけではなく、アメリカ議会の承認があってから参戦するというのは、どこかで読みました。
 下部組織としては、日本国民を騙して、日米安保条約が日本の安全のため必要という幻想を振りまく義務があるので、『「他国を当てにせずに、先ずは自国で防衛しなければならない。」 と、お茶を濁す』しかやりようがないのでしょうね。アメリカの本心は、日本を犠牲にして、敵国に勝利するのが目的だと考えています。

2022/05/07 (Sat) 20:47
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: ブラックゴースト団

guyver1092さんは、髙橋氏が防衛省の職員だから、ああいったしょうもない発言をしたとお考えですね?
仰るように髙橋氏は当然、
>日本が侵略された場合、すぐさまアメリカが助けに来るわけではなく、アメリカ議会の承認があってから参戦する

と言うことを知っていたからこそ、お茶を濁したんでしょうね。
しかし、「代理戦争」という明らかなことさえ「陰謀論」というのは酷過ぎます。
代理戦争について問われたら、どう答えるというマニュアルはあったんでしょうかね?

>日本国民を騙して、日米安保条約が日本の安全のため必要という幻想を振りまく義務がある

なのでしょうけれど、防衛省の職員が、日本国民の為ではなく、ブラックゴースト団の為に働いていると言うのも、脱力ですね。

>アメリカの本心は、日本を犠牲にして、敵国に勝利するのが目的だと考えています。

私もそう考えます。自国民の犠牲を出して、非難されたくないのでしょう。

余談ですが、アメリカを
>ブラックゴースト団

と呼んだ由来は何でしょうか?

2022/05/08 (Sun) 12:43

guyver1092

ブラックゴースト団

 「やはり軍需産業か?」でコメントに入れたつもりが入れていませんでしたが、私が一番最初に「死の商人」という言葉を知った(幼くて覚えていませんが)サイボーグ009の敵役の名前で呼んでみたものです。
 娯楽の読み物とはいっても、バカにできないものがあるというのが、最近の感想です。

2022/05/08 (Sun) 20:05
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: ブラックゴースト団

サイボーグ009でしたか!子供の頃、ラーメン屋さんとかに置いてある漫画本で読んで、
面白そうだったのですが、途中からだったので、脈絡がわからず、いつか最初から読んでみたいと思っていて、機を逸していました。
「死の商人」が敵だったのですね!?それこそ、アメリカの軍事産業の象徴かも知れません。確かにバカに出来ませんね。
防衛省の人々は「死の商人」と言う言葉も禁句かも知れませんね。

 学生の頃、「自衛隊は、アメリカの命令があれば日本国民に銃を向ける。アメリカが日本を掌握しようとするなら、自衛隊を使うだろう」
と言う事を聞いた事がありました、説得力があり、妙に納得できました。

2022/05/09 (Mon) 05:46
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト、「経済成長信仰」と「科学技術信仰」とによって、飛行船地球号は破裂して墜落を始めるのも時間の問題。
あくせく働いて破局に向かって突き進むくらいなら猫のようにその日暮らしをする方がよっぽどいいではないですか。脱成長によってゆったり暮らすことができる社会の実現を!
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