シダ類の山菜を植える
小学生の頃は、岩手県に住んでいましたが、ある日、友だちが採った蕨をくれました。母にアク抜きしてもらって食べてみると、ヌメヌメしたとろろのような「のり気」が多く、保存アク抜き蕨よりも、遥かに美味しくて驚きました。それ以降、友人と山に行って自分達で蕨を採って、母にアク抜きして貰って食べていました。そして、会津の保存アク抜き蕨は、シーズンオフで、新鮮な蕨が無い時のみ、仕方なく食べるようになりました。
大人になって色々な山菜を食べるようになりました。山菜はかなりな好物です。しかし、シダ類は、料理屋や温泉旅館でゼンマイやコゴミを出されれば美味しくいただいていましたが、何故か自分で採るのは、相変わらず蕨だけでした。子供の頃の習性ですね。「三子の魂百まで」なのかも知れません。
最近お世話になっている方で、静岡から会津に転勤されてきた方がいます。畑としても使っている広い庭付きの空き家になった家を購入されて住んでいます。昨年私が育てていた作物の苗を持って行ったところ、庭に、前の家主が育てていたというコゴミが、沢山生えていました。沢山摘んで頂いてまいりました。アク抜きも必要なく、茹でて食べるだけで、かなり美味しくいただきました。何故私は、それまで蕨に固執していたのでしょう?コゴミも頗る美味い!
食べる分を摘むだけでなく、株も下さるとのことでしたが、昨年は機を逸しました。
今年3月末に大きなタライを持って行って、3株(地下茎)を掘って頂いて参りました。昨年の枯れ葉(胞子体)が付いていて、生きているのか不安でした。
それまで、シダ類は、葉(胞子体)から胞子が飛んで、前葉体(配偶体)を作って増えると覚えていましたので(・・学生時代塾で教えていました。)昨年胞子を飛ばして枯れてしまった葉を残した株も、もう生きてはいないのではないかと不安でした。
枯れた葉は、切ってしまった方がいいとのことで、そうしましたが、ここから新芽(胞子体)が出てくるのか、不安でした。
しかし、二週間ほど経った、4月の半ばになると、三つの株全て新たな葉(胞子体)が勢いよく生えてきました。 食べたいところを我慢して、今年は株を根付かせて増やす事にしました。

切り落とした昨年の枯れた葉(胞子体)と最後に芽を出した東側の株

一番成長の早い真ん中の株、一番東側の株。左の生えてきた芽も同じ株
シダ植物の増え方も、机上の知識とは大きく違う事が判りました。胞子体は、胞子を飛ばしてしまった時点で、その役割を終える・・・とばかり思っておりましたが、アスパラガスなどのように、何年も株(地下茎)で増えるものでした。
そして、1度だけの経験でしたが、頂いてきて植えた、三つの株が、全て元気に勢いよく育って、シダ類の栽培は簡単じゃないか?・・と思いました。
我が家は町の中心部にあります。しかし、最近よくあるパターンで、人口が減少して中心部が空洞化しています。空き家もそこここにあり、寂しくなっています。
それなら、もっと郊外の山間部に引っ越して、コゴミの苗を下さった方のような、畑付きの家に引っ越したいとも思っておりました。
しかし、この町の真ん中で、簡単に山菜が育つのなら、それはそれで面白いと思いました。野鳥は沢山来ますが、哺乳類でよくくるのは、猫ぐらいです。猪や熊に家庭菜園の作物を荒らされることはありません。
町の真ん中で、山菜が沢山生える庭ってのも、人口減少社会の空洞化する田舎町の一つの典型的な形になっていくやも知れません。

真ん中のコゴミの株の奥にはコンポスト
我が家の庭は、雑草だらけで、雑木林っぽいのですが、ここでシダ類などの山菜が沢山生えれば、より完璧な林に近づくんじゃないでしょうか? 山菜が庭で採れるって嬉しい事です。

5月初めには、1mくらいずつ離して植えた三つの株がここまで育ちました。


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