全体主義の巣窟

↑昨年の畝を壊して、新たな畝を作っている最中。
毎年、その畝のいくつかには蟻が巣を作っています。土を掘り返した時に蟻がどっと出てきて、巣を破壊してしまったことに気付きます。可哀想だけど仕方ないか・・・と、どんどん掘り返します。

⇧破壊してしまったアリの巣
最も手強い雑草のヤブカラシ[薮枯らし]は、地下茎を掘り返して撤去するために、移植ベラを使う事があるのですが、その時アリの巣に出くわすと、アリは移植ベラを伝って手に乗り移って来て袖口などから服の中に侵入してきます。スコップで掘り返している時には足からも登ってきます。
そして
「痛い!」
思いっきり腕や肩や腹に噛み付て来ます。あんな小っちゃい蟻の顎でも、思いっきり噛み付かれると針で刺されたように、チクッと痛いのです。こちらも痛いので、上から叩きますが、『捨て身』で噛みついてきて、中々放しません。
そう、本当に『捨て身』なのです。痛いながらも、巣を守る為の自己犠牲の精神は凄いなと思わずにはおれません。
これって、女王アリなど他の誰かの指図ではないでしょう。自己犠牲の精神なのでしょうか?・・動物学者は「本能」で片付けて仕舞うのでしょうか?

↑壊された巣から幼虫を避難させる2匹の蟻。
幼虫を守る事も、2匹の蟻が協力して運ぶ事も、凄い事だと思います。
正に「全体主義!」
このように、個々の自己防衛本能ではなく、「みんなの棲む巣を守る」という行動はどこからくるのでしょうか? それこそ「身を挺して」巣を守るのです。
蟻は、突然巣を壊しにかかってきた「巨大な」人に、考える間も無く立ち向かって、その体に乗り移って、身を挺して噛み付くのです。 まさに「特攻隊」です。それも、人間社会の、第二次世界大戦中の日本の「特攻隊」のように、誰かに強制されたり、圧力を加えられたりして「仕方なく」ではなく、咄嗟の判断で、「特攻隊」となって、身を挺して侵攻者に噛み付くのです。
蟻の巣は、一つの意志を持った全体主義社会の様です。個々の蟻の判断と言うよりも、その巣に棲む蟻全体の「意志」の様なものがあるように思えます。 蟻は、感情があるのでしょうか?それともロボット的な機械的対応なのでしょうか? 噛み付かれて痛いのですが、この全体主義社会のアリの巣の蟻には、いつも感心致します。正に『全体主義の巣窟』そのものです。


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